中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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108 もう、死ぬ

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「どうって……」

チョコちゃんは眩しそうに見る。

何だ、その悪戯っぽい目付きは……


「あれだな、お前らは、最近流行りの……」


え、流行りの……


「契約婚ってやつだな。契約婚約……」


僕は面食らった。契約って、何のために……


「そう、そうだよ、お父さん。凄い。音理の言いたいことを代弁してくれて、やっぱりお父さんに打ち明けて良かった」

「何が打ち明けてだ。俺がそこを通らなければ秘密にしとくつもりだったくせに」

「へへへ……やっぱりお父さんだ」


親子がじゃれあって喜んでいる。

僕は何の為の契約なのか、確かめなければ不快だ。


「チョコちゃん、契約婚約なの」

「だって、契約しなければ誰かに奪われるでしょ。だから二重、三重に契約して……」

「待って。婚約破棄に憧れているんじゃなかったっけ」

「うん。憧れている。でも、直ぐに破棄したら後は暇過ぎて……」

「ヒマ……」

「うん。波流君と刺激的な付き合いを続けたいから、婚約したい」

「音理、レズビアンはどうするんだ、レズビアンは」

「それなんだよ、お父さん。音理も少し悩んでさぁ……だって、レズビアンになりたい相手が男子だって、由々しき問題だよね。波流君は男子だもんね。女子じゃないからさ。波流君が女子ならとっくに押し倒してやっているのに」

「待て待て待て待て。何をやるのだ、何を」

「えへへ、キスとか、おっぱい揉みもみとかエッチなことをいっぱい」


チョコちゃんパパが頭を抱えた。僕も目眩がする。

チョコちゃん、そんなことを考えていたの……


「さあ、契約しようよ」

「待て、音理。それじゃあ波流君に失礼だろう」


あれ、風向きが変わった。

僕に立つ瀬ができた。


「何で。波流君はキスできないんだよ。だから音理が丁度良いんだ。回りにトラウマがバレないから」

「僕は違うよ。本当に好きだよ」

「きゃあああ。聞いた、お父さん。音理はもう死ぬ……」


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