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第ニ章
お父様とのお話②
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食堂に入るとお父様は私を抱き上げて椅子に座らせ、その傍らにしゃがんだ。目線を合わせてニコニコしている。
「ええ、っと…お父様、ありがとうございます…?」
私がそういうと、お父様は途端に悲しそうな顔になり、「やっぱりお父様のことは許せないんだね」と言った。
「あ、あの、お父様…?」
なんのことかわからずに困惑して私が声をかけると、お母様がいい笑顔でお父様の頭を後ろからひっぱたいた。
「痛い!シーラ、ひどい!」
「うるさい!グチグチと…ヴィーが困っているだろう!ヴィーはお腹が空いているんだぞ!」
まったく、気遣いのできないヤツめ…とブツブツいいながら、お父様を引き摺って椅子に座らせる。
「…ごめんよ、ヴィー。
ロレックスは、昨日のヴィーの話がかなり堪えたみたいでね。
ほっといていいから、ご飯を食べよう」
お父様は、チラッチラッと私の方を見ながらも、お母様の威圧あふれる視線に何も言えないらしく、黙って朝食をとった。
「ヴィー、昨日と同じように庭園にお茶を用意してもらっているから、そちらに移動しよう」
食事を終えた頃合いを見てお母様が私に声をかける。
はい、と返事をして椅子から降りようとするとお父様にさっと抱き上げられた。
「ヴィー、お父様が抱っこしてもいいよね?一緒にお庭に行こう」
「は、はい…あれ?お父様、お仕事は…?」
いつも朝食の時にはもうお城に出ていて、一緒に食事をすることはほとんどなかったので聞くと、
「今日は休み!家族会議が終わらなければ、明日も明後日も、ずっと休み!
お父様は、ずーっとヴィーと一緒にいるんだ!」
そう言って、私の肩のあたりに自分の頭をグリグリ押し付けてくる。
「…ウザイ父親は嫌われるぞ」
お母様が後ろからボソッと呟くと、真っ青になったお父様は、
「ヴィー、お父様のこと好きだよね!?」
と涙目になりながら叫んだ。
…お父様って、こんな方だったっけ…?
お母様が家を出された後は口をきくことすらなかったけど…それ以前も、こんな感じで話をする方ではなかったと思うのだが…。
自分の記憶の中のお父様を思いだそうとジッと見つめていると、「やっぱり嫌いなのか…」とガックリと頭を垂れた。
「…当たり前だよな。あんな…あんなひどい態度とられたら、キライになるよな…」
「お、お父様?」
私は思わずお父様の頭を撫でた。
バッと顔をあげるお父様の目を見て、「私は、お父様をキライになったことはありません」と伝える。
…そう。私は、自分が憎まれているとは思っていたが、お父様をキライだと思ったことはない。
「…ヴィー!ごめん、ごめんよ、未来の僕が…馬鹿でごめんよ!」
そういうと、お父様はまた私の肩のあたりにグリグリと頭をこすりつけた。
困ったような顔をしてお父様を見るお母様を見ながら、私はお父様の頭を撫で続けた。
「ええ、っと…お父様、ありがとうございます…?」
私がそういうと、お父様は途端に悲しそうな顔になり、「やっぱりお父様のことは許せないんだね」と言った。
「あ、あの、お父様…?」
なんのことかわからずに困惑して私が声をかけると、お母様がいい笑顔でお父様の頭を後ろからひっぱたいた。
「痛い!シーラ、ひどい!」
「うるさい!グチグチと…ヴィーが困っているだろう!ヴィーはお腹が空いているんだぞ!」
まったく、気遣いのできないヤツめ…とブツブツいいながら、お父様を引き摺って椅子に座らせる。
「…ごめんよ、ヴィー。
ロレックスは、昨日のヴィーの話がかなり堪えたみたいでね。
ほっといていいから、ご飯を食べよう」
お父様は、チラッチラッと私の方を見ながらも、お母様の威圧あふれる視線に何も言えないらしく、黙って朝食をとった。
「ヴィー、昨日と同じように庭園にお茶を用意してもらっているから、そちらに移動しよう」
食事を終えた頃合いを見てお母様が私に声をかける。
はい、と返事をして椅子から降りようとするとお父様にさっと抱き上げられた。
「ヴィー、お父様が抱っこしてもいいよね?一緒にお庭に行こう」
「は、はい…あれ?お父様、お仕事は…?」
いつも朝食の時にはもうお城に出ていて、一緒に食事をすることはほとんどなかったので聞くと、
「今日は休み!家族会議が終わらなければ、明日も明後日も、ずっと休み!
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そう言って、私の肩のあたりに自分の頭をグリグリ押し付けてくる。
「…ウザイ父親は嫌われるぞ」
お母様が後ろからボソッと呟くと、真っ青になったお父様は、
「ヴィー、お父様のこと好きだよね!?」
と涙目になりながら叫んだ。
…お父様って、こんな方だったっけ…?
お母様が家を出された後は口をきくことすらなかったけど…それ以前も、こんな感じで話をする方ではなかったと思うのだが…。
自分の記憶の中のお父様を思いだそうとジッと見つめていると、「やっぱり嫌いなのか…」とガックリと頭を垂れた。
「…当たり前だよな。あんな…あんなひどい態度とられたら、キライになるよな…」
「お、お父様?」
私は思わずお父様の頭を撫でた。
バッと顔をあげるお父様の目を見て、「私は、お父様をキライになったことはありません」と伝える。
…そう。私は、自分が憎まれているとは思っていたが、お父様をキライだと思ったことはない。
「…ヴィー!ごめん、ごめんよ、未来の僕が…馬鹿でごめんよ!」
そういうと、お父様はまた私の肩のあたりにグリグリと頭をこすりつけた。
困ったような顔をしてお父様を見るお母様を見ながら、私はお父様の頭を撫で続けた。
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