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横須賀米海軍基地
第21話 アメリカサイズ
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「雄介様、こちらです」
彼女がそう言うと、なんだか少し嬉しそうに俺を米軍宿舎に招き入れた。
俺がイメージしていた宿舎とはだいぶ違い、一応戸建てのファミリータイプの豪華な作りの宿舎だった。
「米軍って、こんなに豪華な宿舎で生活しているんだな。」
俺が予備自衛官補の訓練を受けている時には、何というか、映画に出てきそうな二段ベッドの8人部屋で、なんとも殺伐とした印象を受けた。
だから、軍隊というところは、人間が最低限生きて行ける機能を維持できている、そんな生活空間なのだと思っていたが、この米軍宿舎は、普通にアメリカの住宅と言った雰囲気で、日本家屋よりも少し落ち着くことが出来た。
室内も広々していて、ホテルなどよりも気の利いた施設と言える。
誰が準備したのか解らないが、室内には生活に必要なものは全て揃っている、なるほど、彼女がスーパーに寄るわけだ。
「ここは以前から使用しているのか?」
「いえ、私は拠点に出来る場所を事前に教育を受けてきているだけです、ただ、間取りは全て頭に入っていますので」
俺は、何ら恥ずかしがることも無く、キョロキョロと部屋の中を見回す。
そうこうしているうちに、彼女はエプロン姿になって、先ほど買ってきたスーパーの袋を開けながら
「雄介様、先にお風呂に入ってきてください、念のため、入浴後にお身体のチェックを致しますわ。」
そう言うと、彼女は手際よく調理を始めた。
正直言えば、米軍という安心感もあるのだろうが、俺としては完全アウェイのこの状況に、再び敵が現れるのではないか、とか、米軍の憲兵隊がここを捜索するのではないか、とか、色々と考えたしまう。
とりあえず、一度寝室に行き、部屋の間取りなどを確認してから風呂に入ることにした。
、、、、したのだが、この家の作り、ファミリータイプだからなのか、メインの寝室が、、、ダブルベット、なんだよな。
OH、サスガ、アメリカジン、、、、、ダブルベットか~、いや、他に寝具ないしな~、一応子供部屋はあるみたいだが、ベットが一つしか、ない、、。
どうする?、俺。
交代で見張りながら寝る、という意味か?
天国のお母さん、雄介は今日、もしかしたら一生の記念日になるやもしれません。
とりあえず、風呂に入って、きれいにするか、いつもより丁寧に。
風呂場に行くと、ご丁寧なことに、バスタブにはお湯が張られていた。
、、、彼女はきっと、良いお嫁さんになるタイプなんだろうなあ。
おれは、彼女の厚意に甘えさせてもらい、随分長かった一日の疲れを湯舟に浸かって体を癒した。
「雄介様、お湯加減はいかがですか?」
「ああ、丁度良いよ」
なんだか新婚さんみたいだなあ。
湯加減気にするなんて、100年経っても湯加減の調整ってするんだな。
俺は、湯舟に浸かりながら、アメリカサイズのバスタブでゆっくり足を延ばして、天井を見ながら考えていた。
そもそも、俺は既にカタギの男ではないのではないだろうか、田舎に残した家族にも、このことを何と言えば納得してもらえるだろうか。
俺は一度、彼女を本物の未来人として認識したが、どこかの国の工作員である可能性はないんだろうか。
そもそも、米軍にこれだけ通じていて、彼女は米国のエージェントである可能性はないだろうか。
、、、いや、もう考えるのは止めよう、いずれにしても、明日以降また逃走の日々が続く、今は彼女に身を任せるんだ。
すっかり長湯した俺は、脱衣所に彼女が準備してくれたであろう部屋着を着た。
、、、、いや、しっかし、これまたベタな服じゃない、これ。
え、なに、この「USA」って、恥ずかしくないの? 京都で「京都」って書いたTシャツ着ないよね、あ、着るのか?観光客は。
彼女のファッションセンスは、意外と意外なんだなあ。
俺は彼女と結婚したら、きっとこんな普段着になるんだろうなあ、うんうん、小さな幸せ。
「ヘイ、ミスターGF、わたしの選んだトレーナーとパンツは気に入ってくれましたか?」
え、えー、誰、こいつ。
てっきり俺と彼女の二人きりだと思っていたから、この陽気なアメリカ男の存在は、色々驚いたぞ。
え、マジ、だれ、こいつ。
彼女がそう言うと、なんだか少し嬉しそうに俺を米軍宿舎に招き入れた。
俺がイメージしていた宿舎とはだいぶ違い、一応戸建てのファミリータイプの豪華な作りの宿舎だった。
「米軍って、こんなに豪華な宿舎で生活しているんだな。」
俺が予備自衛官補の訓練を受けている時には、何というか、映画に出てきそうな二段ベッドの8人部屋で、なんとも殺伐とした印象を受けた。
だから、軍隊というところは、人間が最低限生きて行ける機能を維持できている、そんな生活空間なのだと思っていたが、この米軍宿舎は、普通にアメリカの住宅と言った雰囲気で、日本家屋よりも少し落ち着くことが出来た。
室内も広々していて、ホテルなどよりも気の利いた施設と言える。
誰が準備したのか解らないが、室内には生活に必要なものは全て揃っている、なるほど、彼女がスーパーに寄るわけだ。
「ここは以前から使用しているのか?」
「いえ、私は拠点に出来る場所を事前に教育を受けてきているだけです、ただ、間取りは全て頭に入っていますので」
俺は、何ら恥ずかしがることも無く、キョロキョロと部屋の中を見回す。
そうこうしているうちに、彼女はエプロン姿になって、先ほど買ってきたスーパーの袋を開けながら
「雄介様、先にお風呂に入ってきてください、念のため、入浴後にお身体のチェックを致しますわ。」
そう言うと、彼女は手際よく調理を始めた。
正直言えば、米軍という安心感もあるのだろうが、俺としては完全アウェイのこの状況に、再び敵が現れるのではないか、とか、米軍の憲兵隊がここを捜索するのではないか、とか、色々と考えたしまう。
とりあえず、一度寝室に行き、部屋の間取りなどを確認してから風呂に入ることにした。
、、、、したのだが、この家の作り、ファミリータイプだからなのか、メインの寝室が、、、ダブルベット、なんだよな。
OH、サスガ、アメリカジン、、、、、ダブルベットか~、いや、他に寝具ないしな~、一応子供部屋はあるみたいだが、ベットが一つしか、ない、、。
どうする?、俺。
交代で見張りながら寝る、という意味か?
天国のお母さん、雄介は今日、もしかしたら一生の記念日になるやもしれません。
とりあえず、風呂に入って、きれいにするか、いつもより丁寧に。
風呂場に行くと、ご丁寧なことに、バスタブにはお湯が張られていた。
、、、彼女はきっと、良いお嫁さんになるタイプなんだろうなあ。
おれは、彼女の厚意に甘えさせてもらい、随分長かった一日の疲れを湯舟に浸かって体を癒した。
「雄介様、お湯加減はいかがですか?」
「ああ、丁度良いよ」
なんだか新婚さんみたいだなあ。
湯加減気にするなんて、100年経っても湯加減の調整ってするんだな。
俺は、湯舟に浸かりながら、アメリカサイズのバスタブでゆっくり足を延ばして、天井を見ながら考えていた。
そもそも、俺は既にカタギの男ではないのではないだろうか、田舎に残した家族にも、このことを何と言えば納得してもらえるだろうか。
俺は一度、彼女を本物の未来人として認識したが、どこかの国の工作員である可能性はないんだろうか。
そもそも、米軍にこれだけ通じていて、彼女は米国のエージェントである可能性はないだろうか。
、、、いや、もう考えるのは止めよう、いずれにしても、明日以降また逃走の日々が続く、今は彼女に身を任せるんだ。
すっかり長湯した俺は、脱衣所に彼女が準備してくれたであろう部屋着を着た。
、、、、いや、しっかし、これまたベタな服じゃない、これ。
え、なに、この「USA」って、恥ずかしくないの? 京都で「京都」って書いたTシャツ着ないよね、あ、着るのか?観光客は。
彼女のファッションセンスは、意外と意外なんだなあ。
俺は彼女と結婚したら、きっとこんな普段着になるんだろうなあ、うんうん、小さな幸せ。
「ヘイ、ミスターGF、わたしの選んだトレーナーとパンツは気に入ってくれましたか?」
え、えー、誰、こいつ。
てっきり俺と彼女の二人きりだと思っていたから、この陽気なアメリカ男の存在は、色々驚いたぞ。
え、マジ、だれ、こいつ。
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