養子王女の苦悩と蜜月への道標【完結】

Lynx🐈‍⬛

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 夜中にリーヒルが部屋に戻ってはきたが、もうレティシャは寝ているだろうと思いつつ、寝顔見たさに、レティシャの部屋へ入る。

「………レティシャ……愛している……苦しい程に」
「………」
「っ!……起きていたか」
『気配で起きました。お疲れではないですか?』

 ベッド脇に腰掛けていたリーヒルの手を握るレティシャ。

「だから、寝顔を覗きに来たんだ。眠いだろう?寝るといい」
『昨夜の事、わたくしは義兄様に失礼な事しました。お怒りではないのですか?』
「何故?怒っている様に見えたか?」
『もう一度謝りたくて………あ、あのわたくしの口で………その……』
「………あ、アレは嬉しかったぞ?そう言ったじゃないか。グレイデル公爵が話掛けて来て有耶無耶にはなったが」
『良かった』

 レティシャは、リーヒルにやり過ぎたと思ったのだろう。娼館ではやらされてはいた事で、レティシャは嫌な行為だったのだ。それが、リーヒルのであれば大丈夫、と酔っていてもそういう心理が働いた事に、レティシャ自身戸惑っていた。

「ま、またシてくれるなら、私は嬉しいぞ?」
「っ!」
「だが、出来る事なら私はお前とひとつに繋がりたい」
『義兄様、わたくしもです』
「レティシャ………」
「………」
「あ、今酒飲んでないよな?」
『飲んでません、記憶無くしたくないから』

 互いに、微笑み返すとレティシャが目を閉じた為、リーヒルは唇を重ねにいく。レティシャにはやっと実感出来る、リーヒルのキスの感触。

「………レティシャ……うっ血痕は控えるから、見えない場所なら付けてもいいか?」
「………」

 照れながら頷くレティシャが可愛くて、リーヒルはシーツ毎抱き締め覆い被さった。

「………あ……シーツ邪魔か……」
「プッ……」
「な、慣れないんだ!仕方ないだろう!」
『義兄様は義兄様の求めるままでいいんです』

 レティシャはリーヒルの服のボタンを外していくのに、リーヒルは気が付く。

「っ!本来なら私が脱がすのだろうな……自分で脱ぐから……」
「………」

 だが、レティシャは首を横に振る。
 リーヒルの服を脱がせたいのだろう。身体を何とかシーツから出したレティシャは身体を起こした。
 昨夜と違う夜着ではあったが、この日もまた可愛らしい夜着で胸の果実がツンと目立っていた。

『お手伝いです』
「………それならば、私はレティシャの夜着を脱がそう」

 昨夜もまた脱がし合ったのだ。レティシャは再現したいのだと、リーヒルは感じた。
 脱がし合う中、キスを繰り返しては脱いでを繰り返して、やっとお互いが全裸になる頃には、互いにキスの痕も増えていた。

「あ、また増やしたな!」
「………プッ……」

 レティシャは笑い、リーヒルこそ付け足したではないか、と新たなうっ血痕を擦る。

「う………可愛いからだ」
『わたくしもですよ?』
「年上を揶揄うな」
『だって、可愛いのですから』

 レティシャは、リーヒルがレティシャにだけ見せる顔が大好きで、その顔見たさの悪戯心だ。

「結婚したら、隠せない場所にも付けるからな!今はまだ結婚前だから遠慮してるんだ」
「………」
「その、照れながら頷く顔は新たに好きになったな」
「………んっ!」

 リーヒルに押し倒され、愛撫が繰り広げられる。胸の頂きを遊ぶリーヒルの舌に、レティシャも昨夜リーヒルから貰えなかった熱を思い出し、燻った疼きを再燃させた。
 昨夜も濡れていたのかもしれない。しかし、いつの間にか眠ってしまい、起きたら夜着を着て、レティシャの部屋に戻っていた。

 ---昨夜、わたくしのを見られた?

 次第に、下にリーヒルの頭が下りて行くのを見て、レティシャはリーヒルの頭を思わず掴む。

「っ!………レティシャ?」
「………んんっ!」
「何が言いたい?」
『わたくしのソコは汚いので、出来れば見られたくなくて』
「………昨夜私のを咥え、吸って、扱き、飲んだだろう?お互い様だ」
「っ!」
「照れる姿は可愛いな、レティシャ……私は舐めてやりたい。気持ち良くなるのだろう?私の手で気持ち良くなるのは嫌か?」
「!」

 百面相の様に表情が変わるレティシャ。昨夜の記憶を取り戻したなら、昨夜のリーヒルへの行為は恥ずかしくなり顔が赤くなった後、首を横に何度も振る。
 リーヒルの手で気持ち良くなりたくない訳はない。寧ろ気持ち良くなりたいレティシャ。

「フッ………それなら、私はレティシャを頂くぞ?」
「っ!」

 太腿裏を持ち上げたリーヒルはレティシャの足を、自分の頭が入るぐらいの幅に開く。心情ではもう少し開き、隅々迄見たいし味わいたい場所だ。恥ずかしくなるレティシャに無理強いはしたくないし、リーヒルも初めての経験になるので、気を遣う。

「っあ……あぁっ……」
「………くっ……レティシャ……」

 喘ぎ声は、リーヒルのご褒美に聞こえる。
 声を失ったレティシャは声を出さない様にしている節もあり、練習で声を出せるかもしれないのに、二年の間益々消極的になっている気がしてならなかったリーヒルに、聞かせてくれているからだ。
 もう、レティシャの喘ぎ声を、リーヒル以外に聞く事も許さないだろう。この声はリーヒルだけの物だった。
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