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4話 調査隊
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「さて、残った9人の調査員に礼を言う。ありがとう」
源さんも退出者がいなくなってからお礼の言葉を向ける。
「ここに残ってくれたのは勇気ある調査員だ。私は同じ調査員として誇りに思う」
俺たちは誇りを掲げて残ったわけじゃないよ源さん。今ここに残っている奴らの大半は金の匂いを貪欲に嗅ぎ分けて命を捨てようとする馬鹿野郎共だ。
俺たちの誇りなんて掃いて捨てるホコリと同じ程度の軽さしかないよ。
「さて、まずは今回のダンジョン調査報酬の確認だ。まず依頼受注で5000万の山分けだ」
「本当に高額だな」
受注だけで今回は1人頭500万の収入が確定する。ついつい源さんに声をかける。
「それで、調査情報で踏破した場合の追加報酬は?」
ダンジョン調査には受注の前金と踏破成功の貢献度によってさらに上乗せで支払われる事がよくある。
今回の案件の重さを考えればまぁまぁな額が動いてもおかしくない。
「先程の電話で確認できた金額は追加で5000万だ」
(ヒュ~)
前金と同じだけの額を用意する気前の良さに誰かが口笛を吹いた。
これでダンジョン踏破報酬は500万~1000万が確定した。
それだけあれば迷宮病で特殊な延命措置をとっている真宵でも半年くらい持つだろう。生活費を少しとっても安定するだけの金額だ。
周りの奴らも提示された金額に納得しているようで、俺と同じく1000万の使い道が既に決まっているようだ。
「さて私は構内の見取り図とこの東京市部に置いてある防護服を持ってこよう。その間に⋯勇、簡単にできることやっておいてくれ」
「丸投げじゃん⋯」
源さんはそう言い残すと扉から出ていく。
「ご指名なんで⋯、鳴宮です。何回か仕事ご一緒したこともあると思いますが、このどデカい案件絶対成功させましょう。それじゃまずパーティの仕事割り振っておきたいと思います。」
ダンジョン調査で持ち帰らなければいけない情報は何よりもマップだ。生成されたダンジョンなら尚更だが、ダンジョン化した建物では通路が塞がれていたり、鉱物に押されて増えていることがある。
討伐隊がボス討伐までスムーズに行けるようにマップ情報は死んでも持ち帰らなければならない。
その次にダンジョン内の物質の回収だ。これは物資員が兼業で行うのが一般的だ。他の調査員も簡易キットを持っているため手早く採取し持ち帰ることもある。
そしてパーティで大事なのがサポーターだ。全ての仕事を兼業する。マッピングに採取、道具の受け渡し、負傷員の治療や現場判断を兼ねることもある。とにかく現場で求められる全てを高水準でやらなければならない。
まぁ実質仕事なんてあってないようなもので、マッパー以外は臨機応変に全ての作業をこなせなければならない。ゴールドにもなれば誰もが高水準でそれを行えるのだから頼もし。
「んじゃマッパーだけ決めちゃわないとだな、2人くらい欲しいけど誰かいるか」
「んじゃわしやろかな」
「マ、マッパーなら僕も」
「んじゃいつもの陽気な頭のやつとマプ男な。他にやりたいやつは⋯まぁこいつらなら特に出ないか。んじゃ決定」
「ちょ待てや! いつになったら名前覚えてくれんねん勇!」
元気よく立ち上がる陽気な赤色のツッパリ頭。一目見ただけで忘れるはずもないのだがこいつはうるさいのでなるべく関わらないようにしている。雑な見た目からは想像つかないほど丁寧で綺麗なマッピングをしてくれるのだから人間って不思議だ。
こんな頭でも美大に通っていたらしいが花開かず今ではダンジョン関連で働く若者だ。
「それにマプ男ってなんやねん! モブみたいな名前つけおってからに」
「ぼ、僕はいいんだよ」
「マプ男はマプ男、以上」
オドオドした雰囲気に目元まで伸びた髪の毛が余計に地味さをアピールしている。
「ちゃんと名前呼んだれや! 金タグにも名前彫ってあるやんけ!」
マプ男の首にぶらさがっているタグを掴みながらいつも通りうるさく突っかかってくる。
個人証明のためのタグ、階級ごとに素材が変わり俺たちゴールドは金のタグだ。使い道はダンジョンに入る証明と死んだ時に身分を証明するものだ。
「はいはい、わかったよ麻布(まふ)」
「⋯お前本名まで麻布なんか、やっぱりマプ男でえぇわ」
赤いツッパリの八木(やき)は目を丸くしてマプ男の肩を叩く。
その場にいたほとんどが八木の変わり身に笑っていた。
源さんも退出者がいなくなってからお礼の言葉を向ける。
「ここに残ってくれたのは勇気ある調査員だ。私は同じ調査員として誇りに思う」
俺たちは誇りを掲げて残ったわけじゃないよ源さん。今ここに残っている奴らの大半は金の匂いを貪欲に嗅ぎ分けて命を捨てようとする馬鹿野郎共だ。
俺たちの誇りなんて掃いて捨てるホコリと同じ程度の軽さしかないよ。
「さて、まずは今回のダンジョン調査報酬の確認だ。まず依頼受注で5000万の山分けだ」
「本当に高額だな」
受注だけで今回は1人頭500万の収入が確定する。ついつい源さんに声をかける。
「それで、調査情報で踏破した場合の追加報酬は?」
ダンジョン調査には受注の前金と踏破成功の貢献度によってさらに上乗せで支払われる事がよくある。
今回の案件の重さを考えればまぁまぁな額が動いてもおかしくない。
「先程の電話で確認できた金額は追加で5000万だ」
(ヒュ~)
前金と同じだけの額を用意する気前の良さに誰かが口笛を吹いた。
これでダンジョン踏破報酬は500万~1000万が確定した。
それだけあれば迷宮病で特殊な延命措置をとっている真宵でも半年くらい持つだろう。生活費を少しとっても安定するだけの金額だ。
周りの奴らも提示された金額に納得しているようで、俺と同じく1000万の使い道が既に決まっているようだ。
「さて私は構内の見取り図とこの東京市部に置いてある防護服を持ってこよう。その間に⋯勇、簡単にできることやっておいてくれ」
「丸投げじゃん⋯」
源さんはそう言い残すと扉から出ていく。
「ご指名なんで⋯、鳴宮です。何回か仕事ご一緒したこともあると思いますが、このどデカい案件絶対成功させましょう。それじゃまずパーティの仕事割り振っておきたいと思います。」
ダンジョン調査で持ち帰らなければいけない情報は何よりもマップだ。生成されたダンジョンなら尚更だが、ダンジョン化した建物では通路が塞がれていたり、鉱物に押されて増えていることがある。
討伐隊がボス討伐までスムーズに行けるようにマップ情報は死んでも持ち帰らなければならない。
その次にダンジョン内の物質の回収だ。これは物資員が兼業で行うのが一般的だ。他の調査員も簡易キットを持っているため手早く採取し持ち帰ることもある。
そしてパーティで大事なのがサポーターだ。全ての仕事を兼業する。マッピングに採取、道具の受け渡し、負傷員の治療や現場判断を兼ねることもある。とにかく現場で求められる全てを高水準でやらなければならない。
まぁ実質仕事なんてあってないようなもので、マッパー以外は臨機応変に全ての作業をこなせなければならない。ゴールドにもなれば誰もが高水準でそれを行えるのだから頼もし。
「んじゃマッパーだけ決めちゃわないとだな、2人くらい欲しいけど誰かいるか」
「んじゃわしやろかな」
「マ、マッパーなら僕も」
「んじゃいつもの陽気な頭のやつとマプ男な。他にやりたいやつは⋯まぁこいつらなら特に出ないか。んじゃ決定」
「ちょ待てや! いつになったら名前覚えてくれんねん勇!」
元気よく立ち上がる陽気な赤色のツッパリ頭。一目見ただけで忘れるはずもないのだがこいつはうるさいのでなるべく関わらないようにしている。雑な見た目からは想像つかないほど丁寧で綺麗なマッピングをしてくれるのだから人間って不思議だ。
こんな頭でも美大に通っていたらしいが花開かず今ではダンジョン関連で働く若者だ。
「それにマプ男ってなんやねん! モブみたいな名前つけおってからに」
「ぼ、僕はいいんだよ」
「マプ男はマプ男、以上」
オドオドした雰囲気に目元まで伸びた髪の毛が余計に地味さをアピールしている。
「ちゃんと名前呼んだれや! 金タグにも名前彫ってあるやんけ!」
マプ男の首にぶらさがっているタグを掴みながらいつも通りうるさく突っかかってくる。
個人証明のためのタグ、階級ごとに素材が変わり俺たちゴールドは金のタグだ。使い道はダンジョンに入る証明と死んだ時に身分を証明するものだ。
「はいはい、わかったよ麻布(まふ)」
「⋯お前本名まで麻布なんか、やっぱりマプ男でえぇわ」
赤いツッパリの八木(やき)は目を丸くしてマプ男の肩を叩く。
その場にいたほとんどが八木の変わり身に笑っていた。
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