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エピローグ
しおりを挟む亜里沙がその花束を見るとメッセージと花束の中に小さな箱。
メッセージは『OPEN』と一言のみ。
「…………開けろ、て何コレ……」
亜里沙にプレゼント、とスタッフから声が掛かった為、皆が亜里沙に注目していた。
「何だ?俺花束なんて用意してねぇぞ?」
「航」
「うわっ!びっくりするじゃねぇか!律也」
航の腕を引いた律也は、亜里沙から少し離れたプールサイドに連れて行くと、二言だけ声を掛けた。
「跪いてろ」
「は?」
「いいから…………ここで!」
「うわっ!」
肩を押さえつけられ、航は跪いてしまい、立とうとすると、裕司や彬良も参加しに駆け寄る。
「なるほど」
「律也、上手い事考えやがったな」
亜里沙は、『開けろ』というメッセージの元、箱を開けて固まっていた。
「っ!………わ、航!?…………あ、あれ?また何処に………」
羽美と優馬と居た筈なのに、居ない航。すると羽美と優馬は航が居る場所を指を差す。
亜里沙が目を追うと、航が大の大人3人に抑え込まれて藻掻いていた。
「…………航……これ…………何?」
「………これ?…………なっ!何でそこにあるんだ!」
「ほれ、航」
「跪け」
「ほら、一言言え」
「てめぇ等!またやりやがったな!」
「コレは俺は知らん」
「俺も」
裕司と彬良は本当に知らない。
「重い腰を持つ義兄の世話は大変だ………」
「律也!」
「航、亜里沙さんが待ってる」
「っ!」
花束と小箱、小さなメモが広げられて亜里沙は持っている。
「これ………書かれてるの本当?」
「っ!…………ほ、本当………」
「航、その小さな紙に何書いてんだ?」
「亜里沙ちゃん!読んで!」
「え!」
「よ、読むな!亜里沙!」
「航、覚えてるんじゃないか?何度もイメージトレーニングしてそうだったけど」
「くっ!」
「航、聞かせろ!跪いてな!」
「は、離せ!てめぇ等!」
距離を保ち、亜里沙は立ち止まっている。
漸く、航を取り押さえていた力が弱まり、航は亜里沙の足元に観念したかの様に跪いた。
「…………航……」
「…………亜里沙………あぁ……その…………み、見合いから、俺の生活は……亜里沙中心になってた……大切で………これからも大切にしたいから……俺と結婚………して下さい…………お願いします!」
聞いていた者達は固唾を飲んで見守っている。
亜里沙の答えは分かっているが、この瞬間を分かち合いたいのだろう。
「…………航……」
「っ!」
亜里沙から手が伸ばされると、航は亜里沙の手を掴んだ。
「…………勿論よ!………宜しくお願いします!」
「亜里沙!」
「航!」
「!」
亜里沙が立ち上がる航の胸に飛び込む。
だが、ここはプールサイド。水で濡れて滑りやすい。誰がこの瞬間を予想しただろうか。
抱き締め合い、キスの1つぐらい見られると思っていたが、亜里沙が航に抱き着こうとした時、航は亜里沙を抱き締め様とした時、亜里沙が足を滑らせ、航とプールに落ちた。
「亜里沙ちゃん!」
「航!」
花束が崩れ、亜里沙が掛けていた眼鏡、小箱に入っていた指輪やメモ等、プールに沈む物、浮かぶ物が散乱した。
「ぷはっ!」
「…………亜里沙!加減しろ!」
「…………だって!嬉しくて………ごめんなさい!プール汚しちゃった!」
「てか、指輪!」
「あっ!ど、何処に………」
「てめぇ等も探すの手伝え!」
結局、この後指輪や眼鏡等、探す事になり、蒸し暑い夜に水遊びしながら見つけたのだった。
˖*꒰ .. 𝐻𝒶𝓅𝓅𝓎 𝐸𝓃𝒹.. ꒱*˖
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