1 / 3
記憶がない
しおりを挟む
気づいた時には記憶がなく、いつの間にか入院していた。
病院のベッドの上ではじめて見たのはブツブツとした点のついた天井だ。
その小さな天井の穴みたいな点を見ているとまるでそれは私の記憶の空白のようにも見えた。
なんとなく、暇だったし、天井に手を伸ばす。
もちろん届くことはない。
だけどほんの少しだけ気がまぎれるような感覚がした。
なんとも不思議な感覚だ。
私がそうやってパタパタしていると看護師さんがやって来た。
「体調どうですか?」
男性の看護師さんだ。
正直、結構イケメンだなって思った。
だけど、どこかで会ったことがあるような気がする。
でも、記憶がないせいでまったくと言っていいほど思い出せない。
「大丈夫です。」
私がそう答えるとその男性看護師は笑顔を浮かべる。
笑顔になるとより一層、魅力的になるなんて羨ましいなと思った。
「良かったです。先生にお伝えしておきますね。」
そう言ってその男性看護師はどこかに行ってしまった。
ササッと動くあたり結構、運動神経良いんだろうなと思う。
きっと体力が大事な仕事だからジムで身体を鍛えているんだろうなと思った。
「…。」
ベッドに横たわりながら天井をまた見つめる。
やっぱり何度、頑張っても記憶が戻ってきそうにはなかった。
だけどどういうわけかあの男性看護師を見ていると懐かしさを感じる。
きっと初対面だと思うけど、なぜだか初対面じゃない気がしてならないのだ。
でも多分、気のせいだろうなと思って気にしないようにした。
「少し寝よう。」
それから数時間たち、目を覚ますと近くにあの男性看護師がいた。
目があうと男性看護師はニッコリと笑顔を浮かべる。
やっぱりどういうわけかその男性看護師の笑顔を見ると初対面じゃない気がしてくる。
むしろ、その笑顔を見る度にどこか心がホッとするような気さえしていた。
これがいわゆる看護師の癒しのパワーというやつなのだろうか。
正直、記憶はないし、わからないことばかりだ。
だけどこれだけは言える。
なぜかこの男性看護師といると癒されるということがだ。
「よく眠っていましたね。」
柔らかい口調で男性看護師はそう言った。
「あの…。」
「はい。なんでしょうか?」
「お名前はなんて言うんですか?」
「野村です。」
せっかく名前を教えてもらったが正直、記憶がないからピンとこない。
「(誰なんだろう、この人…。)」
私は野村さんの瞳を見つめながらずっと考えていた。
しかし、結局のところ答えは見つからなかったのだ。
病院のベッドの上ではじめて見たのはブツブツとした点のついた天井だ。
その小さな天井の穴みたいな点を見ているとまるでそれは私の記憶の空白のようにも見えた。
なんとなく、暇だったし、天井に手を伸ばす。
もちろん届くことはない。
だけどほんの少しだけ気がまぎれるような感覚がした。
なんとも不思議な感覚だ。
私がそうやってパタパタしていると看護師さんがやって来た。
「体調どうですか?」
男性の看護師さんだ。
正直、結構イケメンだなって思った。
だけど、どこかで会ったことがあるような気がする。
でも、記憶がないせいでまったくと言っていいほど思い出せない。
「大丈夫です。」
私がそう答えるとその男性看護師は笑顔を浮かべる。
笑顔になるとより一層、魅力的になるなんて羨ましいなと思った。
「良かったです。先生にお伝えしておきますね。」
そう言ってその男性看護師はどこかに行ってしまった。
ササッと動くあたり結構、運動神経良いんだろうなと思う。
きっと体力が大事な仕事だからジムで身体を鍛えているんだろうなと思った。
「…。」
ベッドに横たわりながら天井をまた見つめる。
やっぱり何度、頑張っても記憶が戻ってきそうにはなかった。
だけどどういうわけかあの男性看護師を見ていると懐かしさを感じる。
きっと初対面だと思うけど、なぜだか初対面じゃない気がしてならないのだ。
でも多分、気のせいだろうなと思って気にしないようにした。
「少し寝よう。」
それから数時間たち、目を覚ますと近くにあの男性看護師がいた。
目があうと男性看護師はニッコリと笑顔を浮かべる。
やっぱりどういうわけかその男性看護師の笑顔を見ると初対面じゃない気がしてくる。
むしろ、その笑顔を見る度にどこか心がホッとするような気さえしていた。
これがいわゆる看護師の癒しのパワーというやつなのだろうか。
正直、記憶はないし、わからないことばかりだ。
だけどこれだけは言える。
なぜかこの男性看護師といると癒されるということがだ。
「よく眠っていましたね。」
柔らかい口調で男性看護師はそう言った。
「あの…。」
「はい。なんでしょうか?」
「お名前はなんて言うんですか?」
「野村です。」
せっかく名前を教えてもらったが正直、記憶がないからピンとこない。
「(誰なんだろう、この人…。)」
私は野村さんの瞳を見つめながらずっと考えていた。
しかし、結局のところ答えは見つからなかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる