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初夜は何処迄も甘く♡
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しおりを挟むなんとか、夜会が終わるのを待つのを我慢していたルカス。マシュリーの腰を抱き寄せ、歩きながらマシュリーの額や頬、耳にキスの雨を降らし、イチャイチャ振りを広間から出てからずっとヤラれているマシュリー。
「も……もう……少し………我慢出来ません?」
「無理」
「ひ、人の目を気にして下さい!」
「気にしない」
「わたくしは気にします!!」
「慣れて」
キスしたくて腰に回される腕も胸やお尻に当てて来ようともするので、必死にマシュリーはその腕を回避しようとしているが、城内で2人を見る侍従や兵士達、貴族達は微笑ましい様な、呆れている様な顔をして見送っている。
「わ、わたくしは慣れたくありません!」
「…………じゃ、どっかの空き部屋入る?朝迄離さないだろうけど」
「だっ…………駄目です!」
「我慢していたんだから、イチャイチャぐらいさせてくれよ」
「……………もう少し我慢してくれたら、好きにしていいですから、お部屋迄普通にして下さい!」
「……………」
ルカスの身体がピクッと止まる。
「…………好きにしていい…………?」
「…………あ…………い、いえ………あ、あの……ほ、程々…………に…………」
「好きにしていい、て言った」
「………………あぁっ………」
ただ、寄り添って歩くだけを求めていたのに、ルカスに誘導された様な感じで、マシュリーは言ってしまった。好きにしていいと。ルカスの鬼畜で絶対に朝迄寝かせてくれないコース行きに直行が決定してしまった。
「我慢する………….•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸♬」
「………………お、お手柔らかに………」
「無理、絶対に無理」
「……………はぁ………」
薔薇の間になんとか到着すると、部屋にはカレンを含む侍女達が、ベッドメイキングを完璧に甘々な雰囲気に仕上げていた。薄暗く、甘い香りのアロマを焚き、ベッド横にはいつでも喉が乾いても良いように飲み物もしっかり準備され、タオルや替えのバスローブ等々。
「本日はおめでとうございます、ルカス様、マシュリー様…………お湯殿を先にお入り下さいませ………マシュリー様を私達で磨き上げ、ルカス様の元へお送り致します」
「…………今でも我慢してるんだが?」
「結婚初夜の決まりですから………その後はルカス様とマシュリー様のお好きなように………」
カレンがいつもと違う。結婚前は控えろだの、無理をさせるなだの口を酸っぱく言ってきたのに、結婚式を終えたら掌を返す様な言葉が返ってきたのだ。
「分かった………じゃあ、俺も入る」
「お湯殿は別にお願いします………どちらの湯殿もご準備しておりますから」
「……………分かったよ……じゃ、マシュリー………また後で」
「…………は、はい……」
百合の間の風呂場へ入ると、マシュリーは全身にカレンの手で浮腫んだ疲れた身体をマッサージで揉み解されケアをされた後、白い湯に浸かる。これは入浴剤なのだが、以前もルカスと入浴した時と同じ物の様だ。
「肌がすべすべになりますわ」
「本来なら、初夜に磨かれたマシュリー様を初めてルカス様の元へお送りしたかったのですが…………あのルカス様ときたら………」
「ふふふ…………カレンが、どれ程ルカス様を可愛がられてらっしゃるのが分かりますわ」
「乳母でしたから」
「ルカス様も、カレンに甘えているのも分かってますわ」
「わが子より大事にし過ぎました………」
少し照れくさく、柔らかな表情のカレンを見れてマシュリーはうれしかった。
「これからも、皆さん宜しくお願いしますね………わたくしがモルディアへ来てから、どんなに助けられたか………感謝してますわ」
「…………勿体無いお言葉、ありがとうございます、マシュリー様」
用意された夜着を着せられたが、マシュリーは驚愕する。普段着ていた夜着の様な物ではなく、透ける布で出来た淫靡な夜着だ。脱がせやすくただ、肩に結ばれたリボンを解けば直ぐに脱げてしまうデザイン。
「は、恥ずかしいんですけど!」
「これからは、この様な夜着で夜はお過ごし下さい………避妊等も必要ありませんから、ルカス様にお付き合いして頂ければ、必ずお世継ぎが出来るかと………マシュリー様がお辛い時は、私達がお止めに入りますから」
「…………えっ………ルカス様に怒ってくれるんですよね?」
「抱き潰されなければ、怒らないと思いますが………」
「いやいやいやいや………絶対に抱き潰されます!きっと!」
「「「「「………で、しょうね……」」」」」
カレンは言葉だけだったが、若い侍女達は、親指を立てグッジョブサインをマシュリーに見せた。カレンの後ろに若い侍女達が並んでいるので、カレンには見られていない事が、またマシュリーは溜息の連発だった。
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