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休講の那由多
しおりを挟む大学内のカフェで京と桜は、講義の話をしている。
疑問に思っていた事を確認し合っていた。
「あれ?…………那由多?」
「どうしたの?」
「講義中じゃないのかな?………彼氏が入口に居る。」
「え?どれどれ?」
「那由多~!」
那由多も京に気が付き、一緒に居たのだろう、何人かの塊から外れてやって来た。
「京、講義無いのか?今。」
「うん、休憩してた。那由多は?講義じゃないの?」
「休講になったんだよ……だから、飯食いに連れと来たんだけど………初めまして、朝比奈 那由多です。京の友達?」
「あ、小堺 桜です。…………え?朝比奈、て苗字一緒なの?」
「うん、苗字一緒なんだ。」
「偶然?」
「………そう、偶然にね………あ、注文しなきゃ、じゃあな、京。」
「うん、また。」
「………朝比奈さん、めっちゃかっこいい彼氏ね。………てか、結婚してる、て事ないよね?」
「してないよ~。本当に苗字一緒なのは偶然だから。」
カフェのレジで注文して京と桜の隣のテーブルが空いていた為、再び那由多がやってきた。
勿論、一緒に入店した那由多の友人達も一緒だ。
「あ、朝比奈さんまたこっち来るみたいよ?」
「え?私?」
「違う、彼氏の方…………紛らわしいから、京、て呼ぶわこれから、いい?」
「うん、じゃ私も桜、て呼ぶ。」
講義の話をしては、脱線する京と桜に、近くに居る那由多がクスクスと笑う。
「那由多、何?今笑うとこ?」
「いや、よく脱線しながら、勉強の話出来るな、て。そういや、お前鈴ちゃん達ともそうだったなぁ、て思い出して……。」
真後ろで、那由多にクスクスと笑われている京を見ていた、那由多の友人達は、
「那由多の彼女か?可愛いじゃん。初めまして~、那由多やめて俺にしない?」
「いや、俺だって。」
「俺、那由多の彼女の友達がいい!」
「おいおい………。」
「彼女ちゃん、名前は?」
「いつから那由多と付き合ってんの?那由多全然他の子に靡かなかったんだよね、君が居たから?」
食事そっちのけに、京への質問攻撃の友人達。
その中で、女子は1人だけ。
大人びた綺麗な女性が那由多の横に居る。
「やめなさいよ、困ってる顔してるじゃない。」
「あ、いえ、ちょっとびっくりして……京です。」
「京は俺のだから手を出すなよ。」
「宜しく、佐原 智香よ。」
物腰は柔らかいが、冷たい視線を京に送る智香。
京は、女の勘が働く。
智香は那由多が好きだと。
「智、残念だったな、那由多の彼女がこんな可愛い子で。」
「あら、何で?良いじゃない、那由多の趣味悪くない、て証明になったし。可愛くない彼女なら、簡単に奪えちゃうもの、つまんないわ。」
「そう言って、この2年奪えなかったじゃないか。」
「彼女見てないのに、戦闘心沸かないわよ。…………という訳で、那由多に本気なの。那由多が私の事好きになっても、恨まないでね。」
「!!!」
「………おい、智……言ったろ?智に言い寄られても俺は靡かないぞ、て。」
「分かんないじゃない?人の心は虚ろなのよ。…………じゃ、私教授の所に質問したい事あるから、先に行くわね。ほら、那由多も疑問になったアレよ。行く?」
「………あぁ、じゃ後で教えてくれよ、俺まだ珈琲飲みたいし。」
「教えないわよ、そんな親切心あると思って?少しでもいい成績取りたいんだから、私。」
「…………ちっ………じゃ俺は後で聞きに行くわ…………て言いたいが………ごめん、俺も行く………じゃ、京、また後でな。」
「………うん。」
「じゃ~ね~。」
勝ち誇ったような顔をした智香に、京は苛立つ。
「な、何あの人!」
桜が代わりにキレた。
那由多の友達はいつも見ている光景らしく、
「智はああいう子なんだよ。那由多に近づく女の子には特に。」
「彼女じゃないのにですか?」
「ま、そうなんだよねぇ……那由多にべったりだから、他の子達は那由多に寄り付かなくなったから、1人を我慢すりゃ、いっか、て那由多も許してんだよ。だから、那由多の彼女が智だって思ってる子も居るぐらい。」
「京!!負けるなよ!あんな女に!」
「負けないよ……だって、那由多の心に居るのは私だもん、ずっと。」
その京の断言に興味を持った男が居た。
那由多の友人、康太。
「那由多も男だからなぁ………。浮気してるかもよ?」
「してないかもしれないので。もし知ってても言わないで下さい。」
「………京、そろそろ移動しよ、講義あるし。」
「………うん………失礼します。」
康太のその一言は、深く京の心に刺さった。
那由多が上京した2年の間は詳しく知らない京。
だからこそ、聞きたくないのだった。
桜が、一声掛けなければ京は康太に食って掛かっていたかもしれなかった。
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