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43 キャラバンの市2
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「おや、その方は……?」
ロニの視線がローレント留まる。
肩を抱いている時点で、傍目から親密さがにじみ出ているだろう。
本当はあまり大ぴらに紹介したくはなかったが、ここで下手に隠すのは逆によろしくないと考えたガーディアスは、諦めてロニ老人にローレントを紹介することにした。
「急にいなくなってすまなかった。……これは我が妻であるローレントだ。ローレント、こちらはこのキャラバンを束ねる商隊長のロニだ」
ガーディアスがチラッとローレントに目をやると、ローレントはスッと姿勢を正すと、優雅な手つきでフードを取った。柔らかな金の髪がふわりと風になびいて光を放ち、うっとりとするような笑みを浮かべたローレントの姿は、見慣れているはずのガーディアスですら見惚れるほどであり、気品溢れる完璧な王子の姿だった。
「そうか、君が。話は聞いている。僕はローレント・バドリウス・サルースだ」
ローレントの顔を見たロニが、シワに覆われたその細い目を見開き、驚いた表情を見せた。そしておもむろに片膝を地面に付き、恭しく頭を下げた。
「失礼をいたしました殿下。お目にかかれて光栄でございます。このキャラバンを取り仕切っておりますロニと申します」
ガーディアスはローレントを妻だと紹介した。だが、ロニはすぐにこれがこの国の王子だと気づき、最敬礼の姿勢をとった。
各国を渡り歩くロニの耳にも、この国の元王太子がどうなったのかという話は届いているらしい。
「頭を上げてくれ。僕は今このガーディアスの妻だ。彼と同等に接してくれ。いや、それよりももっと気軽に接してもらっていい。夫とともにこれから宜しく頼む」
「ははっ。ありがたきことにございます」
ローレントはロニ老人に頭を上げるよう促す。そしてガーディアスに向き直ると、ガーディアスは素早くフードを被せた。
「ロニ殿。すまないが、こいつを城に送り届けてくる。すぐ戻る」
「あ、領主様。こちらをお忘れですぞ」
ロニが返事の代わりに会釈をした直後、慌てて頭を上げて手に持ったものをガーディアスに渡した。
ガーディアスに渡したもの。それはあの優美な菓子箱だった。
「おっと。すまないロニ殿。ではまた戻る」
「それはなんだい」
「東のほうにある国の菓子だそうだ。とろけるような甘さらしいぞ。俺が戻るまで、それを食べて我慢しろ」
「へぇ。ガーディアスにしては気が利くじゃないか」
憎まれ口を叩いてはいるが、その声はかなり嬉しそうだ。布に包まれた箱を手に持ち、歩きながらずっと眺めている。どうやら気に入ったらしい。
上機嫌のローレントを城へと送り届けたガーディアスは、またすぐにロニのもとへと戻った。
「慌ただしくしてすまなかったな」
「いえいえ、滅相もありません。しかし宝石王子と言われるだけあり、本当にお美しい王子殿下ですな。まばゆいばかりの美しさに、このロニの老いた目が眩んでしまいました」
「だろう。俺も初めて会ったときは驚いた」
ロニの大げさともとれる賛辞をガーディアスはおおいに肯定すると、声をあげて笑った。
「まさかあのようにご紹介いただけるとは、夢にも思わず。遅まきながら、お祝い申し上げます」
「この俺があの王子と、まさか本当に結婚しているとは思わなかっただろう?」
ロニ老人が穏やかに微笑みながら頷き同意した。
「……本当は、まだ人前に出すつもりじゃなかったんだがな。アレのことはあまり大ぴらにしないでもらえると助かる」
「宜しいですが、こうして仲睦まじくやっていると公表したほうが、領主様の悪評を払拭できるのでは?」
王都に蔓延するガーディアスに対する悪評は、自分でも感心するほどだ。
表向き結婚となっているが、実際は獣辺境伯が王子を監禁し拷問しているとか、地下牢に閉じ込め、食事はゴミ同然のものしか与えず放置しているとか、ガーディアスは王族にも容赦ない恐ろしく暴虐非道で残虐な獣だと噂されている。
「領主様が王都で噂されるような人物ではないことは、私がよおく存じております。なぜこれほどの悪評が王都中に広まっているのか……。まったく理解できません」
世界中を渡り歩くロニには、人種に対する差別意識がない。その証拠に、彼が率いるキャラバンには多種多様な人種が属している。それは異形に対してもそうであり、ガーディアスに対しても先入観なく接してくれた。そしてガーディアスもまた、流れ者である彼らを差別しない。
これが、ガーディアスとロニが互いを信頼する根幹へとつながっている。
「……まだあの厄災からそう月日が経ったわけではない。世間的にはローレントが幸せであってはならず、俺という恐ろしい監視役の元で、惨めに過ごしているという事実は都合がいい。それにそのほうが、俺に歯向かう奴が少なくて助かるしな」
これは必要悪だ。こんなことでローレントを守れるならやすいもの。
それにガーディアスが恐ろしい存在であるほうが、都合がいいこともたくさんある。領地を守るためにも、そのほうがいいのだ。
ロニ老人は、やれやれといったように小さく首を振りため息を吐いた。
「領主様がそれで良いのであれば、何も言うことはありません。しかし王子殿下についても、国を破滅に導く悪辣で愚かな王子だと、相当な悪評でございましたがそうは見えず。まったく不思議なものですな」
ガーディアス自身も本人を目の前にするまで、その噂通りの者だと思っていた。だが実際はどうだ。愚かかどうかと問われれば答えに窮するが、悪辣であるかと問われたなら答えは否だ。
ローレントは馬鹿がつくくらい実直で、嘘がつけない性格だ。人を陥れようとか、そんな利己的な人間とは到底思えない。
だが、あまりにも人を信じすぎる。
ローレントがここに来るきっかけとなったあの事件も、すべては偽聖女によって仕組まれたものではないかと、ガーディアスは推測していた。
「殿下の悪評とは反対に、王都では今、第2王子殿下の評価が高まっております。まだ正式な発表はありませんが、近々第2王子殿下の立太子と婚約式が執り行われるとの話も」
厄災の処理も一段落といったところか。
立太子と婚約式という、国をあげての大きな式典だ。辺境伯という上位貴族の立場ではあるが、ローレントを娶ったガーディアスはおそらく式典には呼ばれることはないだろう。
「そうか、それはめでたいことだな。そのうちここにも知らせが届くだろう。……そうだ、あとひとつ尋ねたいことがある」
「はい、なんでしょう」
「巡行中に、妙な娘を見なかったか。見たこともない服を着て、奇妙な術を使う、若い娘だ。異邦人の噂でもいい」
そこまで聞くと、ロニ老人ははてといった顔をしたが、すぐにガーディアスが誰のことを言っているのか悟ったらしく、「ああ」と頷いた。
「申し訳ございませんが、我々がここに辿り着くまでに、そのような者に会ったり、噂を聞いたりはしておりませんな。治癒術……おっと失礼。そのような術を使う者がいればすぐに噂になるでしょうが……。異邦人となると、我々のようなキャラバンに紛れこんでいる可能性がありますが、そうなると見つけるのは難しいやもしれません」
「……そうか。こちらでも探しているのだが、どうにも掴めん。もし今後そのような娘の噂や、それらしき人物を見聞きしたら、俺に報せてほしい。些細な情報でも構わん。もちろん都度報酬は出す。頼めるか」
「旅のついででございます。お受けいたしましょう」
「悪いな。この情報の分も、あとで支払いに上乗せしておく」
ロニ老人は返事をする代わりに、頭を下げた。
「ところで領主様。さきほどの菓子が殿下、いえ夫人への贈り物とは存じ上げず、大変失礼いたしました。私としたことが、てっきり新しく愛妾でもおつくりになられたのだとばかり。とんだ勘違いを」
「よしてくれ。ローレントに聞かれるとまずい」
ロニが冗談めかし、ガーディアスが豪快に声をあげて笑う。
「そのローレントが市を見て回りたいと言っているんだが、もし俺といるところを見かけてもそっとしておいてもらえると助かる」
「承知しました。ではお仕事を、早めに切り上げなければいけませんな」
「ああ。市が終わる前に連れ出さないと、拗ねて口をきいてもらえなくなる」
そんな冗談を交えながら、2人は雑踏をかき分けてテントへと戻っていった。
ロニの視線がローレント留まる。
肩を抱いている時点で、傍目から親密さがにじみ出ているだろう。
本当はあまり大ぴらに紹介したくはなかったが、ここで下手に隠すのは逆によろしくないと考えたガーディアスは、諦めてロニ老人にローレントを紹介することにした。
「急にいなくなってすまなかった。……これは我が妻であるローレントだ。ローレント、こちらはこのキャラバンを束ねる商隊長のロニだ」
ガーディアスがチラッとローレントに目をやると、ローレントはスッと姿勢を正すと、優雅な手つきでフードを取った。柔らかな金の髪がふわりと風になびいて光を放ち、うっとりとするような笑みを浮かべたローレントの姿は、見慣れているはずのガーディアスですら見惚れるほどであり、気品溢れる完璧な王子の姿だった。
「そうか、君が。話は聞いている。僕はローレント・バドリウス・サルースだ」
ローレントの顔を見たロニが、シワに覆われたその細い目を見開き、驚いた表情を見せた。そしておもむろに片膝を地面に付き、恭しく頭を下げた。
「失礼をいたしました殿下。お目にかかれて光栄でございます。このキャラバンを取り仕切っておりますロニと申します」
ガーディアスはローレントを妻だと紹介した。だが、ロニはすぐにこれがこの国の王子だと気づき、最敬礼の姿勢をとった。
各国を渡り歩くロニの耳にも、この国の元王太子がどうなったのかという話は届いているらしい。
「頭を上げてくれ。僕は今このガーディアスの妻だ。彼と同等に接してくれ。いや、それよりももっと気軽に接してもらっていい。夫とともにこれから宜しく頼む」
「ははっ。ありがたきことにございます」
ローレントはロニ老人に頭を上げるよう促す。そしてガーディアスに向き直ると、ガーディアスは素早くフードを被せた。
「ロニ殿。すまないが、こいつを城に送り届けてくる。すぐ戻る」
「あ、領主様。こちらをお忘れですぞ」
ロニが返事の代わりに会釈をした直後、慌てて頭を上げて手に持ったものをガーディアスに渡した。
ガーディアスに渡したもの。それはあの優美な菓子箱だった。
「おっと。すまないロニ殿。ではまた戻る」
「それはなんだい」
「東のほうにある国の菓子だそうだ。とろけるような甘さらしいぞ。俺が戻るまで、それを食べて我慢しろ」
「へぇ。ガーディアスにしては気が利くじゃないか」
憎まれ口を叩いてはいるが、その声はかなり嬉しそうだ。布に包まれた箱を手に持ち、歩きながらずっと眺めている。どうやら気に入ったらしい。
上機嫌のローレントを城へと送り届けたガーディアスは、またすぐにロニのもとへと戻った。
「慌ただしくしてすまなかったな」
「いえいえ、滅相もありません。しかし宝石王子と言われるだけあり、本当にお美しい王子殿下ですな。まばゆいばかりの美しさに、このロニの老いた目が眩んでしまいました」
「だろう。俺も初めて会ったときは驚いた」
ロニの大げさともとれる賛辞をガーディアスはおおいに肯定すると、声をあげて笑った。
「まさかあのようにご紹介いただけるとは、夢にも思わず。遅まきながら、お祝い申し上げます」
「この俺があの王子と、まさか本当に結婚しているとは思わなかっただろう?」
ロニ老人が穏やかに微笑みながら頷き同意した。
「……本当は、まだ人前に出すつもりじゃなかったんだがな。アレのことはあまり大ぴらにしないでもらえると助かる」
「宜しいですが、こうして仲睦まじくやっていると公表したほうが、領主様の悪評を払拭できるのでは?」
王都に蔓延するガーディアスに対する悪評は、自分でも感心するほどだ。
表向き結婚となっているが、実際は獣辺境伯が王子を監禁し拷問しているとか、地下牢に閉じ込め、食事はゴミ同然のものしか与えず放置しているとか、ガーディアスは王族にも容赦ない恐ろしく暴虐非道で残虐な獣だと噂されている。
「領主様が王都で噂されるような人物ではないことは、私がよおく存じております。なぜこれほどの悪評が王都中に広まっているのか……。まったく理解できません」
世界中を渡り歩くロニには、人種に対する差別意識がない。その証拠に、彼が率いるキャラバンには多種多様な人種が属している。それは異形に対してもそうであり、ガーディアスに対しても先入観なく接してくれた。そしてガーディアスもまた、流れ者である彼らを差別しない。
これが、ガーディアスとロニが互いを信頼する根幹へとつながっている。
「……まだあの厄災からそう月日が経ったわけではない。世間的にはローレントが幸せであってはならず、俺という恐ろしい監視役の元で、惨めに過ごしているという事実は都合がいい。それにそのほうが、俺に歯向かう奴が少なくて助かるしな」
これは必要悪だ。こんなことでローレントを守れるならやすいもの。
それにガーディアスが恐ろしい存在であるほうが、都合がいいこともたくさんある。領地を守るためにも、そのほうがいいのだ。
ロニ老人は、やれやれといったように小さく首を振りため息を吐いた。
「領主様がそれで良いのであれば、何も言うことはありません。しかし王子殿下についても、国を破滅に導く悪辣で愚かな王子だと、相当な悪評でございましたがそうは見えず。まったく不思議なものですな」
ガーディアス自身も本人を目の前にするまで、その噂通りの者だと思っていた。だが実際はどうだ。愚かかどうかと問われれば答えに窮するが、悪辣であるかと問われたなら答えは否だ。
ローレントは馬鹿がつくくらい実直で、嘘がつけない性格だ。人を陥れようとか、そんな利己的な人間とは到底思えない。
だが、あまりにも人を信じすぎる。
ローレントがここに来るきっかけとなったあの事件も、すべては偽聖女によって仕組まれたものではないかと、ガーディアスは推測していた。
「殿下の悪評とは反対に、王都では今、第2王子殿下の評価が高まっております。まだ正式な発表はありませんが、近々第2王子殿下の立太子と婚約式が執り行われるとの話も」
厄災の処理も一段落といったところか。
立太子と婚約式という、国をあげての大きな式典だ。辺境伯という上位貴族の立場ではあるが、ローレントを娶ったガーディアスはおそらく式典には呼ばれることはないだろう。
「そうか、それはめでたいことだな。そのうちここにも知らせが届くだろう。……そうだ、あとひとつ尋ねたいことがある」
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「申し訳ございませんが、我々がここに辿り着くまでに、そのような者に会ったり、噂を聞いたりはしておりませんな。治癒術……おっと失礼。そのような術を使う者がいればすぐに噂になるでしょうが……。異邦人となると、我々のようなキャラバンに紛れこんでいる可能性がありますが、そうなると見つけるのは難しいやもしれません」
「……そうか。こちらでも探しているのだが、どうにも掴めん。もし今後そのような娘の噂や、それらしき人物を見聞きしたら、俺に報せてほしい。些細な情報でも構わん。もちろん都度報酬は出す。頼めるか」
「旅のついででございます。お受けいたしましょう」
「悪いな。この情報の分も、あとで支払いに上乗せしておく」
ロニ老人は返事をする代わりに、頭を下げた。
「ところで領主様。さきほどの菓子が殿下、いえ夫人への贈り物とは存じ上げず、大変失礼いたしました。私としたことが、てっきり新しく愛妾でもおつくりになられたのだとばかり。とんだ勘違いを」
「よしてくれ。ローレントに聞かれるとまずい」
ロニが冗談めかし、ガーディアスが豪快に声をあげて笑う。
「そのローレントが市を見て回りたいと言っているんだが、もし俺といるところを見かけてもそっとしておいてもらえると助かる」
「承知しました。ではお仕事を、早めに切り上げなければいけませんな」
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