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71 ダイバンハンバーグ
しおりを挟むチョコちゃんを送ると言って家を出た。
「結局、話ってできなかったね」
「そうだね。でも勉強はだいぶ進んだ。チョコちゃんは理解が早いから楽しいよ」
「波流君が教え上手だからだよ。でも、チョコも必死だった。波流君のお母さんにバカだと思われたくなかったから。へへ」
「あはは、お母さん役に立ってる」
「来週もこのトレパンで来るかも。お母さんがわざわざ買ってきたから、着ないと煩い。このTシャツもサンビー衣料館」
「似合うよ。でも僕のことを牽制してるみたい」
「ふふ、お母さんは波流君じゃなくて私のことを牽制してるの。波流君にチューすると思って。画像チューを見てるから」
「あはは、れずびあんごっこしてるんだ」
前はドン引きしていたけれど、今は僕も努力が実りつつある。
「僕も五センチくらいまでつめることができたけれど、先は険しい」
五センチ間隔チューは、グラスを合わせずに乾杯するのと同じ感覚だ。
「先が長いほうが良いよ。簡単にクリアしたら、他の子に目がいっちゃうかもしれないし」
「そんなことはない。僕はチョコちゃんにだけだ」
僕は手を伸ばした。
指を組んで繋ぐ。
「へへ。いつも言ってくれる。れずびあん冥利に尽きるよ」
「これもれずびあんごっこだね」
「だね。人に見られたらヤバい。女子怖い」
「ココナッツか……わははは」
僕は木の上から猿が木の実を投げる処を想像した。
「全校生徒がパインを投げる」
「わははは、チョコちゃん笑わす」
信号が見えた。
「そうだ、ハンバーグ有り難う」
「お母さん特製のダイバンハンバーグには人参が入っているよ。チョコちゃん、人参は大丈夫」
「好きだよ」
「僕も好きだよ」
立ち止まってじっと顔を見た。
「あ、ブス顔を見ないで」
「チョコちゃん、やっぱり話すよ。この前、カリナがうちに来たんだ」
もうカリナと呼び捨てにしている。チョコちゃんの顔色が変わった。
「何で……」
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