何故、私は愛人と住まわねばならないのでしょうか【おまけ】

Lynx🐈‍⬛

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 その後も、レイラ達は交渉を試みるが、言葉の隔たりもあるのと、レイラしか筆談で交渉を続けるのは、やはり疲れが出て来た。

「俺達も帰ろう。腹も減ったしな………邸に寄らず此処に来た事は伝えてあるが、心配している筈だ」
「そうですね………また明日にでも続けてみます」
「1人では来させないからな!」
「分かってます………必ず誰かと……」
「いや、俺とじゃなきゃ来させない」
「…………私、そんなに信用ありませんか?」
「こんな男臭い場所に、君が来る事自体嫌なんだ」
「ふふふ………分かりました」

 このやり取りを見ていた海賊の青年。
 レイラと主に筆談でやり取りしていた青年だ。

【おい!お前!そこの女!】
「領主様、あの男が呼んでいる様です」
「…………何でしょう……明日も来る、と伝えたと……」

 顔を見せない様に、アーロンが盾になってはいたが、声は変えて会話はしていなかったので、青年は気になったのかもしれない。
 顔も知らずに口説いたぐらいだからだ。

【何かありましたか?】
【顔が見たい!そんな男と別れて俺の女にならないか?】
「…………却下だ!」
「あ………」

 訳して、アーロンに伝えると、青年が書いた紙をアーロンはビリビリに破いた。

「やっぱり、俺が絶対に付き添う、分かったな?」
「分かりました」

 要所要所で、また口説きに掛かりそうなので、アーロンは良いボディガードとなるだろう。

「帰るぞ」
「はい」
【ちぇっ……】
【おい、フェイ!お前あの女に惚れたのか?】
【見てみてぇ……発音は分からないみたいだが、言葉も通じるんだぜ?しかも、夫が王族だってんだから、それなりの身分だろうしよ。奪って俺等のの王妃てのもよくねぇか?】
【誰が王になるんだよ!】
【俺に決まってんだろ!】
【捕まってる奴に王なんてなれねぇよ!】
【違いねぇ!】

 本当にこの海賊達は、アジトに国を作るのだろうか。


     ♡  ♡  ♡  ♡


 ロヴァニエ子爵邸に帰宅したレイラとアーロン。
 領主邸への被害は無かったものの、海賊の被害の処理に、執事のゲイリーが叔父のジュドーからの助言を受けながら、今迄の対策や対処、処理等を説明されて、忙しくしていた。

「爺やも来てくれていたのね」
「レイラお………ご主人様、今回は大変そうでしたので、お手伝いに参りました」
「お父様達は大丈夫?」
「はい、旧邸には人を送っております」

 レイラは両親とは付かず離れずを貫き通していて、領地の仕事や商売もさせてはいない。
 こういう時でも、手伝って欲しいとも思えない程、レイラの父親は愚者だった。

「旦那様やレイラ様は今日はお疲れでしょう。もう今日は寛がれて下さいな………お食事もご準備してございます」
「ありがとう、マリア」
「マリアの好意に甘えようか」
「はい」

 確かに、レイラは頭を使い過ぎて、少し疲れが見えていた。
 だからだろうか、夕食を取るとうとうとと、眠そうな顔をしてしまった。

「レイラ………涎垂れてるぞ」
「…………えっ!」
「プッ………冗談だ」
「ひ、酷いです……アーロン様」
「はははっ……食事をしたら、早く休もう」
「…………はい」

 しかし、アーロンの早く休もう、という言葉は、早く寝る、ではない。
 これは、アーロンがレイラに送る合図だ。
 食事も済まし、レイラとアーロンは3日半の馬車移動で風呂には入っていない。
 なので、お互いに別に入り、今は寝室にあるテラスに出て、火照った身体を湯冷めさせている。

「気持ち良い、海風ですね」
「そうだな………本当に良い場所だ」
「私、このテラスから眺める景色、大好きです」
「それは良かった………実はこの場所だけ、あの愚者達の決めた間取りを変えなかった」
「そうなんですか?」

 レイラは海が眺められて、尚且つ遠い島々も見える景色が好きになった。
 この真下は、執務室になっているが、執務室より上階の方が眺めが良い。
 これを、レイラの元夫、カエアンが望んだとなれば、珍しく良い仕事をした、と思える。
 もう会う事は無いが、心の中では感謝したレイラ。

「それならば、カエアン様にしては良い仕事しましたね」
「……………レイラ……俺の前で、俺以外の男の名を呼ぶとは許せんな……」
「仕方ないではないですか、どう言えば良いんです?」
「愚者……で良い」
「愚者は私の周りにまだ居ますから………」
「確かにな……」

 星も綺麗に見え、レイラは夜空を見上げる。
 レイラは天文学知識は知らないが、遠く離れた星には何があるんだろう、と見つめていた。
 それが、アーロンの欲に火を付ける事になろうとも知らず。

「レイラ…………感心しないな……」
「え?」
「夜空を見て、恋しむ様な目をしている………そんな目を見せるのは俺だけにしろ………」
「………っ!」

 顔をアーロンの方に向けさせられ、レイラは唇を奪われ舌を奪われた。

 ---ふ、深………こ、これ………本気の………立っていられなくなる………のに……

 唾液が混ざるキスは、如何しても小柄なレイラに溜まる。
 苦しくなっても止む事のないキスになる絡め方は、アーロンにしがみついて自分を支えるしかない。
 アーロンも腰砕けになるレイラが分かるから支えてはいるが、立っていられなくなるキスを此処で止める必要があった。
 
「…………良い顔だ………可愛いな……俺を見つめる目、高揚した表情………もっと可愛がってやらないと………」
「っあ………アーロン………様っ………此処は……外で……」

 テラスの縁にレイラの手を置かせたアーロンは、ナイトドレスの上から、胸を揉み始めたのだった。
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