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テラスで情事♡
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しおりを挟む「………アリエス……今迄ごめん……」
「……っ………ロティ様……」
抱き締められたアリエスはロティシュの背中に腕を回した。ただ抱き締め合うだけの気持ちを確かめる事は、アリエスが求めていた事で、ロティシュも気持ちが伝わり離したくない、と迄想い込めてアリエスを抱き締めた。
暫くは、その包容だけだったのだが、アリエスの腰辺りに、硬くなっていくモノの気配を感じた。
「………ロティ……様……あ、あの……そろそろ……お放し下さい……」
「………わ、分かるだろ?……当たってるの……数日触れてないから昂ってるんだ……」
「お戻りになりませんと……あの……」
「分かってる!……だが、もう1つ確認したい!………俺の妃になるんだよな?」
「っ!………わ、私では反対意見が出てしまいます!」
告白され、告白したのだ。しかも相手はモルディア皇国の皇太子と、その国の公爵令嬢。相手には申し分ないのだ。しかし、アリエスには『中途半端令嬢』のレッテルが貼られ、それによりアリエスは踏み込めない。
「それが如何した!俺はアリエス以外の女は要らない!……俺が守るから!」
「ロティ様………」
「信じて俺についてきてくれ、アリエス」
今迄にない眼差しに、ロティシュなりの覚悟を決めたのかもしれない。それでも頷く事が出来ないアリエスは勇気が出ていない様だった。
「……アリエス……少し抱き締めただけで、俺のがこんなになるのは、俺がアリエスに夢中だからだ………ずっと……抱けなかった時も、アリエスに触れたかった……アリエスは俺程、俺を欲しいとは思ってないだろうが………」
ロティシュはアリエスの手を握り、服の上から、ロティシュ自身の足の付け根に当てさせた。
「ち、違います!……私は………ロティシュ様に抱かれて嬉しかったんですから!………気持ちの行き場が分からず泣きじゃくっただけで………あ……あの………わ、私だって……ロティ様が………」
目を潤ませ、顔を赤らめたアリエスをロティシュは見つめた。その顔が、房事中のアリエスの顔を想像させる。
「アリエス……キス………したい……」
「………わ、私も……」
ロティシュは今迄の様に、無理矢理な行動を控えてきていた。もう、同意ではない行為の虚しさを知ったからだろう。
アリエスの頬を擦り、ロティシュは顔を近付け、アリエスにキスを落とす。軽いキスだったが、それが何故か照れた。2回程の軽いキスの後、ロティシュは再びアリエスを抱き締めて耳元で囁く。
「………ごめん……破裂しそうだ……1回だけでいい………今抱かせてくれないか……」
「っ!……此処、テラスですよ!?」
「………頼む……辛い……」
「…………い、1回だけなら……」
アリエスだとて、目の前の好きな相手が自分を欲しがっている事は嬉しいし、今迄の強引さが無くなっていた事に、譲歩してしまう。命令されていないだけでも、アリエスは凄く嬉しかった。
そのアリエスの返事に我慢の限界だったのか、ロティシュはその直後にアリエスのドレスの裾を上げる。
「アリエス、持って」
「っ!……は、はい……」
裾はアリエスに握らせ、ロティシュは腰を屈み、アリエスの足の間に顔を埋めた。
「はっ……アリエス……期待してたか?」
「っ!………い、言わないで下さいっ……」
「………甘い……」
「っん!」
湿っていた下着をずらし、ロティシュの舌先は尖らせ、秘唇を広げるとアリエスの下の口にキスを仕掛けた。吸われる蜜に、熱い舌がアリエスの蜜壁を這う。
「んんっ……はっ……」
「声は控えろよ?アリエス……」
ロティシュはアリエスを味わいながら、杭を曝け出し、準備は出来ていた。
「いいか?」
「っ!……は……い……」
ロティシュにアリエスは片足を持ち上げられ、ゆっくりと挿入る。ねっとりとヌルヌルした熱い壺は、ロティシュを更に熱くさせた。
「んんっ!」
「アリエスっ!」
「………ロ……ティ……さ……ま……好き………ですっ……」
「くっ!………煽るな!1回じゃ済まなくなる!」
律動を激しくされ、じゅぶじゅぶと密かに鳴るのを聞きながら、室内ではワルツの曲が大音量で聴こえ、喘ぎ声も殺してくれながら、ロティシュはアリエスを貪った。
「んあっっっ」
「アリエスっ!………俺の妃になってくれるよな?」
「………わ、私に……出来るか……」
「『はい』と………言って欲し……アリエス以外………欲しくな………いっ!」
ロティシュは如何しても、皇太子妃にさせたいのだろう。好きな女はアリエスただ1人なのだ。他の女を妃にさせたくはない、とアリエスに分かって欲しかった。
「じ………自信……な……い………です……」
「………っ!……な………なら……俺が……皇太子を……辞せば……いいか?」
「!………そ、そんな事望んでません!ロティ様が皇帝に!ザナンザ様がジェルバ領を統治するのは決まっている事です!」
幼き日から決められたレールがあるロティシュ。ルカスの後を継ぐ事は、ロティシュの目指した場所だった。尊敬している偉大な父親に負けない様に、勉強は嫌いだったが憧れる父親に近付く為に、少年期を過ぎた頃から、寡黙に勉強をしてきた事をアリエスは知っている。喘ぐのを我慢し、それだけはロティシュに伝えなければ、と声を張り上げたアリエス。
「…………なら……俺の隣に居る皇太子妃はお前じゃなくていいのか?」
律動を止め、ロティシュは真面目にアリエスを見据える。真剣に答えたアリエスに対し、真剣にロティシュは問いた。
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