72 / 126
朝も昼も夜も♡
71
しおりを挟む「ごめん!マシュリー」
「…………」
朝の身支度中に、ルカスは部屋に戻り、おはようの挨拶の前にマシュリーに頭を下げた。
「……………マシュリー?」
「……アナ、エリス……少し外れてもらえないかしら」
ルカスに全く返事をせずに、侍女達を下がらせると、街娘風のワンピースを着たマシュリーはルカスの前にやって来る。
「…………謝る必要あります?……わたくしがルカス様に感情的に嫌いと言ってしまったのだから、わたくしが謝るのが筋ではありません?確かに、昨夜の…………はルカス様意地悪で言ってしまいましたが……5日の移動で唯一休みを取る宿屋で疲れさせられたくなくて、我慢して欲しかったのです………分かって頂けると思ってましたけど………」
「お、怒って…………ないのか?」
「怒ってますよ………約束したのに止めてくれなくて………」
「そ、そうか………本当にごめん」
「……………ルカス様」
「………っ!」
落ち込むルカスの肩に手を添え、唇を合わせに行くマシュリー。
「ふふふ……」
「マシュリー!!」
軽いキスだったので、マシュリーに抱き着こうとルカスは両腕をマシュリーに回そうとするが、マシュリーは咄嗟に逃げた。
「…………」
「そろそろ出発しないといけないんじゃありません?」
「……………小悪魔め……」
「何ですか?鬼畜ルカス様」
「…………ぐっ……」
馬車に乗り込み、ルカスはマシュリーに気にしていた事があり、声を掛けた。
「マシュリー」
「…………はい」
「蒸し返す様で悪いんだが………」
「蒸し返す?何をです?」
「さ、昨夜の………あの宝飾品……」
「!!」
「嫌じゃなければ、また着けて欲しいんだが…………」
「………嫌ですわ……ルカス様がアンナレーナ様と同じ様な趣味を持っていらっしゃって、アンナレーナ様にもしていた、て思ったら嫌でしようがありません」
昨夜のルカスの行動と、アンナレーナに監禁された部屋で似たような道具を見た時に、同じ抱かれ方をしたルカスに嫉妬したマシュリー。だから嫌いと口にしたのだが、ルカスはきょとんとして、聞き直す。
「アンナ?俺がアンナにしてた?………何を?」
「な、何をって………ど、道具を使う房事です!あ、あんな淫らにさせて………あんな事をアンナレーナ様にも、て思ったら……ルカス様はわたくしのルカス様ですわ!な、何か………特別に扱われている感じにさせられていたのに、アンナレーナ様のお屋敷で見た道具達は、ルカス様も使われたんじゃありませんの?」
「…………道具………あぁ!あの淫具の事か!」
「やっぱり!」
「あれ………俺使ってないし、アンナを一度だって抱いた事も無ければ、あの屋敷に入ったのもあの日が初めて………過去に抱いた女達は、普通に正常位で済ました簡素なものさ」
「……………は?」
ルカスはマシュリーの嫉妬が可愛くて、マシュリーと座る距離を縮めると、スキンシップを始める。
「…………ち、ちょっと……ルカス様!近いっ!」
「そうか………アンナと房事してたと思ってたのか………で、道具使われた時に、アンナと重ねた訳ね………へぇ~………」
「…………い、いけませんか?……わたくしだって……嫉妬するんです!」
「…………マシュリー……今日コルセット着けてないね……」
抱き心地が良く、ベッドで抱くふわふわのマシュリーの様に、硬いコルセットを着けていない事が分かり、ルカスは調子に乗り始める。馬車の中のカーテンを締め、ふにふにとワンピースの上から胸を揉み始めたのだ。
「ルカス様!」
「房事はしない事だけの約束だろ?抱き着くとかキスはしちゃ駄目だとは言われてない………だから、昨日道具を使ったんだ」
「そ、そんな都合のいい解釈しないで下さいませ!」
「都合良い頭だからな………そっか……道具は嫌な訳ではないのか……」
「!!………い、嫌ですよ!」
「…………そうは見えない………じゃあちょっと確かめていいか?」
「…………え?……………ルカス様ぁっ!」
ワンピースの上半身を開けさせ、昨夜着けられた装飾品を胸に着けられてしまったマシュリー。睨んでも拒否しても、抵抗してもルカスにはもう通用せず、片方着けられたらもうマシュリーには抵抗等出来ず、ルカスの膝枕で喘ぐ事しか出来なかった。
「夜迄このままね………欲しくなったらお強請りするんだよ、マシュリー」
「……………鬼畜……です………」
「可愛くて可愛くて苛めたくなるから許して欲しいな………その代わり一生愛すから」
髪を撫でながら、愛しい眼差しを贈るルカスの足の付け根に硬いモノを感じながら、夜迄胸の道具を外してくれる事なく、その夜は約束等忘れお互いを求め合ってしまったのは言うまでもない。
8
あなたにおすすめの小説
メイウッド家の双子の姉妹
柴咲もも
恋愛
シャノンは双子の姉ヴァイオレットと共にこの春社交界にデビューした。美しい姉と違って地味で目立たないシャノンは結婚するつもりなどなかった。それなのに、ある夜、訪れた夜会で見知らぬ男にキスされてしまって…?
※19世紀英国風の世界が舞台のヒストリカル風ロマンス小説(のつもり)です。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
山に捨てられた元伯爵令嬢、隣国の王弟殿下に拾われる
しおの
恋愛
家族に虐げられてきた伯爵令嬢セリーヌは
ある日勘当され、山に捨てられますが逞しく自給自足生活。前世の記憶やチートな能力でのんびりスローライフを満喫していたら、
王弟殿下と出会いました。
なんでわたしがこんな目に……
R18 性的描写あり。※マークつけてます。
38話完結
2/25日で終わる予定になっております。
たくさんの方に読んでいただいているようで驚いております。
この作品に限らず私は書きたいものを書きたいように書いておりますので、色々ご都合主義多めです。
バリバリの理系ですので文章は壊滅的ですが、雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。
読んでいただきありがとうございます!
番外編5話 掲載開始 2/28
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
旦那様が素敵すぎて困ります
秋風からこ
恋愛
私には重大な秘密があります。実は…大学一のイケメンが旦那様なのです!
ドジで間抜けな奥様×クールでイケメン、だけどヤキモチ妬きな旦那様のいちゃラブストーリー。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
結婚式に代理出席したら花嫁になっちゃいました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
美希は平日派遣の事務仕事をしているが、暇な土日に便利屋のバイトをしている。ある日、結婚式の友人の代理出席をする予定で式場にいたのに!?
本編は完結してますが、色々描き足りなかったので、第2章も書いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる