5 / 23
第二王子と第一王子
しおりを挟む
(第二王子)
いつからだ?
いつから『悪女』だと思い込んだ?
幼い頃はあんなにみんな仲良しだったのに。
むしろ兄上はとても彼女の事を気に入っていたはずだ。もちろん僕だって。それに弟も。
思い出せ。いつから彼女は孤立した?いや、責められるようになった?
優しかった。本来の行動を考えれば、誰かが邪魔をしただけと気付けたはずなのに。
弟だけが彼女のそばに居続けた。弟は簡単には騙されない。僕も同じだったはず。
彼女を突き落として兄上は今何を思っている?
(第一王子)
部屋に食事が運ばれてきても食欲がわかない。
部屋の外には待機している者たちがいる。
事実上の監視・・・監禁だ・・・いや、元々待機している者たちは昔からいた。だが、昔と今現在とでは意味合いが違う。
何故止められなかったのだろう。
元々は自分の行動から始まっているのはとうに自覚していた。
まさに愛と憎しみは表裏一体。
何故末の弟なんだ。
はじめは僕と君が仲良しだった。
僕は漠然とはいえ将来の自分の横に君がいてくれたらと感じていた・・・思っていた。
そう、君の行動読んで邪魔をし始めたのは紛れもなく僕だ。
廊下ですれ違う時にたまたま令嬢がバランスを崩し、君が咄嗟に支えた。
でも、あの頃イライラしていた僕は、少しだけいじわるしようと思い、お前が足を引っ掛けたのかと大きな声で言った。
予想に反してその声につられた人々が廊下に姿をみせた。
怖くなった僕は嘘だとは言えず、むしろ煽った。
あれが始まり・・・。
君はただバランス崩した令嬢を心配しだけなのに。僕はそれをわかっていたのに。
末っ子が駆けつけ、皆の前で事実確認をし、誤解として集まった人々は元の場所へ戻っていった。
僕も彼女も立場は守られた。でも、僕は気に入らなかった。なんで僕ではなく彼なんだと。
そう、本当は八つ当たりなんかせず、いつものように対応してればよかったのに。
そして八つ当たりから始まったソレは周囲を巻き込んていく。
先生から受け取った書類を君は確かに僕に手渡した。僕はそれを後でごみ箱に。そして数日後攻撃をした。皆の前で。
僕は受け取っていない、お前、どこに隠したんだと。
気づいたらすぐ下の弟がいじめに参加するようになっていた。
あいつは洗脳されやすい。今回の件で自覚したから今後は慎重になるだろう。
だけど本当は・・・助けてほしかった。僕の心を、行動を止めてほしかった。
巻き込まれた事でもうひとりの幼なじみも怪我を負った。
あの日、君は助けようとしていたのだろう。だから全力で否定したんだ。
誰か止めて止めて止めて。僕を止めて。
でも、実際は・・・君を突き落とした。
ゴキっと鈍い音が聞こえた。
ああ、もし彼女が死んだなら僕も沙汰を待たずに命を絶とう。それがせめてもの・・・。
いつからだ?
いつから『悪女』だと思い込んだ?
幼い頃はあんなにみんな仲良しだったのに。
むしろ兄上はとても彼女の事を気に入っていたはずだ。もちろん僕だって。それに弟も。
思い出せ。いつから彼女は孤立した?いや、責められるようになった?
優しかった。本来の行動を考えれば、誰かが邪魔をしただけと気付けたはずなのに。
弟だけが彼女のそばに居続けた。弟は簡単には騙されない。僕も同じだったはず。
彼女を突き落として兄上は今何を思っている?
(第一王子)
部屋に食事が運ばれてきても食欲がわかない。
部屋の外には待機している者たちがいる。
事実上の監視・・・監禁だ・・・いや、元々待機している者たちは昔からいた。だが、昔と今現在とでは意味合いが違う。
何故止められなかったのだろう。
元々は自分の行動から始まっているのはとうに自覚していた。
まさに愛と憎しみは表裏一体。
何故末の弟なんだ。
はじめは僕と君が仲良しだった。
僕は漠然とはいえ将来の自分の横に君がいてくれたらと感じていた・・・思っていた。
そう、君の行動読んで邪魔をし始めたのは紛れもなく僕だ。
廊下ですれ違う時にたまたま令嬢がバランスを崩し、君が咄嗟に支えた。
でも、あの頃イライラしていた僕は、少しだけいじわるしようと思い、お前が足を引っ掛けたのかと大きな声で言った。
予想に反してその声につられた人々が廊下に姿をみせた。
怖くなった僕は嘘だとは言えず、むしろ煽った。
あれが始まり・・・。
君はただバランス崩した令嬢を心配しだけなのに。僕はそれをわかっていたのに。
末っ子が駆けつけ、皆の前で事実確認をし、誤解として集まった人々は元の場所へ戻っていった。
僕も彼女も立場は守られた。でも、僕は気に入らなかった。なんで僕ではなく彼なんだと。
そう、本当は八つ当たりなんかせず、いつものように対応してればよかったのに。
そして八つ当たりから始まったソレは周囲を巻き込んていく。
先生から受け取った書類を君は確かに僕に手渡した。僕はそれを後でごみ箱に。そして数日後攻撃をした。皆の前で。
僕は受け取っていない、お前、どこに隠したんだと。
気づいたらすぐ下の弟がいじめに参加するようになっていた。
あいつは洗脳されやすい。今回の件で自覚したから今後は慎重になるだろう。
だけど本当は・・・助けてほしかった。僕の心を、行動を止めてほしかった。
巻き込まれた事でもうひとりの幼なじみも怪我を負った。
あの日、君は助けようとしていたのだろう。だから全力で否定したんだ。
誰か止めて止めて止めて。僕を止めて。
でも、実際は・・・君を突き落とした。
ゴキっと鈍い音が聞こえた。
ああ、もし彼女が死んだなら僕も沙汰を待たずに命を絶とう。それがせめてもの・・・。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
私と義弟の安全は確保出来たので、ゆっくり恋人を探そうと思います
織り子
恋愛
18歳で処刑された大公家の令嬢、セレノア・グレイス。
目を覚ますと――あの日の6年前に戻っていた。
まだ無邪気な弟ルシアン、笑う両親。
再び訪れる“反逆の運命”を知るのは、彼女だけ。
――大公家に産まれた時点で、自由な恋愛は諦めていた。だが、本当は他の令嬢達の話を聞くたびにうらやましかった。人生1度きり。もう少し花のある人生を送りたかった。一度でいいから、恋愛をしてみたい。
限られた6年の中で、セレノアは動き出す。
愛する家族を守るため、未来を変えるために。
そして本当の願い(恋愛)を叶えるために。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる