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44 楽しい宴
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その日の夜。市が撤収したあとの庭には、大きな篝火がいくつも焚かれ、そこだけ闇夜から切り出したように明るく浮き上がり、大勢の者の影が楽しげにゆらゆらと揺らめいてる。
それは、キャラバン到着後の恒例行事となっている宴の明かりだった。
この宴はロニ老人の主催ではあるが、キャラバンとサルース城との共同開催で、城の料理人とキャラバンの料理担当が協力し、様々な料理を提供する。馴染の料理があれば、世界各国の料理が融合した多国籍料理など、多種多様な料理が振る舞われる。
料理だけではなく、歌や踊り、楽器の演奏などの催しが唐突に行われる様子は、さながら大道芸の興行だ。普段娯楽の少ない城の者らにとって、この宴もキャラバンが訪れた際の楽しみのひとつになっている。
そしてこの大規模な宴の上席には、この宴の主催である商隊長のロニ老人と主賓であるガーディアスが座っていた。
2人は酒を酌み交わし、和やかに談笑している。
そしてローレントといえば――。今回は留守番ではなく、ちゃんとガーディアスの隣に座っていた。しかしローレントは頭からすっぽりとフードを被り、黙って座っているだけ。辺境伯夫人としての紹介もされていない。
まるでまたローレントがないがしろにされているかのようにも見えるが、そうではない。ローレントも承知の上のことだ。
もちろんその理由は正体がバレないようにするためなのだが、そんなに心配なら参加させなければいいとのでは? と思うだろう。
しかし派手に宴をしているのにひとりだけ城で留守番をさせれば、気になってまたこっそり抜け出すかもしれない。それならいっそのこと、最初から参加させたほうがいいのではないか。ということで、条件つきでガーディアスが参加を許したのだ。
その条件とは、フードを取らないこと、ラミネットやサシ以外とは口をきかないこと。そして名前やガーディアスとの関係を聞かれても、絶対に答えないことの3つだ。
まあ正体不明の者が領主であるガーディアスのすぐ隣にいるのはいささか不自然ではあるものの、今のところチラチラ見てくる者はいても、実際に声をかけてくる者はほぼいない。なにかあればラミネットやサシが応対するし、意外とうまくやっている。
ローレント自身も、別に誰かと話などしなくても、このワイワイと賑やかな様子を見るだけでも十分楽しめた。
料理は、まずラミネットが大皿に盛られた料理を取って毒見し、問題がないと確認した後ローレントの皿へと移される。ラミネットはローレントの好みをしっかりと把握しているので、安心して任せられた。
たまにガーディアスが自分の皿にあるものを、ローレントの皿に載せてくる。それは肉料理ばかりな上、胸焼けがしそうなほどの量で、見かねたラミネットが新たに皿を用意し、さっぱりした料理を載せてくれる。
ローレントはそれを交互につまみながら、酒を飲む。酒もこのサルースのワインのほかにも珍しい酒が並び、隣で飲んでいるガーディアスが次々と飲み干しているのを横目で見ながら、ローレントもラミネットから注いで貰っていた。
サシもラミネットもとても楽しそうで、キャラバンの者たちとも自然と会話をし、笑い合っている。
こんなに大勢と賑やかに食事をするのは初めてのことで、ローレントの心は浮き立ち、いつまでもこの宴を眺めていた気分だった。
宴は盛り上がりを見せ、歌や踊り、楽器の演奏が次々と披露され、都度声援が飛ぶ。サルースの者も負けじと歌を披露し、大きな拍手が沸き起こり、王都でよく聴いた懐かしい曲にローレントも笑顔で拍手を送った。
その後、浅黒い肌の異国の女性たちが妖艶な衣装でダンスを踊り、男たちの声援や指笛が鳴り響く中、踊り終えたあとも舞いながらガーディアスの元へやってくるのが見えた。
どうやら酒を注ぎに来たらしい。接待役ということだ。まあこういう席ではよくあることだ。
ローレントは特に気になどしていなかったが、偶然聞こえた彼女らとガーディアスの会話に、酒を飲む手が止まった。
「リョウシュサマ。キョウはダレをシンジョによんでクレルの?」
外国訛りのある高く愛らしい声。
誰を寝所に呼んでくれるの?
ローレントにはそう聞こえた。
ロニ老人の咎める声が聞こえるが、ガーディアスは「さあ、どうだろうな」と笑うだけ。
ガーディアスが否定しない。別にガーディアスが誰となにをしようが、気にしない。いや、気にすることなどないと思っていた。
――だが、なんだか無償に腹が立った。
(誰が誰を寝所に呼ぶだって? 僕がここにいるのに?)
あの3階の部屋はローレントとガーディアスの寝室だ。それ以外の誰かが使うことなどありえない。妾を作ってもいいと許可は出している。だが、あの部屋は嫌だ。あれは自分とガーディアスの部屋だ。
先ほどまでの上機嫌は、どこかへ吹っ飛んだ。
ローレントの心はひどく苛立った。苛立ちすぎてフードの中の顔はカッカとほてり、今すぐにでもフードを取ってガーディアスに投げつけてやりたくなる。
今もキャッキャと楽しそうな声が、ガーディアスの向こうから聞こえてくる。それがあまりにも耳障りで、こんな席で酒を飲む気にもなれない。
(――いや、こんな些細なことで苛立つなんて僕らしくない。少し頭を冷やそう)
ローレントは、そっと後ろに下がり立ち上がった。
ガーディアスは女性たちと会話の真っ最中で、ラミネットは少し遠くにある皿の料理を取りに席を立っていた。サシも隣の者と会話をしていて、ローレントが立ち上がった事に誰も気がついていない。
ローレントは、この賑やかな宴の席からそっと離れた。
背後の賑やかな宴の気配が遠くなり、人々の声の代わりに虫や鳥の声に、篝火の明かりから月明かりが変わって足元を照らしだす。城近くまで歩くと、宴の騒々しさはもうかなり小さい。
ローレントはふうっと小さくため息を吐くと、被っていたフードを取り、やや汗ばんだ首筋を夜風に晒した。
夜だから気温はそんなに高くはないが、やはり酒が入ると暑い。異国の酒に強い蒸留酒が混ざっていたせいで体がほてり、その上フードを目深に被っていたから、余計に汗ばむのだ。
――そう。こんなに情緒が不安定なのは、強い酒が入ったせいだ。
ちょっとそのへんを散歩すれば、少しは酔いも覚めて冷静になれるだろう。もし戻ったときにガーディアスが怒ったとしても、酒に酔ってしまったから夜風に当たっていただけだと突っぱねたらいい。そもそも悪いのはガーディアスなのだし。
ローレントは心を落ち着けようと、ひとりで夜の庭を歩き出した。
だがローレントのこんな身勝手な行動が、ちょっとした事件を引き起こした。
それは歩き始めて数分のこと。
「あの~、すみません」
急に暗がりから声をかけられた。
一瞬ビクッと体が跳ねる。ローレントがすぐに振り返ると、木の陰から男がでてきた。
衛兵の制服ではない。そしてこの城ではみかけぬ、異国めいたやけに彫りの深い顔立ち。目のくぼみが深すぎるせいで、月明かりが目の周囲を闇に沈ませ、顔がはっきりと見えない。
おそらくキャラバンの者だろう。なぜこんなところにいて、わざわざ声をかけてきたのか。
ローレントが訝しげに睨むように見つめていると、男がゆっくりと近づいてきた。
「その、あなたはここの領主様のお連れの方ですよね。さきほどまでフードを被って、横に座っておられた……」
その問いかけに、ローレントは頷くこともなく、返事もしなかった。
男はこの国の言葉を流暢に喋っていたが、どことなく異国訛りがある。
ローレントがガーディアスの隣にいたことを知っているにもかかわらず、声をかけてきた。目的はなんなのか。
「ああ、これは警戒させっちまいましたかね。ちょっと人を探しておりまして。その……ローレント王子殿下にですね、ちょいとお渡ししたいものがありまして」
男はへりくだったようでそうではない、なんだか人を苛立たせる粗野な口調だ。
ローレントは不快感から、ギッと近寄ってくる男を睨みつける。だが男はそんなローレントの顔を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「あ、ああこれはこれは……。遠目でその豪華な金の髪を見てもしやと思いましたが、本物の宝石王子ですなぁ。なんと美しい……。会えば分かると言われていたが、これはまさしく……」
月明かりに照らされたローレントの顔を、男はうっとりと眺めた。そこで初めてローレントはフードを被り忘れていたことを思い出し、これ以上見せてやるものかとサッとフードを被り直した。
「ローレント殿下、あなたに王都のとある貴族様から書簡を預かっておるんです。それがこちらなんですがね」
胸元から封筒を取り出し、見せつけた。そしてローレントが許可をしてもいないのに、さらに男は、手が届くほど近くまで近寄ってくる。
「……もう一度お顔を拝見できないでしょうか? そうしたらこの書簡をお渡しするのですがねぇ。こうしてこっそり渡すなんて、人に知られたらまずいものなんじゃないです?」
ローレントはそれでも何も言わない。
「お顔さえ拝見できたら、オレぁそれで……」
無視されていることなど構いもせず、男は興奮したように鼻息荒く、ローレントのフードに手をかけた。
それは、キャラバン到着後の恒例行事となっている宴の明かりだった。
この宴はロニ老人の主催ではあるが、キャラバンとサルース城との共同開催で、城の料理人とキャラバンの料理担当が協力し、様々な料理を提供する。馴染の料理があれば、世界各国の料理が融合した多国籍料理など、多種多様な料理が振る舞われる。
料理だけではなく、歌や踊り、楽器の演奏などの催しが唐突に行われる様子は、さながら大道芸の興行だ。普段娯楽の少ない城の者らにとって、この宴もキャラバンが訪れた際の楽しみのひとつになっている。
そしてこの大規模な宴の上席には、この宴の主催である商隊長のロニ老人と主賓であるガーディアスが座っていた。
2人は酒を酌み交わし、和やかに談笑している。
そしてローレントといえば――。今回は留守番ではなく、ちゃんとガーディアスの隣に座っていた。しかしローレントは頭からすっぽりとフードを被り、黙って座っているだけ。辺境伯夫人としての紹介もされていない。
まるでまたローレントがないがしろにされているかのようにも見えるが、そうではない。ローレントも承知の上のことだ。
もちろんその理由は正体がバレないようにするためなのだが、そんなに心配なら参加させなければいいとのでは? と思うだろう。
しかし派手に宴をしているのにひとりだけ城で留守番をさせれば、気になってまたこっそり抜け出すかもしれない。それならいっそのこと、最初から参加させたほうがいいのではないか。ということで、条件つきでガーディアスが参加を許したのだ。
その条件とは、フードを取らないこと、ラミネットやサシ以外とは口をきかないこと。そして名前やガーディアスとの関係を聞かれても、絶対に答えないことの3つだ。
まあ正体不明の者が領主であるガーディアスのすぐ隣にいるのはいささか不自然ではあるものの、今のところチラチラ見てくる者はいても、実際に声をかけてくる者はほぼいない。なにかあればラミネットやサシが応対するし、意外とうまくやっている。
ローレント自身も、別に誰かと話などしなくても、このワイワイと賑やかな様子を見るだけでも十分楽しめた。
料理は、まずラミネットが大皿に盛られた料理を取って毒見し、問題がないと確認した後ローレントの皿へと移される。ラミネットはローレントの好みをしっかりと把握しているので、安心して任せられた。
たまにガーディアスが自分の皿にあるものを、ローレントの皿に載せてくる。それは肉料理ばかりな上、胸焼けがしそうなほどの量で、見かねたラミネットが新たに皿を用意し、さっぱりした料理を載せてくれる。
ローレントはそれを交互につまみながら、酒を飲む。酒もこのサルースのワインのほかにも珍しい酒が並び、隣で飲んでいるガーディアスが次々と飲み干しているのを横目で見ながら、ローレントもラミネットから注いで貰っていた。
サシもラミネットもとても楽しそうで、キャラバンの者たちとも自然と会話をし、笑い合っている。
こんなに大勢と賑やかに食事をするのは初めてのことで、ローレントの心は浮き立ち、いつまでもこの宴を眺めていた気分だった。
宴は盛り上がりを見せ、歌や踊り、楽器の演奏が次々と披露され、都度声援が飛ぶ。サルースの者も負けじと歌を披露し、大きな拍手が沸き起こり、王都でよく聴いた懐かしい曲にローレントも笑顔で拍手を送った。
その後、浅黒い肌の異国の女性たちが妖艶な衣装でダンスを踊り、男たちの声援や指笛が鳴り響く中、踊り終えたあとも舞いながらガーディアスの元へやってくるのが見えた。
どうやら酒を注ぎに来たらしい。接待役ということだ。まあこういう席ではよくあることだ。
ローレントは特に気になどしていなかったが、偶然聞こえた彼女らとガーディアスの会話に、酒を飲む手が止まった。
「リョウシュサマ。キョウはダレをシンジョによんでクレルの?」
外国訛りのある高く愛らしい声。
誰を寝所に呼んでくれるの?
ローレントにはそう聞こえた。
ロニ老人の咎める声が聞こえるが、ガーディアスは「さあ、どうだろうな」と笑うだけ。
ガーディアスが否定しない。別にガーディアスが誰となにをしようが、気にしない。いや、気にすることなどないと思っていた。
――だが、なんだか無償に腹が立った。
(誰が誰を寝所に呼ぶだって? 僕がここにいるのに?)
あの3階の部屋はローレントとガーディアスの寝室だ。それ以外の誰かが使うことなどありえない。妾を作ってもいいと許可は出している。だが、あの部屋は嫌だ。あれは自分とガーディアスの部屋だ。
先ほどまでの上機嫌は、どこかへ吹っ飛んだ。
ローレントの心はひどく苛立った。苛立ちすぎてフードの中の顔はカッカとほてり、今すぐにでもフードを取ってガーディアスに投げつけてやりたくなる。
今もキャッキャと楽しそうな声が、ガーディアスの向こうから聞こえてくる。それがあまりにも耳障りで、こんな席で酒を飲む気にもなれない。
(――いや、こんな些細なことで苛立つなんて僕らしくない。少し頭を冷やそう)
ローレントは、そっと後ろに下がり立ち上がった。
ガーディアスは女性たちと会話の真っ最中で、ラミネットは少し遠くにある皿の料理を取りに席を立っていた。サシも隣の者と会話をしていて、ローレントが立ち上がった事に誰も気がついていない。
ローレントは、この賑やかな宴の席からそっと離れた。
背後の賑やかな宴の気配が遠くなり、人々の声の代わりに虫や鳥の声に、篝火の明かりから月明かりが変わって足元を照らしだす。城近くまで歩くと、宴の騒々しさはもうかなり小さい。
ローレントはふうっと小さくため息を吐くと、被っていたフードを取り、やや汗ばんだ首筋を夜風に晒した。
夜だから気温はそんなに高くはないが、やはり酒が入ると暑い。異国の酒に強い蒸留酒が混ざっていたせいで体がほてり、その上フードを目深に被っていたから、余計に汗ばむのだ。
――そう。こんなに情緒が不安定なのは、強い酒が入ったせいだ。
ちょっとそのへんを散歩すれば、少しは酔いも覚めて冷静になれるだろう。もし戻ったときにガーディアスが怒ったとしても、酒に酔ってしまったから夜風に当たっていただけだと突っぱねたらいい。そもそも悪いのはガーディアスなのだし。
ローレントは心を落ち着けようと、ひとりで夜の庭を歩き出した。
だがローレントのこんな身勝手な行動が、ちょっとした事件を引き起こした。
それは歩き始めて数分のこと。
「あの~、すみません」
急に暗がりから声をかけられた。
一瞬ビクッと体が跳ねる。ローレントがすぐに振り返ると、木の陰から男がでてきた。
衛兵の制服ではない。そしてこの城ではみかけぬ、異国めいたやけに彫りの深い顔立ち。目のくぼみが深すぎるせいで、月明かりが目の周囲を闇に沈ませ、顔がはっきりと見えない。
おそらくキャラバンの者だろう。なぜこんなところにいて、わざわざ声をかけてきたのか。
ローレントが訝しげに睨むように見つめていると、男がゆっくりと近づいてきた。
「その、あなたはここの領主様のお連れの方ですよね。さきほどまでフードを被って、横に座っておられた……」
その問いかけに、ローレントは頷くこともなく、返事もしなかった。
男はこの国の言葉を流暢に喋っていたが、どことなく異国訛りがある。
ローレントがガーディアスの隣にいたことを知っているにもかかわらず、声をかけてきた。目的はなんなのか。
「ああ、これは警戒させっちまいましたかね。ちょっと人を探しておりまして。その……ローレント王子殿下にですね、ちょいとお渡ししたいものがありまして」
男はへりくだったようでそうではない、なんだか人を苛立たせる粗野な口調だ。
ローレントは不快感から、ギッと近寄ってくる男を睨みつける。だが男はそんなローレントの顔を見て、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「あ、ああこれはこれは……。遠目でその豪華な金の髪を見てもしやと思いましたが、本物の宝石王子ですなぁ。なんと美しい……。会えば分かると言われていたが、これはまさしく……」
月明かりに照らされたローレントの顔を、男はうっとりと眺めた。そこで初めてローレントはフードを被り忘れていたことを思い出し、これ以上見せてやるものかとサッとフードを被り直した。
「ローレント殿下、あなたに王都のとある貴族様から書簡を預かっておるんです。それがこちらなんですがね」
胸元から封筒を取り出し、見せつけた。そしてローレントが許可をしてもいないのに、さらに男は、手が届くほど近くまで近寄ってくる。
「……もう一度お顔を拝見できないでしょうか? そうしたらこの書簡をお渡しするのですがねぇ。こうしてこっそり渡すなんて、人に知られたらまずいものなんじゃないです?」
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