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第3章
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しおりを挟む「本気で抵抗しねぇと、どうなっても知らないからな」
「…!」
後頭部を押さえつけ、佐助は乱暴に真田に口付けた。
息継ぎの隙を与えない程、深く舌を絡ませる。真田は突然の事で頭がついていかないのか、満足な抵抗もできていないようだった。
酸素を取り込めず、次第に真田は苦しげな表情で佐助の胸を叩く。だが、佐助は真田の制止を物ともせず、更に角度を変えて深く口付ける。
「っう…!んんっ、は…」
淫猥な音が鼓膜を犯し、佐助の欲望を昂めていく。まだまだ物足りないが、これ以上していると真田が酸欠になりそうだったので、佐助は名残惜しげに唇を離した。
「かはっ…!お前…っ」
真田は噎せながら佐助を睨み付ける。
「言っただろ、本気で抵抗しろって。」
ズグリと下半身に熱が集まるのを感じながら、真田の両腕を頭上で一つに纏め上げ、体重をかけてやれば、簡単にバランスを崩して後ろに倒れ込んだ。
佐助は上から覆い被さるような形になって、真田を見下ろす。
「て、抵抗って言ったって…!」
狼狽する真田を見て、佐助は深いため息を吐く。
「ほんと…あんた危機管理ゼロっつーか、こうなる事は予想できなかったのか?」
昔からそうだ。
戦術に於いては、類稀な才能とセンスを持ち、数々の猛者を苦しめる鬼才とまで言われていたというのに、自分自身に対しての事に関してはどうも無頓着過ぎる。
戦国時代の武将たちは、男色が武士の嗜みと言われる程、同性愛に対して至極寛容な風潮があった。
それ故、武将たちは挙って美少年たちを自らの小姓として迎え入れ、夜伽の相手をさせていたのだ。美男子として有名であった幸村も例外ではなく、夜の誘いに呼ばれる事は頻繁にあった。
幸村はその度に、何も知らずにのこのことついていくものだから、佐助がいつも苦労していたことなんて知りもしないだろう。
本当に、何もかもあの時のままだな。
今となっては、それが余計に腹立たしい。
「あ、遊馬!こ…こういう事は、その…。好きな女の子とするべきだ!それに…俺は…お、男だぞ!?」
「…やっぱ変わんねえな、あんたは」
真田が訝しげに佐助を見上げる。
「逃げ道は作ってやった。だが、それを無視したのはあんた自身だ。」
そう言って、佐助は真田のスーツとシャツの釦を片手で器用に外していく。昼間の出来事を思い出したのか、真田は途端に焦り出して身を捩らせる。
「あ…遊馬!やめろ、これ以上は…戻れなくなる…!」
戻れなくなるだと?
俺はあんたに出逢った瞬間からーーー、
「もう、戻れねぇよ。」
この時代の幸村に、もう自分は必要ない。
もう俺が護る必要もない。
もう俺が側にいる必要もない。
ならばせめて、来世に未練が残らぬようにーーー。
「真田、あんたを抱く。悪いが、途中で止めるつもりはねぇから。」
「…っ!」
これがお前への、最初で最後の我儘だ。
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