聖書サスペンス・領主殺害

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

文字の大きさ
9 / 128
第一章 復讐とカリギュラの恋

(9)世界は変わった

しおりを挟む



  熱い身体が後ろから被さる。ヴェトワネットの中に挿入したまま、ジグヴァンゼラは金髪のルネに犯された。アナルが裂けたかと思うほどの衝撃だったが、ザーメンでヌルヌルに滑った一物のスムーズな動きはジグヴァンゼラを別の快感へと導く。Gスポットと呼ばれる部分が開発された。

  ヴェトワネットはジグヴァンゼラに濃厚なキスをして、ルネは激しく腰を突き上げる。ジグヴァンゼラは叫びながら勃起して果て、勃起しては果て、息も絶え絶えになって、麻薬の嵐のような時間が少年の人間性までも犯していく。

  いつの間にか日は真上に上り、部屋は薄暗くなっている。

  快感の波に何度も気を失いかけたジグヴァンゼラは、全てが終わった時、泥でてきた人形のように声も出せずぐったりと白目を剥いていた。

  ルネはベッドに倒れてジグヴァンゼラを抱き寄せ、ジグヴァンゼラの唇に舌を入れてきた。ジグヴァンゼラは衝撃を受けたが、そのまま瞼を閉じた。十四才のジグヴァンゼラはほんの小一時間で壊され作り変えられた。

そこに、いつ入ってきたのかリトワールが話しかける。


「お荷物は此方で開きますか」


ルネは指先で指示を出し、リトワールと御者たちが既に運び込まれている荷物を開く。

横を向いて薄目を開けたジグヴァンゼラは、自分が弄ばれていた時にリトワールと御者たちが荷物を運び込んだことを知った。

リトワールがジグヴァンゼラを見る。目が合った途端に、リトワールはつと顔を背けた。


(やはり……やはりやられてしまったか、ジグヴァンゼラ様。ルネは化け物だ。ご子息にまで手を出すとは。しかも、来て早々に。
  ああ、ルネ好みの顔に不安を感じていたのに。あの岩場で会った時、ルネに気を付けるようにと忠告するべきだった。ルネは野獣だと。
  しかし、果たして理解できただろうか。信じてもらえそうにないことを言えば自分の首を締めることになる。頭のないネズミを見たではないか。遅かれ早かれどうせいずれはこうなっただろう。そしてジグヴァンゼラ様は人形のように操られて私と敵対する。
  ルネを殺さなければならない。しかも私自身を安全圏に置いて)


リトワールの目はベッドには向かずに、開いた荷物の置場所に注がれた。優し気な顔と温かな手を持ちながら心は氷のように冷たい。

ジグヴァンゼラの心からリトワールに伸びた手は、行方を失って闇に沈む。


(リトワール。あなたとの語らいを楽しみにしていたのに)


未だ陽の出ている間に、ジグヴァンゼラの世界は変わった。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしてそこにトリックアートを設置したんですか?

鞠目
ホラー
N県の某ショッピングモールには、エントランスホールやエレベーター付近など、色んなところにトリックアートが設置されている。 先日、そのトリックアートについて設置場所がおかしいものがあると聞いた私は、わかる範囲で調べてみることにした。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...