ブラックローズはかれおちる

竜胆

文字の大きさ
4 / 8
実り始めたくろいつぼみ

第三話 俺ときょう先生

しおりを挟む
「ただいまー」

「おかえりかづくん、今日も勉強の時間だ、頑張ろうな」

「もう居たんですね、きょう先生。」

「もちろん、すぐ勉強できるようにね」

「そうですか、ところでかぁさんは?」

「お買い物だって、さぁ勉強勉強!おやつも預かってるよ!」

「はぁ、そうなんですね。」

「そうだよ、あっそういえばかづくんには彼女できたのか?お母さん心配してたぞ?」




かぁさんは何余計なことを言ってるんだ。でもあっちから言ってくれるなんて都合がいいじゃないか。どんな反応をするんだろうかこの人は




「出来ましたよ。今日」

「ほう、どんな子なんだ?」

「きょう先生も良く知ってる子ですよ?」

「俺が良く知ってる子?……まさか!いずみか?!」

「はい、いずみとお付き合いさせていただくことになりました。これからもよろしくお願いしますね?きょう先生?」




あはは、その顔最高!かわいい従兄妹のいずみが俺みたいな男と付き合ってるのが信じられないって言う顔。最高にかわいいよきょう兄さん?




「い、いずみとかづくんが恋人……いったい何が」

「別に何でもいいじゃないですか。かぁさんの心配の種はなくなったし、彼氏探しするって言ってたいずみは彼氏が出来たし、俺には初彼女が出来た。それが何か?」

「いや、意外だなと思っただけだよ。かづくんは俺のこと避けてるし、いずみとわざわざ付き合うとは思はなかったと言うか……」

「まぁ、そういうことなので、それはそうとして勉強しましょう?きょう先生」

「そっそうだな、ちょっと頭の中を整理したいから自分でテキストを解いててくれ、わからないことがあったら言ってくれ」

「はい、じっくり整理していただいて大丈夫ですよ?」




ほんと最高だな、俺があんな顔をさせてると思うとぞくぞくしてくる。気に入らないやつが迷ったような混乱してる顔ってかわいいなぁ。ねぇさんやいずみとかならまったく思わないのに……




「お茶でも入れてくるよ。落ち着けるように紅茶じゃなくてカモミールのフレーバーティーにするよ」

「あっあぁ、すまないな」

「別に大丈夫だよ。俺も喉渇いたしね。じゃあ言ってくるよ」




コップ落として手でも切ったら心配してくれるかなぁ?困ってくれるでしょ?




ガッシャ-ン!!




「どうした?!かづくん、大丈夫?!」

「あぁ、うん。大丈夫……」

「血が出てる。ぜんぜん大丈夫じゃないじゃないか!」




あぁ、そうやって俺のことだけ考えてくれればいいのになぁ……って何考えてるんだろ?俺はこいつが嫌いだから困らせたいだけ……そう、困らせたいだけだ。




「このくらいの怪我なら舐めとけば治るでしょ」




ぺろっ




はぁ?なにしてんの?




「……え?」

「だって舐めとけば治るんだろ?」




だからって人の傷舐めるやつがあるか?人の血はあんまに触らないようにって応急救護とかでもやってるだろ?!何をしてるんだ……




「いや、だからってきょう兄さんが舐める必要はないでしょ?」

「だって、舐めてやりたいと思った……から?って俺なに言ってんだろ?!別になんでもないぞ!なんか痛そうだったから!舐めるなら早く舐めたほうがいいかなと思っただけだからな!」

「う、うん」

「きょ、今日はもうおわり!特に何もやってないけど!終わりだ、俺は帰るからお大事にな!」




バタバタバタバタ ガチャバタン!




「はぁ、いったい……何なんだ?」




なんだっていうんだよ、何を考えてるんだ。なんであんなこと……きょうにぃは……を選んだくせに




プルルルルルルルプルルルルルルルいずみさんからですプルルルルルルル




「いずみから?はい、もしもし、いずみどうした?」

「あっかづくん!今度の土曜日って何か用事あるかな?確かきょうくんはその日行かないよね?」

「あぁ、土曜日は空いてるけど、もしかしてデートお誘い?」

「そう!デートのお誘い!どこか行こう!」

「そうだね、お誘いが俺からじゃなかったお詫びにデートプランは俺が考えても?」

「考えてくれるの?!嬉しいな!楽しみにしてるね!」

「楽しみにしててよ、頑張ってデートプラン考えるから……じゃあまた明日ね?」

「うん!また明日ね!かづくん」




said 響夜きょうや




なんで俺はあんなこと……最低だ。俺は男同士だからって……を選んだのに、なんでいまさらこんな……こんなこと、いずみに盗られたから?でも、いずみはそんなこと考えてないだろうし、誰が……なんて考えても仕方ないか……選ばなかったのは俺なのに……。好きって言ってもらえないことがわかっていたから諦めたのに盗られたなんて俺が言えることじゃない。でも、他の女に盗られるぐらいならいずみで逆に良かったのかもしれないな。まだ、離れていかない。まだ、大丈夫。まだ、ちゃんと隠せてるはず。きっと……は気づいてない。だから、俺から離れて行ったりしない。俺のこと嫌っててもちゃんと近くに居てくれる。だから、まだましだ。俺から……が離れてったら俺はもう……死ぬしかないよな?だってそれでしかきっと……あいつの記憶には残れない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

敵国の将軍×見捨てられた王子

モカ
BL
敵国の将軍×見捨てられた王子

虐げられた令息の第二の人生はスローライフ

りまり
BL
 僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。  僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。  だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。  救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。  お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。        

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

春を拒む【完結】

璃々丸
BL
 日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。 「ケイト君を解放してあげてください!」  大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。  ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。  環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』  そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。  オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。 不定期更新になります。   

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

処理中です...