神官の特別な奉仕

Bee

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スーシリアム神皇国

47※ エピローグ

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「あ、あ、いや……アンバー様っ…………! そこ、いいっ……ああ!!」

 ここは皇子宮にあるアンバーとノーマの寝室。

 二人のために用意された清潔で広い寝台の上で、シルバーに輝く長い髪を乱し、嗚咽とも喘ぎともつかぬ声をノーマは漏らした。
 足を胸につくまで折り畳まれ、垂直に猛りきった陰茎を突き立てられて、痺れるほどの快楽に身を任せていた。

 ヌチヌチという淫らな音を立てて、アンバーの陰茎が上下に抽挿を繰り返す。時折肉癖一杯に咥え込んだ陰茎の先端が、中の膨らみを擦ってはえぐり、その度にノーマの体が大きく反り返るのを、アンバーが額に汗を浮かび上がらせながらも搾り取られぬように耐えていた。

「……随分と声がでるようになったな」

 アンバーが意地悪く大きく深く穿つと、ノーマの口から悲鳴のように高い声が絞り出る。

「ひっやぁ……! いじわる、しないで……!」

 平素では見せることのない淫靡に煽り誘う表情に、アンバーも昂ぶりがおさまる暇がない。
 かつて『喘ぎ声なんてそんなにでるもんなんですかね』と言っていたノーマが、今ではこのとおりだ。



 あの礼拝堂でのできごとのあと、場所を探しては恋人として密やかな逢瀬を過ごしてきた二人も、ノーマが正式に神官として任命され自由な生活が送れるようになると、新官長から許しを貰い、皇子宮のアンバーの部屋で生活をするようになった。

 当初アンバーとノーマの交際に難色を示していた一部の皇子宮の者も、ノーマが正式に神官の位を得てからは、誰も何も言わなくなり、今ではアンブリーテス皇子の伴侶として公式に認知されている。



「あっあっあっーーー!! いや、だめ、そこ!! あっくる!! ひぁっ」

 アンバーが奥のそのまた奥を穿つと、ノーマの体が大きく弓なりに仰け反り、中をギュウッと締め付けた。それと同時に、もう耐えきれぬとばかりにアンバーも勢い良く精を放つ。

 もう何度目かも分からぬ吐精で、ノーマの鈴口からは透明な液が力なく溢れ出るだけだが、中の締付けだけはビクビクと終わる気配がない。中に注がれた白濁が新たな刺激を生み、ノーマの内太腿が細かく痙攣する。

「んっ」

 ゆるゆると名残惜しそうに数回かき回された後、中からそれがズルリと引きずり出されると、内壁が擦れぞわぞわと痺れるような感覚に襲われた。そして抜かれると同時に、中に吐き出されたものがドロリと穴から溢れ出て、尻を伝うのを感じた。





 翌朝、寝室の広い寝台に寝転がったまま、ノーマはうーんっと伸びをした。外はまだ夜明け前。部屋は当然まだ薄暗い。
 昨日の余韻がまだ残った体は、すっきりとした目覚めとは言い難く、尻にはまだ何か入っている感覚すらある。

 怠い体を無理矢理起こして、隣でまだ寝ているアンバーを起こさぬようにそろっと寝台から降りようとするも、まだ寝ているはずのアンバーがノーマの腰にするりと手を回した。

「……ノーマ。おはよう。もう行くのか」
「おはようございます、アンバー様。まだ早いから、もう少し寝ていて。……また夜に」
「……ああ、また夜に」


ちゅっと優しく口づけを交わすと、後ろ髪を引かれつつもノーマは寝台から降り、隣の自室へと移動する。

 途中侍従がひとり部屋に入り、ノーマの着替えの手伝いを始め、肩にかかる長さで切りそろえた髪に櫛をとおす。

 鏡には白銀髪に白い肌の自分が映り、昔とは随分かわったなぁと独りごち頬を撫でる。
 短かった髪も今ではこのとおり、白に近い美しいシルバーカラーの髪はきれいに生え揃い、日に焼けて浅黒かった肌も今では生まれたときのように真っ白だ。

 顔つきも『人形のようだ』と言われていた昔にくらべ人間味を増して、もう少年の面影はない。

 感慨深いもの感じつつも髪を梳き終わると、後ろで軽く結い整える。神官服を侍従が着付けてくれたらローブを羽織り、部屋を出て神殿へ向かう。
 もう皇子宮での生活も慣れたものだ。

 夜明けの時刻、神官であるノーマは祈りの場に居なくてはならないため、こうして朝早くに起きてはアンバーを起こさぬよう気遣いつつ神殿に行く支度をする。

 そして神殿へ。


「ノーマ殿、おはようございます」
「おはようございます。今日もよろしくお願いいたします」

 神殿に着くと支度を終えた神官らがぞろぞろと祈りの場に向かっているのが見え、ノーマもそこにその流れに合流した。
 最初はあんなに拒否反応を示していた神官らも、時が経つにつれノーマに馴染み、今ではこの神殿で最も治癒力の高い者として認められつつあった。

 ひとえにダイジュ監督官の尽力があってのことだが、彼はノーマ殿の努力の賜物ですよと謙虚にいつも褒めてくれた。
 そんな彼も治癒力研究の成果が認められ、現在は監督官ではなく、神殿の研究職へと異動し、学者として研究三昧の日々を過ごしている。

「ノーマ殿は次の昇給で、監督官の辞令がおりたんだって?」
「ありがたいことにそうなんだ」
「ダイジュ監督官の補佐もやっていたし、ノーマ殿なら大丈夫だ」
「ふふ、ありがとう」

 そんな他愛もない話をしていると神官長が入室し、朝の祈りが始まる。
 祈りの言葉を唱えつつ、今日一日の予定を頭の中で組み立てながら、ふと明日の予定のことを考える。

 明日はなんと久々に、スルトがサーシャとともに皇子宮に遊びに来るのだ。しかも彼らが跡取りとして養子に迎えた男の子を、お披露目会よりも先に見せて貰う約束なのだ。
 どうもサーシャの兄弟の子供を引き取ったとかで、父親繋がりでいえばアンバーの甥でもある。

 褐色の肌に真っ赤な髪。そして顔立ちまでもがサーシャの幼少期にそっくりというその赤子を迎え入れる話が出たとき、スルトがとても喜んでいたという。

 あの二人ならきっと良い親になりそうだと、穏やかに子供を抱く二人の姿が容易に想像できた。
 祈りの最中だというのに、そんなことを考え思わず頬が緩む。

「……ノーマ殿ノーマ殿! 終わりましたよ。皆さんもう出られ始めました。今日はえらい長くお祈りされてましたね。さすがノーマ殿だ」

 同僚がいつまでも顔をあげないノーマに感心し、誉め讃えるのを、内心しまったなとおもいつつも、ノーマはふふふと笑ってごまかした。

 今日はこれから皆揃っての朝食のあと、貧困地域へ治癒の奉仕に向かうことになっている。

 神殿も金を取れるところからはがっぽりむしり取り、お金を払えないところへ無償で奉仕するというやり方で、うまく国全体に奉仕活動が回るように運営をおこなっている。

 あんな異常な奉仕をしていた自分が、今では皆の役に立つことができていて、とても誇らしい。

(何もかもアンバー様のおかげだ。今日帰ったらうんと甘えよう。
 いつもはアンバー様にやってもらってばかりだけど、今日くらいは俺から誘ってみようかな。
 久々にあの特別な奉仕を彼にしてやろう。なんだかんだ言って好きだからな。きっと驚くぞ)

 ノーマはそんな帰ってからのお愉しみを胸に、祈りの場を後にした。





 ————————それから数年後。



「アンブリーテス皇子、本日のご公務ですが……」

 この日、公務での巡行のため、快晴の空のもと、城の馬車回にアンバーはいた。

 見事な黒髪を後ろに結き、公務で着用する襟の詰まった美しい刺繍の長衣を纏いて、悠然と立っている。堂々たるその姿はこの国の皇子に相応しい。

 そしてその隣には、陽の光に白く輝くシルバーの髪を、同じく後ろで結って垂らした白の神官服姿のノーマが寄り添い立つ。


 ノーマはあれから勉学に励み、着々と昇格昇進を果たし神殿内で地位を確立した。その甲斐あってアンブリーテス皇子の専属神官に任命。公私ともにこうしてアンバーの隣に立つことを許された。

 自信に満ち溢れ堂々と立つその姿は、自分に恥じ入りフードを深々とかぶっていたあの頃とはまったく違う。


「そろそろ出立のお時間です」

 この日の予定の最終確認を終え、出立の時間を迎える。

「ノーマ、手を」

 アンバーは当然のようにノーマの手を取り、彼が白く長いローブの裾を踏んでしまわないよう注意しながら同じ馬車へと乗り込む。

 伴侶でもある銀髪の見目麗しい神官の手を取る皇子の姿に、周囲の者は『いつまでも仲睦まじいお二人だな』と穏やかな気持ちで見守った。
 きっと王になられてもこの幸せなお姿が見られるうちは、この国も安泰だろう。そう皆心に思った。




 完







ーーーーーーーーーーーー

これで本編は完結となります。

ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました!

番外編を投稿する予定にしておりますが、ここで一旦完結とさせていただきます。
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