貴方は私を虐げてきたのではないのですか?【完結】

Lynx🐈‍⬛

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おまけ②

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「好きです!付き合って下さい!」

 大学のキャンパスで、未央理は呼び止められて言われた言葉が告白だった。
 大学でも親しい人にしか言っていない、未央理の結婚。高校から進学した者も多いが、学部が違うと全く会えない広い大学内で、告白してきた男は、他校から進学してきた人だった。

「ごめんなさい、無理なので」
「如何してですか!理由を教えて下さい!」
「………私、既婚者なんで」

 指輪をしてはいたが、結婚指輪はまだしていない。していたのはただのファッションリングだけだ。
 余りにも大事にしたいが為に、婚約指輪さえも身に着けるのを躊躇する貧乏性の未央理。
 普段使い出来る物を長く使いたいのだ。

『未央理!何で婚約指輪しないんだ!』
『傷付くのが嫌!高いよね、あれ』

 と秀平と衝突したので、普段使い出来る指輪を秀平は買ってきてしまった。勿論、それは未央理が好きそうな物で、気に入って身に付けているが、それでも安くはない筈で、怖くて値段等聞けない。
 婚約指輪なんて、大きなダイヤモンドが付いていて、小さいダイヤモンドも飾られている物だったのだ。一体0が幾つ付いているんだ、と冷静に見ると思ってしまったら着けれなくなったのだ。

「き、既婚者……そんな……」
「うん、指輪してないけどね」

 大学入学から約半年。時々告白されるが未央理は見向きもしなかった。

「こんにちは」
「三条さん、いい所に来た」
「何ですか?先輩」
「三条祭の催しでミスコンあるんだけど出ない?」
「嫌です!私、じゃないんですよ!!」
「サークルの中で満場一致で三条さんがいい、て話出たんだよ!」
「呼び出されたと思ってきてみたら、こんな事ですか」

 未央理の参加しているサークルはテニスサークルだが、活動が毎日ではないのと中学生時代、テニス部だった事から選んだだけで、たまに運動する程度の気軽な考えで入っただけだ。
 妊娠でもしようものなら直ぐに辞めれそうな緩いサークルで真面目に参加しようとは思ってはいない。

「サークルや部から一人ずつ出すんだよ!優勝したら優勝賞金が貰える!」
「………それ、私に全部くれるんですか?」
「いや、皆で飲み代にする」
「失礼します」
「ま、待って!飲み代は冗談で!毎年違う子を出さなきゃならないからさ!1年の中から選んで三条さんがいい!てなって……」
「それでも駄目ですって……私、既婚者なんですよ?」
「バレないって」
「同じ高等部からの友達は知ってるんです。他の人にお願いします」

 未央理は断った筈だった。しかし、数日後エントリーされている。

「何で!」
「あ、未央理居た!」
「明日香!なかなか会えなかったね~、寂しかったよ!」
「うんうん………私もだけど、何あれ!未央理が出ちゃ駄目っしょ!」
「断ってたよ……ずっと」
「断っておいて出た訳?」
「信じてないんだよ、先輩が………既婚者だって事を」
「指輪しとけよ」
「結婚指輪まだ無いもん」
「婚約指輪だけでもいいじゃん!左手薬指にキラ~ン!てさ」

 明日香はやりたかったのだろう。顔の横に左手を翳し、手の甲を向けるのを。

「大学に着けて来たくないよ……」
「次期三条学園の理事長夫人なのに貧乏臭いなぁ………」
「それとこれとは別問題。実行委員に直談判してこよ」
「三条先生には言ったの?」
「断れたと思ってたから言ってないよ」
「私も協力してあげる」

 だが、実行委員に掛け合っても、無駄足を踏んだ。

「え?結婚してんの?そんな話聞いてないし、もう張り出しちゃったから今更辞退は困るよ。既婚者に見えないから出たら?遊びだよ遊び」

 確かに遊びみたいな物だが、出たい人が出れないのだったら、申し訳ないと思うし、大学のミスコンになればアナウンサーになる登竜門みたいなものとも言われているので、未央理は全く興味は無い。

「しっかし……綺麗に撮れた写真だね、これ」
「撮った覚えないよ……」
「じゃあ隠し撮り?尚更ふざけんな、て感じになるよね」
「誰が撮ったかは分かんないけど、サークルの人でしょ」

 窓際で、講義の空いた時間に、読書をしていたのか覚えてはいないが、窓からの風を浴びて、髪を押さえていた写真だ。日差しが程よく肌を綺麗にさせている。

「この写真、きっと三条先生も気にいるよ。見せたら?」
「嫉妬されそうで怖い」
「狭い心の持ち主だったんだ……三条先生」
「私限定で、て言うと思う」
「………ゴチ」
「愚痴も付き合ってよ……あぁ、如何しよう……」
「三条先生に相談!」
「………やっぱり?」
「うん」

 そうして、未央理は秀平が帰るのを待ち、ミスコンの話をする。

「ミスコン?誰が?」
「私」
「出たいのか?」
「断ったよ……で、隠し撮りされて、辞退も出来ず………ミセスだって言ったのに、実行委員は取り下げるのが絶対に面倒だったんだ、きっと」
「隠し撮りだと?」
「うん………これ」

 校舎に貼られたポスターを引き剥がし、持って帰った未央理は秀平に見せた。

「………なっ!ネガ欲しいんだけど!」
「実物が目の前に居るんですけど」
「俺でさえ未央理の写真撮らない様にしてたのに!スマホに残したらいつガキ達に見られるか、と思って………寝顔とか何度撮りたいと思ったか!」

 秀平は未央理の写真を撮りたかった様で、ポスターの未央理を見て悔しがる。

「我慢してたんだね……知らなかった……」
「そりゃ、盗撮なんて犯罪………あぁ、盗撮じゃないか……これ」
「隠し撮りだからね………」
「ミスコンはいつだ?………この日か……よし!未央理そのまま参加しろ!撮った奴懲らしめてやる!」
「どうやって?」
「隠し撮りされたんだろ?そうミスコンで言えばいい。で、マイクの前で既婚者だってぶちまける。ミスコンなのにミセスが出る時点でアウトだろ?ミセスも参加可とは書いていた訳じゃないなら、未央理は無効になる」

 そして、ミスコンが執り行われ、未央理の暴露で未央理の票は無効となり、写真を撮った人物は、実行委員から頼まれた人だとも分かり、謝罪させ、秀平はネガを奪っていったのはお約束。
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