迷宮のすゝめ〜現実世界に生成されるリアルダンジョンで働きます〜

アヴィ丸

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11話 壁

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「ため息なんかついとらんと俺らも逃げな」
「まず3人バラけるかどうかだな」
「俺ら3人は見つけ次第と言っていた。生け贄と違ってB1で律儀に付き合ってやる必要は無い」

 B1への階段を降りた場所で源さん、八木、俺の3人で相談する。俺たちは見つけ次第狙われるのだから慌てて上がる訳にも行かない。1階に陣取っていたのが蓋のような役割なら上がった瞬間終わりだからだ。
 恐らく生け贄を地下で殺すということは、地下以外への生け贄の移動は脱獄のような扱いになるだろう。
 生け贄が神の元を脱走していいはずもない。必然的に7人はB1に閉じ込められたのと同じになる。そして殺されるまでにクリアしなければ7人の生け贄もどうなるか想像するのは難しくない。

「俺らは2回に戻り討伐隊にこのことを報告する。敵はアステリオス、B1でギミックが発現したところを見てもボスは奴だ。一体なら上で調査前に連絡して待機している討伐隊に交換出来る」
「マップは討伐隊には申し訳ないがフィールドギミックを発動済のことと敵情報があれば後の500万も入るはずだ」
「まぁ充分やろ。B1の生け贄共には悪いが俺らは上がるしかないわ」

 B1に生け贄が7人、マプ男が探索しながらミノタウロスに出くわさないようにしている間に俺たち3人はマップ以外の情報を外に持ち出す方向で固まった。

「それならまず上がらなければか」
「俺が行くわ。いっちゃん若いし最悪ここに戻れるやろ」
「八木が先行したあとミノタウロスの動きを確認、源さんと俺も続こう」

 俺達3人は来た階段を戻り1階をのぞき込む。
 ミノタウロスはB1に移動して生け贄を求めているのだろうか。辺りに姿は見えない。

「牛もおらんわ。いけるで」

 1階にミノタウロスがいないならここから先は素直に上に上がって入口から出るだけだ。
 外で待機しているゴールド以上の討伐隊にミノタウロスの報告をするだけ。
 とはいえここで焦ってミノタウロスを誘き寄せては何の意味もないため慎重に移動する。

 何も起きない。安全な今が余計に俺の不安を煽る。歩みをとめずに考えるが何も思いつかない。

「そない心配な面すんなや。牛野郎がB1に生け贄を求めて行ってるなら俺らは帰れるて」
「八木の言う通りだ。少ないがマップと敵のデータがある、幸いそんなに新宿駅とそんなに大差ないから充分踏破可能だ」
「そこは心配してないんすけど⋯。なにか引っかかる」

 もうすぐ降りてきた階段に着く。2階は初めから何もいなかったのだからここまで来てしまえば後はもう大丈夫だろう。
 俺達は階段を素早く上がり元きた方向へ帰る。鉱石が張り付いた南口方面の看板を目指すと目の前は鉱石の壁があった。

「⋯俺たちが入ってきたのってここやんな」
「マップデータではここだ」
「迷宮、ラビュリントス⋯もしかして入った人間を出さない気か!」

 迷宮の王が贄と敵を逃がさない為の迷路ラビュリントス。あの雄牛の庭で俺たちは閉じ込められた。新宿駅という迷路に、出口を塞がれ逃げ場のない鬼ごっこが始まる。
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