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序章
「今回の古典」についての端書 A preface about the this time's classics.
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十一月一日は「古典の日」である(由来については後述)。
もともとは源氏物語千年紀を記念し、平成二十(二〇〇八)年十一月一日に、国立京都国際会館において、天皇皇后両陛下のご臨席のもと、『源氏物語』をはじめとする日本の古典を後世に伝えるべく、古典に親しむ日として「古典の日」を宣言したのが始まりである。
その後、福田康夫元内閣総理大臣を会長とした「『古典の日』推進議員連盟」が設立され、「古典の日に関する法律」が成立し、平成二十四(二〇一二)年九月五日から公布および施行された。
この「古典の日に関する法律」は全三条あり、第一条で「国民が古典に親しむことを促し、心のよりどころとして古典を広く根づかせ」ることを目的とし、第二条で「我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすもの」と定義し、古典の日が十一月一日であるというのは第三条第二項に明記されている。
古典の日は「日本記念日協会」(後述)が決めたものではなく、法律で定められたものだが、国民の祝日にはならなかった。
十一月三日の「文化の日」や二月十一日の「建国記念の日」、五月三日の「憲法記念日」などの祝日は「国民の祝日に関する法律」第三条によって休日と定められている(それだったら、古典の日だって……)。
記念日の認定・登録を行う「日本記念日協会」によって、同じ十一月一日は「本の日」とされている(ちなみに、一九九五年にユネスコ総会で、本のよさを再認識し、親近感を育むことを目的として採択された、世界的な「本の日(世界図書・著作権デー)」は四月二十三日である)。
十一月一日が「本の日」なのは、全国各地の老舗書店で結成された「書店新風会」が制定したもので、書店に足を運ぶきっかけの日としてもらうとともに、読書運動の活性化を目的とした記念日。
日にちは、数字の1が本棚に本が並ぶ姿に見えることと、想像・創造の力は一冊の本から始まるというメッセージが込められたもので、平成二十九(二〇一七)年に登録された。
十一月一日を古典の日とした典拠は、『紫式部日記』である。
紫式部が、藤原道長の娘・彰子(一条天皇中宮)に女房として仕えていたころの日記(ただし、出仕期間は七、八年にも及ぶが、この日記に記されているのは、わずか二年ほどである)。
日記の主要部をなすのは寛弘五(一〇〇八)年で、敦成親王(彰子所生の最初の皇子)誕生と、それに続いて繰り広げられた祝儀・賀宴の情況描写であった。
ここに『源氏物語』の存在が確認される、最古の記述があるという。
敦成親王(のちの後一条天皇)の誕生五十日を祝った、寛弘五年十一月一日。左衛門の督(藤原公任)が「あなかしこ、このわたりに、若紫やさぶらふ(恐れ入りますが、このあたりに若紫はおられませんか)」と、几帳のなかの様子を探ってきた。
紫式部は「源氏に似るべき人も見えたまはぬに、かの上は、まいていかでものしたまはんと(光源氏に似ていそうな人もお見えにならないのに、ましてあの紫の上が、どうしていらっしゃるはずがあろうかと」内心そう思って聞き流していた、と『紫式部日記』には綴られている。
つまり、左衛門の督が『源氏物語』の登場人物である「紫の上(若紫)」になぞらえ、その作者である紫式部はいるかと訪ねてきたが、それを理解していながら、紫式部本人は知らないふり(無視)をしていた、ということだ。
ここからでもわかるとおり、わざわざ作者はどんなものかと訪ねてくる人がいるほどに、この時点で(男女関係なく)多くの人に『源氏物語』は読まれていたことだろう。
日本で最も有名な(?)古典であり、世界最古の長編小説とされる『源氏物語』が、古典の日の由来となったのは妥当かもしれない。
古典を一概には定義づけられないが、『なぜ古典を読むのか』の著者であるイタロ・カルヴィーノさんによれば、「人がそれについて、『いま、読み返しているのですが』とは言っても、『いま、読んでいるところです』とはあまり言わない本」「読んでそれを好きになった人にとって、ひとつの豊かさをもたらす本」「いつまでも意味の伝達を止めることがない本」「人から聞いたり、それについて読んだりして、知り尽くしているつもりになっていても、いざ自分で読んでみると、新しい、予期しなかった、それまで誰にも読まれたことのない作品に思える本」などと定義づけている。
古典の字義について、中国古文字学の代表的な労作とされる『説文解字』によれば、「古」は「十」と「口」から成る会意文字で、文字のなかった古代において、口承で前の人の言語を識ったことによる。同じく「典」は、『説文解字』の解説によると机の上に冊を置く形を表す。書物を机の上に置くとは、その書物に対して尊敬の意を表現したものである。
日本の文献上に初めて「古典」の字が現れたのは、いつごろか詳しくわかっていない。
ただ、『太平記』巻二にある「長崎新左衛門尉意見事」という項目に、現在断行しようとしている重大な企が正しいものであると主張し、その根拠を「古典」に求めたという内容が書かれている。
英語の「Classic」は、ラテン語の「Classicus」から派生した言葉である。それが「第一級の」という意に転じたのだとされる。
明治二十五年刊の『英和辞典』(島田豊著)に、一般的には第一級の作品に対して適宜に、厳密にはギリシャ・ローマの作品に対して用いられる、というようなことが書かれている。
明治二十一年刊の『漢英対照 いろは辞典』(高橋五郎著)には「こてん、古典、ふるきふみ、古書」とあり、「Classic」の訳語として用いられた。
古典の範囲について文科省の通知によれば、明治期の作品なども含まれ得るらしい。このコーナーでは、広義の「古典」をこれから紹介していこうと思う。
…………。
……。
参考文献:
☆河出文庫『なぜ古典を読むのか』著:イタロ・カルヴィーノ、訳:須賀敦子(二〇一二年)
☆岩波文庫『古典学入門』著:池田亀鑑(一九九一年)
☆講談社学術文庫『紫式部日記(上)全訳注』訳注:宮崎荘平(二〇〇二年)
参考サイト:
☆古典の日とは|古典の日|11月1日は古典の日
(https://hellokcb.or.jp/kotennohi/home/about/#headerS)
☆書店新風会
(https://www.shinpukai.jp/contents/index.html)
☆文化庁|文化庁月報|古典の日について
(https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_10/special_02/special_02.html)
☆世界本の日 サン・ジョルディの日::日本書店商業組合連合会「本屋さんへ行こう!」
(https://www.n-shoten.jp/santjordi.html)
☆コトバンク
(https://kotobank.jp/word/世界図書・著作権デー-718295)
参考PDF:
☆古典の日に関する法律について
(https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_10/special_02/images/pdf_01.pdf)
もともとは源氏物語千年紀を記念し、平成二十(二〇〇八)年十一月一日に、国立京都国際会館において、天皇皇后両陛下のご臨席のもと、『源氏物語』をはじめとする日本の古典を後世に伝えるべく、古典に親しむ日として「古典の日」を宣言したのが始まりである。
その後、福田康夫元内閣総理大臣を会長とした「『古典の日』推進議員連盟」が設立され、「古典の日に関する法律」が成立し、平成二十四(二〇一二)年九月五日から公布および施行された。
この「古典の日に関する法律」は全三条あり、第一条で「国民が古典に親しむことを促し、心のよりどころとして古典を広く根づかせ」ることを目的とし、第二条で「我が国において創造され、又は継承され、国民に多くの恵沢をもたらすもの」と定義し、古典の日が十一月一日であるというのは第三条第二項に明記されている。
古典の日は「日本記念日協会」(後述)が決めたものではなく、法律で定められたものだが、国民の祝日にはならなかった。
十一月三日の「文化の日」や二月十一日の「建国記念の日」、五月三日の「憲法記念日」などの祝日は「国民の祝日に関する法律」第三条によって休日と定められている(それだったら、古典の日だって……)。
記念日の認定・登録を行う「日本記念日協会」によって、同じ十一月一日は「本の日」とされている(ちなみに、一九九五年にユネスコ総会で、本のよさを再認識し、親近感を育むことを目的として採択された、世界的な「本の日(世界図書・著作権デー)」は四月二十三日である)。
十一月一日が「本の日」なのは、全国各地の老舗書店で結成された「書店新風会」が制定したもので、書店に足を運ぶきっかけの日としてもらうとともに、読書運動の活性化を目的とした記念日。
日にちは、数字の1が本棚に本が並ぶ姿に見えることと、想像・創造の力は一冊の本から始まるというメッセージが込められたもので、平成二十九(二〇一七)年に登録された。
十一月一日を古典の日とした典拠は、『紫式部日記』である。
紫式部が、藤原道長の娘・彰子(一条天皇中宮)に女房として仕えていたころの日記(ただし、出仕期間は七、八年にも及ぶが、この日記に記されているのは、わずか二年ほどである)。
日記の主要部をなすのは寛弘五(一〇〇八)年で、敦成親王(彰子所生の最初の皇子)誕生と、それに続いて繰り広げられた祝儀・賀宴の情況描写であった。
ここに『源氏物語』の存在が確認される、最古の記述があるという。
敦成親王(のちの後一条天皇)の誕生五十日を祝った、寛弘五年十一月一日。左衛門の督(藤原公任)が「あなかしこ、このわたりに、若紫やさぶらふ(恐れ入りますが、このあたりに若紫はおられませんか)」と、几帳のなかの様子を探ってきた。
紫式部は「源氏に似るべき人も見えたまはぬに、かの上は、まいていかでものしたまはんと(光源氏に似ていそうな人もお見えにならないのに、ましてあの紫の上が、どうしていらっしゃるはずがあろうかと」内心そう思って聞き流していた、と『紫式部日記』には綴られている。
つまり、左衛門の督が『源氏物語』の登場人物である「紫の上(若紫)」になぞらえ、その作者である紫式部はいるかと訪ねてきたが、それを理解していながら、紫式部本人は知らないふり(無視)をしていた、ということだ。
ここからでもわかるとおり、わざわざ作者はどんなものかと訪ねてくる人がいるほどに、この時点で(男女関係なく)多くの人に『源氏物語』は読まれていたことだろう。
日本で最も有名な(?)古典であり、世界最古の長編小説とされる『源氏物語』が、古典の日の由来となったのは妥当かもしれない。
古典を一概には定義づけられないが、『なぜ古典を読むのか』の著者であるイタロ・カルヴィーノさんによれば、「人がそれについて、『いま、読み返しているのですが』とは言っても、『いま、読んでいるところです』とはあまり言わない本」「読んでそれを好きになった人にとって、ひとつの豊かさをもたらす本」「いつまでも意味の伝達を止めることがない本」「人から聞いたり、それについて読んだりして、知り尽くしているつもりになっていても、いざ自分で読んでみると、新しい、予期しなかった、それまで誰にも読まれたことのない作品に思える本」などと定義づけている。
古典の字義について、中国古文字学の代表的な労作とされる『説文解字』によれば、「古」は「十」と「口」から成る会意文字で、文字のなかった古代において、口承で前の人の言語を識ったことによる。同じく「典」は、『説文解字』の解説によると机の上に冊を置く形を表す。書物を机の上に置くとは、その書物に対して尊敬の意を表現したものである。
日本の文献上に初めて「古典」の字が現れたのは、いつごろか詳しくわかっていない。
ただ、『太平記』巻二にある「長崎新左衛門尉意見事」という項目に、現在断行しようとしている重大な企が正しいものであると主張し、その根拠を「古典」に求めたという内容が書かれている。
英語の「Classic」は、ラテン語の「Classicus」から派生した言葉である。それが「第一級の」という意に転じたのだとされる。
明治二十五年刊の『英和辞典』(島田豊著)に、一般的には第一級の作品に対して適宜に、厳密にはギリシャ・ローマの作品に対して用いられる、というようなことが書かれている。
明治二十一年刊の『漢英対照 いろは辞典』(高橋五郎著)には「こてん、古典、ふるきふみ、古書」とあり、「Classic」の訳語として用いられた。
古典の範囲について文科省の通知によれば、明治期の作品なども含まれ得るらしい。このコーナーでは、広義の「古典」をこれから紹介していこうと思う。
…………。
……。
参考文献:
☆河出文庫『なぜ古典を読むのか』著:イタロ・カルヴィーノ、訳:須賀敦子(二〇一二年)
☆岩波文庫『古典学入門』著:池田亀鑑(一九九一年)
☆講談社学術文庫『紫式部日記(上)全訳注』訳注:宮崎荘平(二〇〇二年)
参考サイト:
☆古典の日とは|古典の日|11月1日は古典の日
(https://hellokcb.or.jp/kotennohi/home/about/#headerS)
☆書店新風会
(https://www.shinpukai.jp/contents/index.html)
☆文化庁|文化庁月報|古典の日について
(https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_10/special_02/special_02.html)
☆世界本の日 サン・ジョルディの日::日本書店商業組合連合会「本屋さんへ行こう!」
(https://www.n-shoten.jp/santjordi.html)
☆コトバンク
(https://kotobank.jp/word/世界図書・著作権デー-718295)
参考PDF:
☆古典の日に関する法律について
(https://www.bunka.go.jp/pr/publish/bunkachou_geppou/2013_10/special_02/images/pdf_01.pdf)
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