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01.神霊出生の章
No.004「ウマシアシカビヒコヂ」
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古事記において、造化三神の次に誕生した、四番目の神である。
「次に国稚く、浮ける脂の如くしてくらげなすただよへる時に、葦牙の如く萌え騰る物に因りて成りませる神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神。次に天之常立神。此の二柱の神も、みな独神と成り坐して、身を隠したまふ。
上の件、五柱の神は別天つ神」
上記するように、天之御中主神から天之常立神までの五柱の神々をまとめて、特別な神のことを指す別天つ神と称している。
漢字の「牙」は芽に通じ、読みの「カビ」はイネ科植物の穂先で、要するに芽のこと。「ウマシ」は美称であり、「ヒコヂ」は優れた男性を表す。
まだ安定した状態にはなかった国(大地)の固有の生成力・生命力の強さを、旺盛に伸びる葦の芽(アシカビ)に象徴させて神格化した男神であることがわかる。
そして、この神の次に「天の礎」ともいえる天之常立神が登場する。つまりこの神は、大地の一部が萌えあがり分離し、その生成力・生命力によって「天の礎」が形成されたことを告げているのである。
日本国の神話的名称が「葦原中国」であり、国づくりを完成させた神・大国主神の別名が「葦原醜男」であるように、葦は日本の国づくりと関係がある。
ウマシアシカビヒコヂという神名のあり方を考えると、間接的にだが、葦原中国の豊かな将来を暗示するために誕生した神、といえるのかもしれない。
葦の群生する湿地は、古くは水田を拓くのに適した土地として好まれた。
しかし、古事記では重要視された神だが、日本書紀本文には登場しない。
第一段の一書に、少しだけ名前が記されているだけである。
第一段の一書第二には、最初に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、古に国稚しく地稚しき時に、譬へば浮膏の猶くして漂蕩へり。時に、国の中に物生れり。状葦牙の抽け出でたるが如し。此に因りて化生づる神有す。可美葦牙彦舅尊と号す。次に国常立尊。次に国狭槌尊。葉木国、此をば播挙矩爾と云ふ。可美、此をば于麻時と云ふ」
ハコクニとは、一書第一に登場した神「豊国主尊」の別名「葉木国野尊」の読み方を説明したものだが、なぜか一書第二の文末に「ウマシ」の説明とともに記されている。
古事記においてクニノトコタチは、天之常立神の次、六番目に誕生した神とされている。
また、同段の一書第三にも、最初に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、天地混れ成る時に、始めて神人有す。可美葦牙彦舅尊と号す。次に国底立尊。彦舅、此をば比古尼と云ふ」
そして最後に、やや飛んで一書第六にも、こちらは二番目に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、天地初めて判るるときに、物有り。葦牙の若くして、空の中に生れり。此に因りて化る神を、天常立尊と号す。次に可美葦牙彦舅尊。又物有り。浮膏の若くして、空の中に生れり。此に因りて化る神を、国常立尊と号す」
先代旧事本紀では、天御中主尊とともに誕生した一代目の神とされる(No.001「アメノミナカヌシ」を参照)。
「次に国稚く、浮ける脂の如くしてくらげなすただよへる時に、葦牙の如く萌え騰る物に因りて成りませる神の名は、宇摩志阿斯訶備比古遅神。次に天之常立神。此の二柱の神も、みな独神と成り坐して、身を隠したまふ。
上の件、五柱の神は別天つ神」
上記するように、天之御中主神から天之常立神までの五柱の神々をまとめて、特別な神のことを指す別天つ神と称している。
漢字の「牙」は芽に通じ、読みの「カビ」はイネ科植物の穂先で、要するに芽のこと。「ウマシ」は美称であり、「ヒコヂ」は優れた男性を表す。
まだ安定した状態にはなかった国(大地)の固有の生成力・生命力の強さを、旺盛に伸びる葦の芽(アシカビ)に象徴させて神格化した男神であることがわかる。
そして、この神の次に「天の礎」ともいえる天之常立神が登場する。つまりこの神は、大地の一部が萌えあがり分離し、その生成力・生命力によって「天の礎」が形成されたことを告げているのである。
日本国の神話的名称が「葦原中国」であり、国づくりを完成させた神・大国主神の別名が「葦原醜男」であるように、葦は日本の国づくりと関係がある。
ウマシアシカビヒコヂという神名のあり方を考えると、間接的にだが、葦原中国の豊かな将来を暗示するために誕生した神、といえるのかもしれない。
葦の群生する湿地は、古くは水田を拓くのに適した土地として好まれた。
しかし、古事記では重要視された神だが、日本書紀本文には登場しない。
第一段の一書に、少しだけ名前が記されているだけである。
第一段の一書第二には、最初に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、古に国稚しく地稚しき時に、譬へば浮膏の猶くして漂蕩へり。時に、国の中に物生れり。状葦牙の抽け出でたるが如し。此に因りて化生づる神有す。可美葦牙彦舅尊と号す。次に国常立尊。次に国狭槌尊。葉木国、此をば播挙矩爾と云ふ。可美、此をば于麻時と云ふ」
ハコクニとは、一書第一に登場した神「豊国主尊」の別名「葉木国野尊」の読み方を説明したものだが、なぜか一書第二の文末に「ウマシ」の説明とともに記されている。
古事記においてクニノトコタチは、天之常立神の次、六番目に誕生した神とされている。
また、同段の一書第三にも、最初に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、天地混れ成る時に、始めて神人有す。可美葦牙彦舅尊と号す。次に国底立尊。彦舅、此をば比古尼と云ふ」
そして最後に、やや飛んで一書第六にも、こちらは二番目に誕生した神として書かれている。
「一書に曰はく、天地初めて判るるときに、物有り。葦牙の若くして、空の中に生れり。此に因りて化る神を、天常立尊と号す。次に可美葦牙彦舅尊。又物有り。浮膏の若くして、空の中に生れり。此に因りて化る神を、国常立尊と号す」
先代旧事本紀では、天御中主尊とともに誕生した一代目の神とされる(No.001「アメノミナカヌシ」を参照)。
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