情事の風景

Lynx🐈‍⬛

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賭けと選択 ①


 女はバーで誕生日だった彼氏を祝おうと、待ち合わせして待っていた。
 持ち込みで、ケーキまで買ってきて、プレゼントも奮発したのに、待ち合わせ時間を過ぎても来ない彼氏。
 そして、待ち合わせ時間から1時間、2時間と過ぎていき、やっと連絡があったと思えば、『別れる』のメールで一言。
 こんな、裏切りはないだろう、と女はケーキを掻き込み、酒を浴びる様に飲んだ。

「お姉さん、何だか悲しそうだねぇ」
「一緒に飲んであげようか?」

 女の横に挟む様に座った若い男2人。

「寂しそうに見える訳?」

 女は寂しかった。
 付き合って3年、女も結婚適齢期のアラサーだ。
 彼氏が最後の男だと信じた。
 だが、彼氏は浮気をしている気配もあり、見て見ぬ振りをし、女は理解している振りをした。
 レス気味であったのも分かっていたが、彼氏を結婚相手と見ていたし、去年迄その話も出ていたので信じたのだ。

「すげぇ、寂しそう」
「慰めてあげよっか」
「酒の相手してくれる?」
「するする~」
「勿論」

 癒しタイプの男と、クールそうな男に挟まれ、女は彼氏の愚痴を溢していく。
 どんなに愚痴を言っても、黙って聞いてくれて、背中や頭を撫でてくれた。
 例え、この若い男2人が下心あっても、女は良かった。
 投げやりで、飲み潰れても良かったのだ。

「お姉さ~ん、そろそろ帰らなくて良いの?」
「終電無くなるよ、お姉さん」
「まだ…………飲み足りな~い!」
「じゃぁ、俺ん家来る?此処から近いんだよね…………明日、日曜だし酔い潰れても泊めてあげるよ」
「朝迄、飲むぞ~!お会計お願いしま~す!」

 若い男2人は割り勘で払うと言うので、女は自分の分だけ払い、近くのコンビニで酒を買い、クールのタイプの男のマンションへ案内された。
 20代前半らしき男の部屋は、1LDKの少し散らかっていたマンション。若い男らしいと言えばらしい。

「さぁ、また飲むぞ~、お姉さん」
「おぉ!」

 聞き上手だった男だった2人だが、場所を変えて飲み始めた時、女に質問をしてきた。

「お姉さん、何で彼氏と別れたの?フラれた、てしか聞いてないんだけど」
「……………ん~……浮気かなぁ………女出来たの隠してたんだよね…………メールでたった一言だよ?別れる、これだけ!…………ふざけんなぁ!でしょう?」
「酷い男だね、その彼氏」
「……………うん……酷いよねぇ……予感無かった………訳じゃ無いけどさ……」

 酔いが少し回ってきた女は、呂律も回ってない。

「予感って何?………あ、ほらお姉さん飲んで飲んで」
「ん……………ありがと………」
「教えてくれよ、その予感っての」
「……………レス………だった………んだよ……ねぇ………」
「……………へぇ……」
「じゃ、最近セックスしてないんだ、お姉さん」

 下心を持つ4つの目が、女の見えない所で、光っていた。
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