21 / 55
第3章 似て非なる者
二話 異質なる者
しおりを挟む
「今日も良い天気~♪」
正午の昼下がり。ミオは村の見回り兼散歩の途中、暖かな陽射しを掌で翳しながら呟いた。
「ねぇ~コリン☆」
ミオの隣で、ひょっこりとついて来る小さな氷の精霊と共に、その足取りも軽い。
周りは、農作業に勤しむ村人達の姿。
実に平穏を保っている。
そんな中、歩きながらミオは考え事に入る。
“狂座って、ホントにここに攻めて来るのかなぁ? 全然そんな感じがしないんだけど……”
「まあ来たら来たで、私達で倒しちゃうんだけどね♪ コリン☆」
“――それにユキが居るしね☆”
ユキという新しい家族が出来てから、早一ヶ月。
ミオはユキと相変わらず、何かある度に小突き合いをしているが、彼女は正直毎日が楽しくて仕方なかった。
ミオは物心ついた頃から、ずっと姉のアミと二人きりで暮らしてきた。両親が居らずとも寂しいと思った事は無いし、それが普通だと思っていた。
だからこそ今の三人での暮らしはミオにとって、とても新鮮に映っているのかもしれない。
ミオの思考は、目には光景が映らぬまま歩を進めていく。
だからだろうか? ミオが目の前に居る人物に気付けなかったのは。
「きゃっ!」
考え事の最中の為か、目の前に人が居る事に気付かなかったミオは、そのまま正面からまともにぶつかり、弾かれる様に尻餅を付く。
「ちょっと! 気をつけなさいよね!」
明らかにミオが悪いのだが、そんなのお構い無しともいった感じで、顔を見上げながら声を荒げる。
「大丈夫かい? お嬢ちゃん」
透き通る様な中性的な声。ミオが見上げた先に映る人物。
“――この人……誰?”
左腰に差した日本刀。黒い着流しを纏うその長身の人物は、一瞬男性か女性かの判断に迷う。
“この村にこんな人いたっけ? それに……”
一瞬、魅入られてしまったかの様に、ミオの思考は状況把握に覚束無いが。
“明らかに普通じゃ無いーー”
「中々良い場所だな。此処は……」
ミオから目を離し、周りを見渡し呟くその人物。
美しい迄に靡くその長い蒼髪と、精巧な迄に整う顔の造り。無機質で爬虫類の如き、深い蒼色の瞳が印象的な人物が、ミオの眼前に佇んでいた。
正午の昼下がり。ミオは村の見回り兼散歩の途中、暖かな陽射しを掌で翳しながら呟いた。
「ねぇ~コリン☆」
ミオの隣で、ひょっこりとついて来る小さな氷の精霊と共に、その足取りも軽い。
周りは、農作業に勤しむ村人達の姿。
実に平穏を保っている。
そんな中、歩きながらミオは考え事に入る。
“狂座って、ホントにここに攻めて来るのかなぁ? 全然そんな感じがしないんだけど……”
「まあ来たら来たで、私達で倒しちゃうんだけどね♪ コリン☆」
“――それにユキが居るしね☆”
ユキという新しい家族が出来てから、早一ヶ月。
ミオはユキと相変わらず、何かある度に小突き合いをしているが、彼女は正直毎日が楽しくて仕方なかった。
ミオは物心ついた頃から、ずっと姉のアミと二人きりで暮らしてきた。両親が居らずとも寂しいと思った事は無いし、それが普通だと思っていた。
だからこそ今の三人での暮らしはミオにとって、とても新鮮に映っているのかもしれない。
ミオの思考は、目には光景が映らぬまま歩を進めていく。
だからだろうか? ミオが目の前に居る人物に気付けなかったのは。
「きゃっ!」
考え事の最中の為か、目の前に人が居る事に気付かなかったミオは、そのまま正面からまともにぶつかり、弾かれる様に尻餅を付く。
「ちょっと! 気をつけなさいよね!」
明らかにミオが悪いのだが、そんなのお構い無しともいった感じで、顔を見上げながら声を荒げる。
「大丈夫かい? お嬢ちゃん」
透き通る様な中性的な声。ミオが見上げた先に映る人物。
“――この人……誰?”
左腰に差した日本刀。黒い着流しを纏うその長身の人物は、一瞬男性か女性かの判断に迷う。
“この村にこんな人いたっけ? それに……”
一瞬、魅入られてしまったかの様に、ミオの思考は状況把握に覚束無いが。
“明らかに普通じゃ無いーー”
「中々良い場所だな。此処は……」
ミオから目を離し、周りを見渡し呟くその人物。
美しい迄に靡くその長い蒼髪と、精巧な迄に整う顔の造り。無機質で爬虫類の如き、深い蒼色の瞳が印象的な人物が、ミオの眼前に佇んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる