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第6章 特異点
一話 絶対零度
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「凄い……こんな冷気、見た事も無い……」
“絶対零度、これがユキの本当の力……”
同じ氷使いのミオにとって、その絶対零度の冷気は余りにも異質に見えた。
シグレの居た“そこ”は、蒼白い氷の柱で完全に凍結し、ドライアイスの様に白い冷気が辺りを漂っている。
どう見ても終わったとしか思えなかったが。
“――えっ!?”
ミオの瞳に映る異変。それは氷の柱から噴水が吹き出るかの様に、四方八方から溢れて崩れていく光景。
“――嘘……あの冷気を浴びて、何で無事なの!?”
ミオは震撼するしかない。崩れた氷の柱の中心部には、何事も無かったかの様に佇むシグレの姿が其処に在ったから。
「……俺の特異能は、お前の絶対零度を相殺出来る事を忘れたか?」
シグレは特異能“獄水”の全能力を、あの刹那の瞬間、水の膜を張る事に全防御を廻していた。
「ぐっ!」
だがその直後、シグレの身体の至る所から突如血栓が吹き出し、ぐらつき膝が折れそうになる。
「その割にはダメージが大きい様ですが?」
ユキは冷静にシグレの状態、その主旨を伝える。
幾ら水の膜を張って直撃を防いだとはいえ、分子結合が崩壊し塵となる“絶対零度”を浴びて、只で済む筈が無い。絶対零度は確実に、シグレの身体に傷痕を刻んでいた。
「ククク、だからどうした? 俺が受けた“あの痛み”に比べれば、身体の傷みなど心地好ささえ感じるわ!」
シグレは額から滴り落ちてくる血を、拭う事無く笑う。表情は笑ってはいるが、その無機質な蒼い瞳は変わらない。
その瞳の奥にはユキでも此所でも無い、何処か遠くを見詰めているかの様にーー
…
“絶対零度、これがユキの本当の力……”
同じ氷使いのミオにとって、その絶対零度の冷気は余りにも異質に見えた。
シグレの居た“そこ”は、蒼白い氷の柱で完全に凍結し、ドライアイスの様に白い冷気が辺りを漂っている。
どう見ても終わったとしか思えなかったが。
“――えっ!?”
ミオの瞳に映る異変。それは氷の柱から噴水が吹き出るかの様に、四方八方から溢れて崩れていく光景。
“――嘘……あの冷気を浴びて、何で無事なの!?”
ミオは震撼するしかない。崩れた氷の柱の中心部には、何事も無かったかの様に佇むシグレの姿が其処に在ったから。
「……俺の特異能は、お前の絶対零度を相殺出来る事を忘れたか?」
シグレは特異能“獄水”の全能力を、あの刹那の瞬間、水の膜を張る事に全防御を廻していた。
「ぐっ!」
だがその直後、シグレの身体の至る所から突如血栓が吹き出し、ぐらつき膝が折れそうになる。
「その割にはダメージが大きい様ですが?」
ユキは冷静にシグレの状態、その主旨を伝える。
幾ら水の膜を張って直撃を防いだとはいえ、分子結合が崩壊し塵となる“絶対零度”を浴びて、只で済む筈が無い。絶対零度は確実に、シグレの身体に傷痕を刻んでいた。
「ククク、だからどうした? 俺が受けた“あの痛み”に比べれば、身体の傷みなど心地好ささえ感じるわ!」
シグレは額から滴り落ちてくる血を、拭う事無く笑う。表情は笑ってはいるが、その無機質な蒼い瞳は変わらない。
その瞳の奥にはユキでも此所でも無い、何処か遠くを見詰めているかの様にーー
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