恋文らいたー

misaka

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裏話:恋文屋の話

与太郎と浅葱

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静かな恋文屋みせの中で与太郎がお客を待っている。

「与太郎さん、そろそろお茶にしないかい?待っているだけじゃつまらないよ。」
浅葱は笑っていう。与太郎もつられて笑う。
「…お客は来ないもんだね。浅葱は暇かい?」

与太郎は浅葱を気に掛けるように問う。浅葱は横に首を振って言った。

「暇じゃあないよ。ただ、そんなに気を張っていると与太郎さんが疲れるから、と思ってねぇ。」
浅葱は優しく微笑んでいう。浅葱は町に出たりはあまりしない。もし町に出た時はあの団子屋のおフミより美しいとすぐ評判になるだろう。浅葱は与太郎の家の隣の娘で、病弱なため、嫁にも行けず親からはあまり良く思われてはいない。そんな浅葱を心配して与太郎は親の元から引き取り恋文屋の手伝いをさせている。

「そうか。悪かったね。恋文屋も大変なこった。待ちすぎて時間もわからなくなりそうだ。」
なんて与太郎は調子のいいことを言って浅葱を笑わせる。浅葱は与太郎といる事が何より楽しいのだ。

「…そう言えば、末吉さんとおフミさんの御依頼はどうなさったの?」
浅葱はいい手伝いをする。与太郎が忘れないように時々仕事の話をする。

「おフミに末吉の事を聞いたら満更でもないようなことを言う。あの2人は大丈夫だ。おフミが店を辞めるかもと、佐助に唆せと言ってある。」
与太郎は仕事が上手い。末吉が知らない間におフミの気持ちも探っているのだから。
唆すことは末吉さんのことをよく知っているから出来ることなんだろうけれど。

「佐助さん?…もしかして一子さんの…?」
浅葱が思い出したように言う。

「あぁ。一子さんが「時が来るから」と言って相手を教えてくれなかったから探るのが大変難しかったが、佐助が相手のようだ。なぁに、佐助は背中を押すだけできっと一子に伝えられる。」
与太郎は空を見上げながら一子と佐助の事を話す。浅葱はその姿を見て優しく微笑んだ。

「一子さんからのお手紙、一体何が書かれているのでしょうか…」
浅葱が問うと与太郎は言った。

「秘密だ。だが、恋文屋なんだ。恋文に決まっている。」
浅葱は、やっぱりこの人には勝てないと思った。恋文屋として店を開いてすぐから与太郎の才能は開花していた。人の気持ちと季節、香り、タイミング何かを絶妙にバランスをとって次々と恋を成功に導いている。

「そうですね…。」
そろそろわたくしの気持ちにも気付いてほしいものだわ、と与太郎を少し睨む。それでもやっぱり気が付かないものだから与太郎は損をしていると思う。

小さな恋がここにまだあるというのに。

自分の周りより町民の恋を手助けする恋文屋の一人店主与太郎。
こんな与太郎があなた様の恋を手助け致します。きっと恋が叶うことでしょう。

町の裏路地にひっそりと佇む恋文屋、あなたは見つけられるでしょうか。

いつでもお待ちしております。  
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