誰が叔父様の側室になんてなるもんか!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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ダンス【講師タイタス&コリン】

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 アリシアにとって、小言を言う護衛のロバートと勉強の為の移動は、苦痛になるだろうと、ラメイラが付き添ってくれるようになり、心が休まるようになっていた。
 この日も勉強があり、皇子宮に行く事になっていた。

「タイタス殿下とお姉様でダンスなのですねぇ……わたくしは誰とでしょう?」
「ロバートとだったりして。」

 嫌がるだろうと、揶揄い半分でラメイラから言われたアリシア。

「絶対に嫌です!!」

 当然の事を答える。

「そんなに嫌いなのか?」
「嫌ですよ……あんな小姑。」
「よくそんな言葉知ってるな、アリシア。」
「ロバートは小姑、と侍女が言ってましたから。」
「なるほど。」

 アリシアとラメイラの後から黙って付いて来るロバートは、この会話をどう思っているのか………。
 皇子宮に入ると、サロンにそのまま向かう。
 
 カチャ。

「アリシア~!」
「コリンお兄様!」
「お、来たな。」

 サロンに入るとタイタスとコリンが待っていた。

「タイタス、ナターシャが居ないのに、ピアノは誰が弾くんだ?コリン?」

 臨月が近いナターシャの代わりが誰がするのか分からなかったラメイラが、皇子達に聞いた。

「コリンはアリシア王女の相手をするから、ピアノは……。」

 カチャ。

 サロンのドアが再び開くと、楽譜を持って入ってくるトーマス。

「揃ったな?」
「トーマスが弾くのか?」
「タイタスもコリンもピアノが弾けないからな。」

 ラメイラはタイタスと、アリシアはコリンとダンスレッスンを始める事になった。
 トーマスは淡々とピアノを奏で、時々ダンスの様子を見ては不機嫌になっているようだった。
 1曲が終わると、ラメイラはタイタスから指南を受ける。

「さっきターンがワンテンポ遅れたのと、ステップがズレてる。音をよく聞け、て言ってるだろ?」
「またズレたのかぁ……。難しいんだよダンス。」

 アリシアが見るタイタスとラメイラは息が合わない。

(ラメイラお姉様、ダンスも苦手なのね。)
「ラメイラ、トリスタンには剣舞あったろ?」
「うん、ある。」
(剣舞、て何かしら……。)
「剣舞は出来るのか?」
「まぁ、出来るけど?それが何?」
「剣舞は音で踊るだろ?」
「うん。」
「動きは違うが、ダンスも剣舞と一緒だ。ステップのタイミングが一歩目さえ合えば、身体が覚える筈。」
「………あ、そっか……次のステップ考えちゃうから遅れるのか……。」

 ラメイラはその事に気が付いてなかったようで、苦手意識の方が強く考えていなかっただけだった。
 トーマスもアリシアとコリンに注意点を言ってくれる。
 

「さぁ、続けるぞ。」

.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬

「お、上手くなったじゃん、ラメイラ。」
「い、今話掛けるな!」
「痛っ!!」
「ほら!!ミスしたじゃないか!馬鹿!」
「褒めたのに、馬鹿って言うな!じゃじゃ馬!!」
「煩い!!やれ!!」

 ダンス中だろうが喧嘩を始めたのがおかしくて、アリシアはダンスどころではない。
 喧嘩に発展するのをトーマスが止める。
 それを見ているアリシアとコリンは笑いが止まらなかった。


(ラメイラお姉様、タイタス殿下が好き、と言ってらっしゃったのに、あんなのでは上手くいかないわね。)
「あぁ疲れた……褒めてやったのに。」
「踏んだのは悪かったよ………でも話掛けられたら分かんなくなるんだもん!」
「タイタスも、話出来るタイミングじゃないぐらい分かれよ。ラメイラはまだ上手い訳ではないんだからな。」
「んな事言ったって、ダンス中話したりするじゃん。」
「それは、お前がマスターしてるからだ!」
「そんなものか?」
「本当にお前は………。」

 トーマスから溜息が漏れる。

「天才肌なのは素晴らしいが、教えるのが全く上達しないんだから……。」
「ナターシャも言ってたな。」
「皆して………これでも試行錯誤してんだからな……。」
「分かってるよ、お前が頑張ってるのは。」

 トーマスがタイタスの頭を撫でる。

「ちょっ!兄上!」

 トーマスとタイタスを見つめるラメイラが、吹っ切れたような顔をしていたのをアリシアは見逃さなかった。
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