雫 -SIZUKU- 最終特異少年戦記~破

ユキナ

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第3章 似て非なる者

二話 異質なる者

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「今日も良い天気~♪」


正午の昼下がり。ミオは村の見回り兼散歩の途中、暖かな陽射しを掌で翳しながら呟いた。


「ねぇ~コリン☆」


ミオの隣で、ひょっこりとついて来る小さな氷の精霊と共に、その足取りも軽い。


周りは、農作業に勤しむ村人達の姿。


実に平穏を保っている。


そんな中、歩きながらミオは考え事に入る。


“狂座って、ホントにここに攻めて来るのかなぁ? 全然そんな感じがしないんだけど……”


「まあ来たら来たで、私達で倒しちゃうんだけどね♪ コリン☆」


“――それにユキが居るしね☆”


ユキという新しい家族が出来てから、早一ヶ月。


ミオはユキと相変わらず、何かある度に小突き合いをしているが、彼女は正直毎日が楽しくて仕方なかった。


ミオは物心ついた頃から、ずっと姉のアミと二人きりで暮らしてきた。両親が居らずとも寂しいと思った事は無いし、それが普通だと思っていた。


だからこそ今の三人での暮らしはミオにとって、とても新鮮に映っているのかもしれない。


ミオの思考は、目には光景が映らぬまま歩を進めていく。


だからだろうか? ミオが目の前に居る人物に気付けなかったのは。


「きゃっ!」


考え事の最中の為か、目の前に人が居る事に気付かなかったミオは、そのまま正面からまともにぶつかり、弾かれる様に尻餅を付く。


「ちょっと! 気をつけなさいよね!」


明らかにミオが悪いのだが、そんなのお構い無しともいった感じで、顔を見上げながら声を荒げる。


「大丈夫かい? お嬢ちゃん」


透き通る様な中性的な声。ミオが見上げた先に映る人物。


“――この人……誰?”


左腰に差した日本刀。黒い着流しを纏うその長身の人物は、一瞬男性か女性かの判断に迷う。


“この村にこんな人いたっけ? それに……”


一瞬、魅入られてしまったかの様に、ミオの思考は状況把握に覚束無いが。


“明らかに普通じゃ無いーー”


「中々良い場所だな。此処は……」


ミオから目を離し、周りを見渡し呟くその人物。


美しい迄に靡くその長い蒼髪と、精巧な迄に整う顔の造り。無機質で爬虫類の如き、深い蒼色の瞳が印象的な人物が、ミオの眼前に佇んでいた。
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