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エピローグ
しおりを挟む2年後の龍崎家。
「送って行こうか?」
「大丈夫、貴方は夜斗の事お願い」
駐車場から、息子の夜斗を抱く桜也と会話する櫻子。結婚してから半年後、妊娠し息子を産んだ。マンションに住んでいたのを引き払い、息子が産まれてから龍崎家、祖父の家に引っ越したのだ。今は龍虎会の組員は居ない。2年前、櫻子と結婚を期に桜也は、龍虎会を指定暴力団から龍虎会を排除させた。事実上、解散だった。幹部達からは反対も多かったが、それぞれの会社を任せ桜也は弁護士として、個人事務所を立ち上げ、暴力団の被害者支援を主に仕事を始めた。龍虎会の顧問弁護士でもあった桜也は、その界隈では名が知れ渡ってはいる為、桜也を慕う部下達の為に、個人SP派遣会社を作り、坂本を社長に据え置き、ほぼ龍虎会の組員達はその会社の社員として働かせている。
櫻子もそんな桜也の仕事振りで、生活には困ってはいないが、保育士をしたくて再就職先を探し始め、この日面接に行く。
「気を付けてな、櫻」
「行ってきます」
「さて、夜斗何して遊ぶ?」
♤♤♤♤♤
「園長、お久しぶりです」
「櫻子先生……じゃあないわね、まだ………結婚されたのね~、私達からもお祝いしたかったわ」
面接に来たのは、櫻子が以前働いていた保育園だ。
「すいません、休暇してから体調も良くならず、ご挨拶も出来ずに退職してしまって……」
「………大丈夫ですよ、弁護士さんが対処してくれて……だけどご事情聞いた時はびっくりで…………」
「あの時は本当に園にも保護者様へも迷惑を………」
面接というより、謝罪になってしまう。
「こちらは櫻子先生に来て貰えるのは助かるけど、いいの?正直反感持っていらっしゃった保護者様もまだご兄弟でお世話している園児もみえるから……忘れておられたらいいのだけど、思い出す事もあると思うのよ」
「構いません……私は隠すつもりはありませんから………ただ、それによって無かった事をあったかのように話されるのは嫌なので、誤解があれば話ていこうか、と………」
「そう…………では、来春から頼めるかしら?」
「はい!宜しくお願いします!」
こうして、櫻子は職場復帰を果たすのだった。
------------- END -------------
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