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第1章 蒼月の侍
七話 水面下の計画
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※※※※※※※※※
ーー潤んだ瞳で心配そうに見上げてくるユーリの頭を、私は出来るだけ優しく撫でてやる。
掌に感じられる、ユーリの滑らかな栗色の髪質が心地良い。
途端にユーリの表情は、幼子の様な笑顔を見せる。
その表情にどれだけ私は救われただろうか?
そうだ。まずは落ち着く事だ。
特異点が二人居るという事実は間違いない。
もう一人の方が、第十二軍団を潰しているという事から、少なくとも我々に敵対の意思が有る事は明白。
問題は二人の特異点の共通点だ。
もし二人に何かしらの繋がりが有り、手を組まれたとしたら、これ程厄介な事は無い。
たった一人の特異点にさえ、手を焼く程の危険分子なのだから……。
「ハル」
私達のやるべき事はまずーー
「もう一人の特異点と思わしき者の、動向把握を頼む」
事実を確認し、目的を知る事だ。
もし二人が手を組むなら、その前に個別を総力を以って潰し、阻止せねばならない。
「分かっています。探索師団を動向把握へと向かわせます」
これは我々“狂座”にとって、正念場になるやもしれんな……。
「ルヅキ、ボクはなんだってルヅキの力になるからね☆」
ユーリの一言に少し心が痛む。
出来れば、この子にはあまり無茶をさせたくは無い……。
それでも我々に立ち止まる道は無い。
冥王様を復活させるのが先か。
それともーー
我々“狂座”が滅びるのが先か……とーー
ーー潤んだ瞳で心配そうに見上げてくるユーリの頭を、私は出来るだけ優しく撫でてやる。
掌に感じられる、ユーリの滑らかな栗色の髪質が心地良い。
途端にユーリの表情は、幼子の様な笑顔を見せる。
その表情にどれだけ私は救われただろうか?
そうだ。まずは落ち着く事だ。
特異点が二人居るという事実は間違いない。
もう一人の方が、第十二軍団を潰しているという事から、少なくとも我々に敵対の意思が有る事は明白。
問題は二人の特異点の共通点だ。
もし二人に何かしらの繋がりが有り、手を組まれたとしたら、これ程厄介な事は無い。
たった一人の特異点にさえ、手を焼く程の危険分子なのだから……。
「ハル」
私達のやるべき事はまずーー
「もう一人の特異点と思わしき者の、動向把握を頼む」
事実を確認し、目的を知る事だ。
もし二人が手を組むなら、その前に個別を総力を以って潰し、阻止せねばならない。
「分かっています。探索師団を動向把握へと向かわせます」
これは我々“狂座”にとって、正念場になるやもしれんな……。
「ルヅキ、ボクはなんだってルヅキの力になるからね☆」
ユーリの一言に少し心が痛む。
出来れば、この子にはあまり無茶をさせたくは無い……。
それでも我々に立ち止まる道は無い。
冥王様を復活させるのが先か。
それともーー
我々“狂座”が滅びるのが先か……とーー
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