誰が叔父様の側室になんてなるもんか!【完結】

Lynx🐈‍⬛

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ひと悶着が起きそうな結婚式

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 トーマスとラメイラの結婚式当日。
 アリシアはアニースと一緒に行こうと、誘った。
 アードラの紋章を胸に付け着飾ったアリシアをアニースは見つめる。
 アリシアはレングストンの盛装を着るアニースに似合っている、と言いたかったが、アニースの方から話が掛かった為、言いそびれてしまった。

「アリシアはアードラ代表として参加するのだな。」
「はい、アードラからは使者が来ないそうなので。お父様が病に伏せっていますし、宰相である叔父様が来る可能性がありましたが、とお父様の事を理由に祝辞のお品だけ贈られたそうです。」

 アリシアは父アドラードの事が心配で、アードラの話をすると、表情が暗くなってしまう。
 そんなアリシアに優しい声をアニースは掛けた。

「そうか、今日は祝いだ。アードラの事は心配だろうが、今日はラメイラを祝ってやろう。元気で明るいアリシアを見せてあげな。」
「はい。勿論!ラメイラお姉様、綺麗なんだろうなぁ。」
「ラメイラは美人だしな。私も見たい。」

 馬車は大聖堂に到着し、大勢の貴族が参列している。
 レングストンの公爵家からはじまり、貴族達は警備兵の案内で並んでいく。
 来賓の各国の使者達らしい者も居る。
 アリシアはその中に案内され、アニースはラメイラの友人という立場でアリシアの後ろに案内された。
 ざわざわとした大聖堂ではあったが、より一層ザワ付く一行が大聖堂に入って来た。
 見るからにボルゾイの衣装の男2人。

「つっ…………ア、アラム………。」

 アリシアの後でアニースの声が聞こえた。
 アリシアはアニースを見ると顔を見られない様に顔を反らしていた。
 そして、その後ろからボルゾイの1人の女。
 妖艶な衣装を着るその女は、男に挟まれながら歩いて来る。

「皇太子殿下はどちらかしら?ご挨拶したいわ。」
「ヘルン、後程話す機会もあろう、とにかくお前は大人しくしてるんだ。」
「あら、何故?レングストンに嫁ぐ為なら何でもするわ。」

 小声で話してはいるが、聞こえたアリシア。
 恐らく、アリシアの近くに参列した者達には聞こえている。
 レングストンの貴族の参列場所ではないだけマシだった。

「母上の正式な書簡がある。レングストン皇帝も無下にはしない筈だ。あれだけ反対した父上の御代ももう終わる。そうしたらお前がやりたいだけやればいい。」
「ジャミーラや妹達来ないようにしてよ?私が皇太子妃になったら、ジャミーラは離縁してまで来そうだもの。」
「まだ皇太子妃の座を狙うのか?あれだけ愛妻家だと噂がある皇太子なんだぞ?」
「当然でしょ。私の魅力に気付けば、私が皇太子妃になれるわよ。」
「第三皇子もなかなかの美形だぞ?」
「嫌よ、皇太子妃になって、皇妃になりたいんだから私は。」

 ヘルンは、リュカリオンとナターシャの間に割って入る気なのだろうか。
 アリシアはリュカリオンもナターシャもよく知る為、この言葉が許せなかった。
 既に前に居るナターシャに知らせたい。
 そう思ったら、いても立ってもいられなかった。
 しかし、結婚式が始まってしまう。
 今ここでどうする事も出来ない。

「それにしても凄いわね、レングストン。嫁げば豪遊出来るわ。」
「黙りなさいよ、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ…………厳かな教会で下賤な言葉並べて……。」

 つい、アリシアは突っ込んでしまった。
 ヘルンが振り向く。
 キョロキョロはしているが、誰が話をしたか分からないらしい。

「誰よ!今言ったの!!」
「おい、ヘルン止めろ。」
「お兄様、今明らかに私は馬鹿にされたのよ!」
「お前が言われる事を言うからだ。」
「当たり前の事を言ったまでだわ!」
「失礼、式が始まりますからお静かにお願い致します。」

 エスカレートしそうであった為、衛兵がヘルンに声を掛けた止めさせた。
 アリシアはホッとする。
 アリシアが前を見ると、ウィンストン公爵とセシルがボルゾイの者達を見ていた。
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