3 / 3
内側
しおりを挟む
身支度を終えた私は街に出た。
場所は表参道、オシャレな人が多い。
すれ違う人たちを観察してみるとどの人も綺麗で可愛くて仕方がない。
きっと芸能人の卵なのだろうということは想像に難くなかった。
美容に詳しい知人が過去、私にこう言ったのをよく覚えている。
「表参道を歩いている人たちはレベルが違う。」
正直な話、その人が言っていたことは本当だったなと思わされる。
ぶっちゃけこの歳になると、20歳くらいの若い子を見ると遠い昔のことのように思ってしまう。
それに20歳の美しさとか可愛さというのは一生ものだなと思った。
成人式の写真のCMでだって20歳は一生ものだと教えてくれるのだからきっとそういうものなのだろう。
すれ違う大学生くらいの子たちを見て私はそう思った。
きっともう、20歳の頃の美しさとか可愛さは戻ってこないのだろう。
いくら私が何層もの皮を重ねても20歳の輝きを取り戻すことはとても難しいことだ。
そういうことはとても明確によくわかる。
自分のことなのだからそれはとてもよくわかるのだ。
遠くなった20歳の子たちを見て私は懐かしい記憶を少し思い出しては、少し噛みしめたりもした。
もう二度と戻って来ない20歳の頃の美しさを自分が鮮明に覚えていればいい。
だけど20歳の頃の美しさに執着することはよそうと思った。
だってそういうのって客観的に見て綺麗じゃないなって思うから。
「…お腹空いたな。」
私は近くにクレープ屋さんがあるのを発見し、そこでツナとサラダがサンドされているクレープを買った。
買ったクレープを口に含むと当たり前だけどツナと野菜の味がする。
とても美味しかった。
しょっぱくてシャキシャキしていてとても美味しい。
クレープ屋さんからは甘い匂いがずっとしているけれど、私はこのしょっぱいクレープを選んだ。
なぜなのかというと、私は子供の頃から甘いものが苦手なのだ。
物心ついた時から誕生日のケーキが苦手でおやつのクッキーも苦手だった。
いわゆる子供らしくない子供だったと言えばよくわかるかもしれない。
家族からはこの体質をとても不思議がられ、大人っぽいねと何度も言われた。
そして大人になった今でも私は甘いものが苦手でこのようにしょっぱいものが大好きなのだ。
いくら見た目の皮を重ねようと、内側に刻まれたこの体質だけは一向に変わる気配がない。
歳を重ねれば変わると思っていたのに私は未だに甘いものが苦手なのだ。
くしゃくしゃになったクレープを包む紙のなかにあと1口のクレープが残っていた。
どうにもこうにも私はしょっぱいものが好きらしい。
場所は表参道、オシャレな人が多い。
すれ違う人たちを観察してみるとどの人も綺麗で可愛くて仕方がない。
きっと芸能人の卵なのだろうということは想像に難くなかった。
美容に詳しい知人が過去、私にこう言ったのをよく覚えている。
「表参道を歩いている人たちはレベルが違う。」
正直な話、その人が言っていたことは本当だったなと思わされる。
ぶっちゃけこの歳になると、20歳くらいの若い子を見ると遠い昔のことのように思ってしまう。
それに20歳の美しさとか可愛さというのは一生ものだなと思った。
成人式の写真のCMでだって20歳は一生ものだと教えてくれるのだからきっとそういうものなのだろう。
すれ違う大学生くらいの子たちを見て私はそう思った。
きっともう、20歳の頃の美しさとか可愛さは戻ってこないのだろう。
いくら私が何層もの皮を重ねても20歳の輝きを取り戻すことはとても難しいことだ。
そういうことはとても明確によくわかる。
自分のことなのだからそれはとてもよくわかるのだ。
遠くなった20歳の子たちを見て私は懐かしい記憶を少し思い出しては、少し噛みしめたりもした。
もう二度と戻って来ない20歳の頃の美しさを自分が鮮明に覚えていればいい。
だけど20歳の頃の美しさに執着することはよそうと思った。
だってそういうのって客観的に見て綺麗じゃないなって思うから。
「…お腹空いたな。」
私は近くにクレープ屋さんがあるのを発見し、そこでツナとサラダがサンドされているクレープを買った。
買ったクレープを口に含むと当たり前だけどツナと野菜の味がする。
とても美味しかった。
しょっぱくてシャキシャキしていてとても美味しい。
クレープ屋さんからは甘い匂いがずっとしているけれど、私はこのしょっぱいクレープを選んだ。
なぜなのかというと、私は子供の頃から甘いものが苦手なのだ。
物心ついた時から誕生日のケーキが苦手でおやつのクッキーも苦手だった。
いわゆる子供らしくない子供だったと言えばよくわかるかもしれない。
家族からはこの体質をとても不思議がられ、大人っぽいねと何度も言われた。
そして大人になった今でも私は甘いものが苦手でこのようにしょっぱいものが大好きなのだ。
いくら見た目の皮を重ねようと、内側に刻まれたこの体質だけは一向に変わる気配がない。
歳を重ねれば変わると思っていたのに私は未だに甘いものが苦手なのだ。
くしゃくしゃになったクレープを包む紙のなかにあと1口のクレープが残っていた。
どうにもこうにも私はしょっぱいものが好きらしい。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる