私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛

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再会

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「皇帝陛下、皇妃陛下、皇太子リュカリオン殿下、第二皇子トーマス殿下、第三皇子タイタス殿下、第四皇子コリン殿下、おなり~!」

 来賓が大半数になり、王族一家が会場に入ってくる。
 華やかで美しいご家族に、貴族達は歓声をあげる。
 正装の姿の皇子達を見たナターシャは、胸が踊った。

「素敵……。」
「ナターシャ?」
「!!何でもありません!」

 リュカは、会場を見渡して入ってくる。
 誰かを探しているようで、ナターシャの居る方に向くと、見渡すのを止め、ナターシャを見つめた。

「!!」

 暫く見つめ合ってしまい、目線を反らせないナターシャ。

「あれ、リュカ殿下こっち見てるぞ?」
「こっち、というかナターシャしか見ていないが……あ、トーマス殿下とタイタス殿下、コリン殿下もこっちを見だした。」
「キャーキャー!!殿下方が私を見てらっしゃるわ!!」
「私よ!目が合ったわ!!」

 ナターシャの周りにいる令嬢達は大騒ぎだ。
 セシルは、ナターシャの腕を引っ張り、その場を離れた。
 ナターシャを、あの勘違い令嬢達と一緒には出来ない。
 カイルも一緒にその場を離れる。

「え?お兄様?」
「あの勘違い令嬢達とナターシャは別だ!」
「あぁ、ナターシャはあんな下品な女ではない!」

 人混みの中に紛れ、一息付くと、王からの挨拶が始まった。

「今宵、多くの重鎮が集まってくれた。礼を申す。今夜は、我々王族にとって特別な日になるであろう。それも皆が支えてくれている事を感謝する!今宵は楽しんでくれたまえ!乾杯!!」
「乾杯!!」

 皇帝の挨拶が終わると、音楽が流れ、皆は散り散りになり、酒や食事、ダンスを楽しみ始める。
 レングストンの国では、女性から男性に誘う事を好ましく思っておらず、セシルやカイルを遠巻きに女性達が視線を送っていた。
 しかし、セシルもカイルも、ナターシャが誘われないように、近づこうとする男性に睨みを効かせていた。

「ナターシャ~~~!!」
「きゃ!!」

 犬の様に掛けて来る、可愛らしい……もとい、正装に着飾ったコリンがやってくる。

「コリン殿下!!」

 末皇子、という立場から、来賓と挨拶を交わす事はあまりないのか、取り巻きもなく近寄って来る。
 セシルもカイルも相手がコリンなので牽制は出来ない。

「コリン殿下、ご機嫌麗しゅうございます。」

 ナターシャはドレスを摘み、頭を下げ一礼する。

「ナターシャ、めちゃくちゃ綺麗!!」
「ありがとうございます、殿下。」

 ナターシャの周りに居た貴族達は、何故知り合いなのか、と怪訝そうに見つめている。

「殿下、陛下のお側を離れて大丈夫なのですか?リュカ殿下が睨んでおりますよ?」
「大丈夫大丈夫!リュカ兄上のヤキモチだから。」
「コリン殿下………トーマス殿下とタイタス殿下も睨んでらっしゃいますが……。」

 セシルが困ったような顔をしている。

「陛下なんて、苦笑いしてるぜ。」

 カイルは笑っていた。

「いいのいいの!ナターシャ、僕と踊って?」

 コリンに手を差し出され、ナターシャは兄達を見るが、

「行っておいで。」
「後で怒られてもしりませんよ、殿下。」
「早い者勝ちだから気にしない。」
「殿下、わたくしで宜しければ。」
「やった!!」

 コリンは、兄皇子達にピースサインをし、ナターシャを広間中央に連れて行った。
 皇子が踊る為、踊っていた者達は踊るのを辞め、場所を開ける。

「………え……。」
「王族が踊ると皆引くんだよ、何かマナーみたいに。」
「………は、恥ずかしいのですが……。」
「リュカ兄上程じゃないけど、僕も満更でもないと思うよ?」

 コリンは合図を楽団に送り、曲が始まった。
 そうなると踊るしかない。
 ナターシャはコリンのリードで踊る。

(コリン殿下もお上手だわ。)

 だが、どうしても視線が痛いナターシャ。
 王座の方に険しい表情をしている皇子達。

「ありゃ、相当キレてるな。」
「リュカ殿下だろ?」

 カイルも険しい表情をしているリュカやトーマス、タイタスを見ている。

「トーマス殿下もタイタス殿下も顔が怖ぇよ。」
「ポーカーフェイスお得意な方なんだがな……。」

 セシルは溜息を付くしかなかった。
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