貴方は私を虐げてきたのではないのですか?【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
22 / 41

21

しおりを挟む

 土曜日の夜もみっちり、性教育をされた未央理は、日曜の午前中迄立てなかった。
 その午後からは、勉強をさせられて、身体も頭も疲れたまま、月曜日からまた学校に通った。

「………おはよう……」
「おは……未央理!可愛い!イメチェンしたねぇ!」
「明日香、金曜ごめんね。誘ってくれたのに……」
「その金曜のデート話を聞かせてくれたら許すよ」
「可愛いくなったしねぇ」
「………私の恋話コイバナより、皆の知りたいわ」

 イメージがガラッと変わった未央理に、年頃の男子生徒は気になっているのだが、未央理には今秀平しか目に入らないので、無視をしている。

「ねぇ、彼氏どんな人?」
「………年上の社会人だよ」
「どんな仕事してんの?」
「え!………それは……会社員?かな……」

 教員とは言えないので、会社員と誤魔化すが、その吃りはマズかった。

「え?騙されてない?未央理」
「騙されてはないとは思う……ほら、社会的に立場ある仕事してる人だから、バレちゃ……さ……年離れてるんだよ………私の彼氏……だから、仕事は内緒」
「何の仕事してるかは知ってるんだ」
「うん……皆を信用してない訳じゃないんだけど、て言われてるから……」

 内緒にしているのは仕事だけでなく、結婚している事もなのだが。
 話に盛り上がると、予鈴が鳴り、秀平が入って来る。

「席に着いて~」
「起立、礼、着席」

 日直からの号令でホームルームが始まる。
 朝、秀平と別れたばかりで目が合うと、先週とは違う様に見えてしまう未央理。

「………」

 朝から照れが出るぐらい、蜜な週末になったのは思いもよらず、秀平から目を逸した。

「………欠席は無いな……来月からだが、新しい英語教員が期間限定で来られる。イギリス人だから英語の発音の勉強にはなるだろう。話せる人も多いだろうが、しっかり英語の発音を教えて貰うようにな」

 金曜に会ったオリバーの事だろう。彼は未央理が秀平と結婚している事は知ってはいるだろうが、まさか生徒だとは説明しているか分からない。

「女性教員ですか?先生」
「生憎男だ。女子生徒は気を付けろよ?女好きだから」
「格好いいですか?」
「金曜の夜に会ったが、モテる顔にはなったと思う。しかも俺の目の前で俺の女ナンパしたから、俺も注意してるぐらいだ」
「先生!彼女持ち!」
「え~!ショック!未央理!知らなかったの?遠縁じゃん!」
「わ、私だって知らない事あるよ!」

 未央理はそう言うしかない。夫婦だとは言えないのだから。

「あぁ……遠縁でもプライベートはお互い内緒だよな?三条さん」
「う、うん……内緒です……」

 秀平の暴露は聞いていない未央理。何もナンパされた事を言わなくてもいい気がする。

「先生の彼女ってどんな人なの?」
「美人?」
「そんな質問は、俺のテストで満点取れたら言うんだな。先日の抜き打ちテストの答案返すぞ」
「はぐらかされたぁ!」
が交換条件だ!そして、満点は居なかったから、教えない」

 上手い事はぐらかした秀平に、数学の授業に引き込まれていくクラスメイト。
 1人ずつ呼び出され、解答用紙が帰って来ると、未央理の解答用紙は甘い採点等されてはいなかった。

 ---扱い分けてるな……予習してこの点数は……

「平均が76点は低いだろ……受験シーズンは直ぐに来るぞ!色恋沙汰に夢中になるなよ?」

 ---え?アンタが言う?

 それでも、日曜日は甘い雰囲気にはならなかったのが、ON/OFFがしっかりしているとは思えた。
 答え合わせで、予習しても出来なかった問題ばかり間違っていて、未央理は落ち込む。

「………はぁ……」
「点数悪くても、間違った場所を理解出来たら次は出来る。テスト期間中はサボらず、予習復習はしておけよ……塾でも同じ事を言われている筈だ」
 
 塾通いの生徒も多いので、大学受験の対策授業もしている者が大半だが、未央理は塾自体に通ってはいないので、自分の進路さえもまだ考えてはいなかった。

「今日、暗かったな……未央理」
「………え?……だって……私、進路何も考えて無かったから」
「大学に行きたいのなら、協力はするぞ?」

 三条家で勉強を教わる未央理と教える秀平。

「大学行ける頭脳があるとは思えない……ついて行くのがやっとだし……テスト結果も散々だったじゃん」
「テスト結果が目標を上回れば、ご褒美やってもいいがな」
「平均点以上もムズイのに」
「編入前の高校との偏差値差があるからなぁ」
「何で私、編入出来た訳?試験ある筈じゃないの?学校変わると」
「入学は最難関だが、編入は緩いんだよ……その代わり、赤点が続くと編入をさせられる」
「え!聞いてない!」
「だから、勉強教えてるんだろ?………テスト期間中は、俺も禁欲して過度の接触は控えるが、勉強は教えてやるから、平均点以上は必ず取れ」
「………前の学校に戻っても良いけどな」
「寂しくなるから俺が嫌だ」
「………」
「授業中、未央理の顔見ると頑張れると分かったから、癒やしの為に頑張れ」

 平日は本当に過度な触れ合いは我慢しているのか、頬に触れる手は気配を少し残しただけだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ
恋愛
 私が5才の時に彼はやって来た。  十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。  黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。  でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。  意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

私は愛されていなかった幼妻だとわかっていました

ララ愛
恋愛
ミリアは両親を亡くし侯爵の祖父に育てられたが祖父の紹介で伯爵のクリオに嫁ぐことになった。 ミリアにとって彼は初恋の男性で一目惚れだったがクリオには侯爵に弱みを握られての政略結婚だった。 それを知らないミリアと知っているだろうと冷めた目で見るクリオのすれ違いの結婚生活は誤解と疑惑の 始まりでしかなかった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...