名を忘れた悪役令嬢

御伽夢見

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第二王子と第一王子

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(第二王子)

いつからだ?
いつから『悪女』だと思い込んだ?

幼い頃はあんなにみんな仲良しだったのに。

むしろ兄上はとても彼女の事を気に入っていたはずだ。もちろん僕だって。それに弟も。

思い出せ。いつから彼女は孤立した?いや、責められるようになった?

優しかった。本来の行動を考えれば、誰かが邪魔をしただけと気付けたはずなのに。

弟だけが彼女のそばに居続けた。弟は簡単には騙されない。僕も同じだったはず・・


彼女を突き落として兄上は今何を思っている?






(第一王子)


部屋に食事が運ばれてきても食欲がわかない。

部屋の外には待機している者たちがいる。
事実上の監視・・・監禁だ・・・いや、元々待機している者たちは昔からいた。だが、昔と今現在とでは意味合いが違う。


何故止められなかったのだろう。

元々は自分の行動から始まっているのはとうに自覚していた。

まさに愛と憎しみは表裏一体。

何故末の弟あいつなんだ。
はじめは僕と君が仲良しだった。

僕は漠然とはいえ将来の自分の横に君がいてくれたらと感じていた・・・思っていた。

そう、君の行動読んで邪魔をし始めたのは紛れもなく僕だ。


廊下ですれ違う時にたまたま令嬢がバランスを崩し、君が咄嗟に支えた。

でも、あの頃イライラしていた僕は、少しだけいじわるしようと思い、お前が足を引っ掛けたのかと大きな声で言った。

予想に反してその声につられた人々が廊下に姿をみせた。

怖くなった僕は嘘だとは言えず、むしろ煽った。

あれが始まり・・・。


君はただバランス崩した令嬢を心配しだけなのに。僕はそれをわかっていたのに。

末っ子が駆けつけ、皆の前で事実確認をし、誤解として集まった人々は元の場所へ戻っていった。

僕も彼女も立場は守られた。でも、僕は気に入らなかった。なんで僕ではなく彼なんだと。

そう、本当は八つ当たりなんかせず、いつものように対応してればよかったのに。

そして八つ当たりから始まったソレは周囲を巻き込んていく。

先生から受け取った書類を君は確かに僕に手渡した。僕はそれを後でごみ箱に。そして数日後攻撃をした。皆の前で。

僕は受け取っていない、お前、どこに隠したんだと。

気づいたらすぐ下の弟がいじめに参加するようになっていた。

あいつは洗脳されやすい。今回の件で自覚したから今後は慎重になるだろう。

だけど本当は・・・助けてほしかった。僕の心を、行動を止めてほしかった。

巻き込まれた事でもうひとりの幼なじみも怪我を負った。
あの日、君は助けようとしていたのだろう。だから全力で否定したんだ。

誰か止めて止めて止めて。僕を止めて。

でも、実際は・・・君を突き落とした。

ゴキっと鈍い音が聞こえた。

ああ、もし彼女が死んだなら僕も沙汰を待たずに命を絶とう。それがせめてもの・・・。
 
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