もう一度、あなたと

蜜柑マル

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裏に引っ越したその日に、ソウリュウくんは僕を番だと忘れてしまいました。

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ソウリュウくんは僕を抱えたまま建物を出る。

「ここ、」

「貴賓用の宮殿だ」

それ以上何も言わないソウリュウくんは、まったくの無表情だ。冷気もまだぜんぜんおさまらない。

「ソウリュウくん」

「ハルチカ、舌を噛むから話すな」

まだ瞳は黒いままなのに、僕のことを思い出したのだろうか。ものすごいスピードで歩くソウリュウくんは、僕のお腹をじっと見ると、苦々しい顔に変わった。

「俺が気づく前にあの腐れ親父とライリュウ兄上、シンにまで知られるなんて…!俺がいちばんはじめに、ハルチカにおめでとうとありがとうを言いたかったのに…!それもこれも、あの日に決行させたあの腐れ女のせいだ!あいつはタダでは済まさん」

ギリギリと顔を歪めるソウリュウくんは、そのままソウリュウくんの宮殿に入り、僕の縄をほどくと服のまま浴槽に投げ入れた。そのまま自分は裸になって入ってくる。

「ちょ、」

「ハルチカ、我慢しろ」

そう言うと、僕の服をビリっと裂き、同時に頭から液体をかけられる。

「わあ!?」

「目をつぶってろ」

そのまま頭からワシャワシャと洗われて、またドボンと浴槽に沈められる。

「…ぶわっ」

ソウリュウくんは僕をまた担ぎ上げ、荷物のように肩に乗せると自分と僕にシャワーをかけて、タオルで拭きもせずに浴室を出た。

寝室に入り、ベッドに乱暴に放り投げられる。

「…ソウリュウくんっ」

「ハルチカ、黙れ。ライリュウ兄上に触られたところ…」

そう言って、ソウリュウくんは僕の肩に噛み付いた。ガリ、という音と共にギリギリと噛みしめられる。

「…いたっ」

「ハルチカは俺のなのに…!くそっ、邪魔だ!」

視界が涙で滲む中、離れたソウリュウくんを見ると瞳が青く変わっていた。

「…ソウリュウくん?」

「ハルチカ、卵ができたな、おめでとう、そしてありがとう、いいか、卵が生まれるまでここから出さないからな」

「…え?」

卵が生まれるのは9月だよね…?まだ半年もあるんだけど…?

「冗談だよね…?…うわっ」

足を大きく割り開かれて、僕の恥ずかしいところがすべてソウリュウくんの目の前に晒されてしまう。それを見下ろすソウリュウくんの目は、まだ冷たいままだ。

「ハルチカ…悪い子だな。俺が冗談なんか言うわけないだろ?さあ、いくぞ。へばるなよ?」

一気にソウリュウくんのモノに貫かれ、僕は声も出せずに仰け反った。

「ーっ!!!」

「ハルチカ、息を吐け…呼吸するんだ。まだキツイな、拡げてやる」

ものすごく硬いモノで、中をゴリゴリと擦られ、割り広げられていく。まるで削るようにソウリュウくんのモノが奥に進むと、僕の性器からはピュッ、ピュッ、と精が飛んだ。

「…いい匂いだ、ハルチカ。俺も、ハルチカに匂いをつけてやる」

そう言うとソウリュウくんは、「…くっ」と呻き、カラダを震わせた。中に熱い飛沫が注がれ、僕のカラダもビクビクと跳ね上がる。

「あっ、あっ、ああーっ!!」

流れこんでくるソウリュウくんの子種の熱さに、胎の中が火傷しそうだ。ソウリュウくんは僕に口づけると、そのまま唇を沿わせ首筋をベロリと舐め上げた。

「ハルチカ、気持ちいいか?」

「…あ、」

「ハルチカ?返事は?」

「…あ、熱、…んあっ!」

抜かずに続けて奥を抉られ、達したばかりの僕のカラダに逃げられない快感が襲い掛かる。

「や、やめ、やだ、あーっ!やだ、ソウリュウくん、イヤ、抜いてぇ!!」

「ダメだ。返事しないハルチカが悪い」

「イヤぁ!あっ、あっ、あっ、やだぁ!!や、助けて、イヤ、」

「ハルチカ、返事」

「んにゃっ、や、やだ、やだやだやだ、あーっ!!イク、いっちゃう、出ちゃう!やだ、助けて、ソウリュウくん、ゆるしてぇ!」

「ハルチカ、逃げるな」

なんとか逃れようと上に逃げる僕のカラダをぐっと抱き上げると、対面座位で奥まで貫かれた。

「やぁーっ!!」

僕の性器から飛んだ精が、ソウリュウくんの腹を汚す。ソウリュウくんは嬉しそうに嗤い、ペロリと舌で唇を舐めた。そして、僕の尻の肉を鷲掴みにすると、さらに開くように大きく左右に引っ張った。入り口が擦られ、めくれるような感覚に襲われる。

「ふっ、ハルチカ、焦点が合ってないぞ…ほら、俺を見ろ。ハルチカ?こっちを見るんだ」

涙がボロボロ流れ出し、滲み出す視界で必死に目を向けると、ソウリュウくんは口の端を歪めて嗤う。

「ハルチカ、…俺が満足するまでがんばるんだぞ?」

今まで見たこともない残酷に嗤うソウリュウくんの顔を最後に、僕の意識は飛んだ。
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