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2章
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草木萌動、靡く純白の御髪。
小さな妖精は今日もスキップを踏み、鼻歌を奏で芽吹きを讃える。
そんな奇々怪々なリズムに付き従う、軽快な打音。
遠慮もなく叩かれる彼の正体は、ある時は洗濯機、ある時は食糧庫、そして今日はくの字のドラム。千変万化の風雲児。
フィニッシュと同時に、限界だったスティックがへし折れた。
「……ついた」
ノエルが目を輝かせる先には、イルミネーションによって美しく飾り付けられた、長大な欅並木。
天の星々すら霞ませる、春宵に煌めく地の星団。
「これが日本のシャレオツ街道、表参道だ」
明海大学にて会議が行われた、その日の夜。
二人は目的地にした大学への道中、盛大な寄り道をしていた。
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