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第3章 似て非なる者
三話 恐怖
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「そうそう、お嬢ちゃんは知っているかな? 此処に白銀髪の男が居る筈なんだが。もしかしたら偽装している可能性も有るから、白い着流しの餓鬼と言えば分かるかな?」
辺りを見回していた蒼髪の男が、不意に思い出したかの様にミオを見下ろしながら囁く。
“――え!? それってユキの事……だよね? ユキの知り合い?”
ミオはユキとこの男がどんな関係にあるのか考察するが、まるで蛇に睨まれた蛙の様に竦み上がって声が出ない。ミオを見据える、その深い蒼色の瞳に吸いこまれるかの様に。
それを表す感情は、得体の知れぬ“恐怖゛そのものであった。
「ん? 黙ってちゃ、よく分からないな」
蒼髪の男が、へ垂れ込んで黙っているミオへ手を伸ばす。
ミオは蒼髪の男の言い知れぬ恐怖に、思わず後退るーー
“――怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!! 何だか分かんないけど……この人怖いよぉ!!”
「ひぃぃぃ!? 余所者!!」
「狂座が来たぞ!!」
周りの者達が異変に気付き、次々と叫び声を上げていく。
“――えっ!? この人が……あの狂座?
ミオは自分が感じていた恐怖の訳を、漸く理解する。聞かされていた事と、実際対峙するのとでは勝手が違う事を。
彼女は本能的に理解したのだ。
“次元が違う”という事に。
「なんだぁ? 此処は随分と騒がしい所だな」
蒼髪の男はその事態にとても面倒くさ臭そうに、それでも慌てる事無く呟く。
「それよりーー」
蒼髪の男は、再びミオを見下ろしながら囁く。
「知っているんだろう? お嬢ちゃん」
ミオの身体は恐怖により硬直し、その場から身動き一つ出来ず、蒼髪の男から目を離す事が出来ない。
「教えてくれないかな?」
“たっ、助けて……姉様、ユキ!!”
「ユキヤ……此処に居るんだろう?」
そう囁く蒼髪の男の瞳は無機質な迄に熱が無く、口許に笑みだけを浮かべる無感情なその表情は、有無を言わせぬ恐怖そのものであった。
辺りを見回していた蒼髪の男が、不意に思い出したかの様にミオを見下ろしながら囁く。
“――え!? それってユキの事……だよね? ユキの知り合い?”
ミオはユキとこの男がどんな関係にあるのか考察するが、まるで蛇に睨まれた蛙の様に竦み上がって声が出ない。ミオを見据える、その深い蒼色の瞳に吸いこまれるかの様に。
それを表す感情は、得体の知れぬ“恐怖゛そのものであった。
「ん? 黙ってちゃ、よく分からないな」
蒼髪の男が、へ垂れ込んで黙っているミオへ手を伸ばす。
ミオは蒼髪の男の言い知れぬ恐怖に、思わず後退るーー
“――怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!! 何だか分かんないけど……この人怖いよぉ!!”
「ひぃぃぃ!? 余所者!!」
「狂座が来たぞ!!」
周りの者達が異変に気付き、次々と叫び声を上げていく。
“――えっ!? この人が……あの狂座?
ミオは自分が感じていた恐怖の訳を、漸く理解する。聞かされていた事と、実際対峙するのとでは勝手が違う事を。
彼女は本能的に理解したのだ。
“次元が違う”という事に。
「なんだぁ? 此処は随分と騒がしい所だな」
蒼髪の男はその事態にとても面倒くさ臭そうに、それでも慌てる事無く呟く。
「それよりーー」
蒼髪の男は、再びミオを見下ろしながら囁く。
「知っているんだろう? お嬢ちゃん」
ミオの身体は恐怖により硬直し、その場から身動き一つ出来ず、蒼髪の男から目を離す事が出来ない。
「教えてくれないかな?」
“たっ、助けて……姉様、ユキ!!”
「ユキヤ……此処に居るんだろう?」
そう囁く蒼髪の男の瞳は無機質な迄に熱が無く、口許に笑みだけを浮かべる無感情なその表情は、有無を言わせぬ恐怖そのものであった。
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