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妨害
しおりを挟む大学で康太や智香からの妨害が始まった那由多と京。
康太は何かと京に会いに来たり、デートに誘うようになった。
智香も那由多にべったりで、ゼミが一緒でなければ、那由多も智香を相手にする事もないのだが、それが出来ない為に我慢をしていた。
「那由多、今日飲みに行かない?もう今日講義無いし明日休みだから。」
「………バイトあるんだよ。カテキョが入ってる。智香は今日バイト入れてないのか?」
「今日は無いのよ。終わってから会いましょうよ。」
「2人じゃないならな。」
「あら、いいじゃない2人でも。」
「………康太!理!今日飲みに行かないか?」
「行く~!」
「俺も~!」
「……………分かったわよ。」
なかなか2人で居られない智香の苛立ちは目に見えて分かる程。
那由多に声を掛けたい女子からは失笑がする。
智香はその彼女達を睨むが、彼女達は諦めない。
「あぁ、怖い怖い。」
「行こ行こ。」
余程、智香は女子に好かれないのだろう。
彼女達は関わりたくないからか、早々に教室から出て行った。
那由多も智香が女友達を作らない事に心配ではあった。
那由多は自分にべったりの智香へのうざったい気持ちもピークではあったのだ。
友達でも出来れば、少しは離れるだろうに、と。
だが、その友達は京ではない。
京は智香の事を気に入らない様子だし、智香も京に冷たい態度だ。
那由多が京と大学内で顔を合わせ話ていても、京の存在を無視する程だ。
少し智香の隙を縫って離れはしても、すかさず智香は聞いてくる、「何処行くの?」と。
「………講義前にトイレ行ってくるかな。」
那由多はそう言って逃げるしかない。
「いってらっしゃい。」
「………?」
智香は那由多を珍しく見送る。
那由多は不思議に感じつつも、一人になれる事のが大事だった為、敢えて聞かずに教室を後にした。
智香は、那由多が出て行ったのを確認すると、京に興味のある康太に話掛けた。
「康太…………ちょっと。」
「何だ?智。」
「………………………………。」
「え!!」
「………………………………。」
「…………任せろ。」
「頼むわね。お互いの目的の為に。」
「面白そうだな。」
不敵な笑みをする智香と康太。
これから何をするのか、何を企んでいるのか、それを知るのはその日の夜だけだった。
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