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第二章 冒険出発の篇
46-1 冒険者ギルド
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次の日、みんなは誰かの唸り声で目を覚ました。
「…う~ん…う~ん…」
アカリが声の主を揺さぶる。
アカリ「アイ、大丈夫?…」
アイ「…う~ん…身体が痛いの…ダメだ…」
ナオが慌ててアイのそばへ行く。
ナオ「どうしたの?…どこか痛むの?…」
アイ「いや…身体中が筋肉痛みたい…ちょっと『ヒール』かけてくんないかな…」
ナオはホッとして、うつ伏せになったアイに『ヒール』をかけた。
ナオが身体全体にしっかりと『ヒール』をしたおかげでアイも次第に良くなってくる。
アイ「ありがとう…だいぶ楽になったよ…」
ツグミ「昨日は凄い闘いだったから…」
ルカ「そうだよ…あんなふうにジャンプしてクマを仕留めるなんて…」
ナオ「その後もみんなを代表して、話してくれたし…」
アイは立ち上がると腕を突き上げて大きく伸びをした。
他のみんなも毛布から起き上がるが、疲労で身体が重だるい。
ソラは眠気を覚ますためか両掌で軽く顔を叩く。アユミとルカはもうパンと飲み物をストレージから出していた。
全員で集まって朝食を取り出すが、昨日の疲れでみな口数が少ない。
ナオ「ねえ、今日はどうするの?…」
アイ「う~ん…あのね…」
ソラ「アイもお疲れだし、休みにしてもいいんじゃない?」
アユミ「休みって(笑)…」
モア「それ、賛成!」
アカリ「(笑)」
ソラとモアが嬉々として休みを主張するのに対して、ルカが真面目な顔で言う。
ルカ「でも…せっかく落ち着いたから…洗濯とかしたいけど…」
ソラ「その前に着替えたい…」
ツグミ「だったら、やっぱり洗濯だよー…」
モア(小声で)「…洗濯って…みんなで…するの…」
話が休みから遠ざかりだしたのを感じて、モアは心配そうな表情になった。
アカリは笑顔でそんなモアの肩を叩く。
アカリ「こんな世界にいたら、休みはないよ(笑)…」
ソラ「…だよね…」
アユミ「ガッカリしないでね(笑)…」
モア「…うん……」
全員「(笑)…」
モアの明らかにガッカリした様子に、他のみんなが吹き出した。
アイが笑いながら話を元に戻す。
アイ「(笑)…あのね、私が言おうと思ったのはもう一度村長さんに会って話が聞きたいってこと…」
アカリ「昨日、色々聞かなかった?」
アイ「でも、肝心のギルドのこととか聞けなかったでしょ…
あと、この村から一番近い町までどれぐらいだとか、移動手段は歩くしかないのかとか…
そういうことを聞かないとこれからのことが決められないから…」
アユミ「確かに…」
人に会った、その次のことを考えないといけないことに、みんな今更ながら気がついた。
ナオ「…で、私たち、これからどうすればいいんだろう…」
ルカ「ギルドにゴブリンを売りに行くだけ?…」
アカリ「RPGだとこれからどういう展開?」
アカリは冗談半分で言ったのだが、ソラは真面目に考える。
ソラ「ゲームだとザコキャラを倒しながらレベル上げて、あとアイテムとかお金とか手に入れる…」
タクミ「えっ、ザコキャラってこっから戦いに行くの?」
アカリ「そこまですることはないだろうけど…」
アユミ「今に当てはめると、お金を手に入れないといけないみたい…」
ツグミ「100ゴールドって、どれぐらいの価値なのかなあ…」
アイ「お金を手に入れるって言っても、私たちだとソラが言うみたいに武術とか魔法を使って何かを倒して、っていうことになると思うけど…」
タクミ「…何かって、魔獣のことだし…ザコキャラってなるとゴブリンだけど…」
ソラ「…魔獣…結構ヤバいね…」
タクミ「いや、魔獣もオオカミも相当ヤバかったよ…」
モア「魔獣もオオカミはもうイヤだよー…」
ルカ「でも、魔獣を倒したら誰かからお金が貰えるのかな?…」
アカリ「確かにアイが言うように、そういうお金のことも聞かないとダメだね…」
しなければならないことが次から次へと出てきて、みんな何から始めればいいのか、顔を見合わせたままになった。
ナオがそんなみんなを落ち着かせるように言う。
ナオ「アイが言ったように、まずは情報収集だね。私たち、この世界のこと、何も知らないわけだから…」
ソラ「そうか、RPGでもまずは村人たちに話を聞く、だった。」
ソラが真剣に言うので、何人かがクスクス笑う。
ソラ「えー?、何で笑うのー…」
アカリ「いや、ゲームのことを真剣に言ったから(笑)…」
ソラ「ダメ?役に立たない?…」
ナオ「いや、そんなことないよ(笑)…レベル上げに出る前に、出来るだけ色んな話を聞かないとダメだね…」
ルカ「ゲームのことだからって、笑うことじゃないよ…」
ソラ「でしょー(笑)…」
アイ「(笑)…」
アユミ「(笑)…」
話しているうちに全員が朝食を食べ終わり、ナオとルカが片付け始めた。その間にアユミが小屋の奥を見に行く。
アユミ「この奥、土間になっててかまども三つぐらいあるよ…
それにその奥は外に繋がってるけど板張りの床があって、壁も天井もあるから水浴びしたり、洗濯したりできる…外に溝もあるし…」
ルカ「じゃあ、とりあえずコップ洗ってくる…」
ツグミ「私も手伝うよ…」
それぞれが作業を始めようとすると、ナオがアイの顔を見て聞く。
ナオ「村長のところって、全員で行かなきゃダメかな…」
アカリ「何人か、ここに残るってこと?」
アユミ「その間に洗濯とかできるけど…」
アイは腕を組んで少しの間考えてから顔を上げた。
アイ「やっぱり大事なことだから、みんなで聞きに行った方がいいよ。
昨日のツグミみたいに、他のみんなが思ってなかったことを思い出す人もいるかもしれないし…」
ナオ「それぞれ考えてることがちょっとずつ違うから…」
アユミ「そういうのって、意外と大事だよね…」
アカリ「それに全員の意思統一っていうのができるから…」
ツグミ「じゃあ、みんなでルカちゃんやアユミちゃんを手伝って、それから行こうよ」
アイ「オーケー。ツグミの言う通りだね。」
アカリ「それじゃあ、何をすればいいかな…」
ルカ「洗ってないままのコップが結構いっぱいあるから、それから片付けよう。」
ソラ「り(了解)!…行こう!」
アイ「ハイハイ、タクミも行って手伝いなよ、ヤッてるだけじゃダメなんだから。」
タクミ「…ハイ…」
ルカ「(笑)…」
アユミ「その前に、みんな、着替えてね。ここに来るまでの間、ずっとそのままだったでしょ。」
全員「了解しました(笑)。」
アユミに促されるまま、メンバーはそれぞれ旅の間着た切りだった衣服を着替える。
そして、着替えた順から裏に行って食器洗いを片付けていく。ルカとツグミに、ソラとアカリが手伝う。
アイとナオはその間に村長にどんな話をするのか相談をして、アユミはタクミとモアに手伝わせ全員の洗濯物を整理してどの順番で洗っていくのかを考えていた。
モア「9人分って、すごくいっぱい…」
アユミ「洗濯のために、4,5日、ここに居続けたいね…」
それでもルカたちがコップやお皿を洗い終わると、みんなは村長の家へ行く準備をした。
アイ「村長の家って、どっちか分かる?」
アユミ「ギリアさんの家に寄ってから来たから…」
ルカ「それにもう、暗くなってきてたし…」
ナオ「みんな分からない?」
ソラ「村の誰かに聞くしかないよ…」
村長の家へどうやって行けばいいのか、分からないまま全員がぞろぞろと小屋を出ると、ちょうどそこにニコがやって来た。
ニコ「おはようございます。今日はどうされますか?」
こちらから何も言ってないのにニコが現れたことに皆、少し驚く。
アイ「おはようございます。」
ニコ「おはようございます。村長からお客様に何か御用がないか聞いてくるようにと言われましたので…」
アイ「よかった…実は改めて村長さんに伺いたいことがあって、それで村長さんの家へお邪魔しようと思っていました。」
ニコは微笑んで「ではご案内いたしましょう」と言うと、すぐに歩き始めた。アイたちもその後についていく。
村ではあちこちで女たちが洗濯をしたり、柴を切ったりと家事に精を出していた。
子供は子供だけで集まって遊んでいる。アイたちが村の女たちのそばを通ると、彼女らは会釈をしてくれるが、子供たちは何となく遠巻きにしてアイたちのことを見ているだけだ。
村長の家へ行くと、彼はすでにひと仕事終えたような様子で現れた。
村長「おはようございます。豚や牛の様子を見てこなければならなかったので、このような格好で申し訳ございません。」
ニコ「皆様は村長にお聞きしたいことがあるそうです。」
村長「おー、昨日は宴のこともあって十分にお話できませんでしたから、どうぞ何なりとお伺い下さい。」
村長は家族らしき女性たちに何か言いつけると、彼女らはすぐに外へ出ていった。
アイたちは頭を下げて礼をする。
アイ「お仕事のところ、朝からお邪魔して申し訳ありません。実はギルドのこととかを伺いたくて…」
アイが話を始めたところにさっき出ていった女性たちが椅子をいくつも抱えて戻ってきた。
昨日思った通り、椅子のほとんどは周りの家からの借り物のようだ。
女性たちは椅子を並べると、アイたちに座るように勧める。
村長「申し訳ありません。私の家だけでは椅子が足りないもので…借り物ですが、どうぞお座り下さい。」
彼女らが昨日と同じように飲み物も用意しようとするのを見て、アイが丁重に断る。
アイ「私たちも食事をしてきたので…飲み物は大丈夫です。」
*楽しんでくださった方や今後が気になるという方は、「いいね」や「お気に入り」をいただければ励みになります。
また、面白かったところや気になったところなどの感想もいただければ幸いです。よろしくお願いします。
*2025年10月16日
読みやすさ改善のため、文章を大幅に変更しました。
一部の語句や文章の修正も行っていますが、内容は変更していません。
今後も文章の改変を随時行っていきます。ゆっくりマイペースで行いますので、どうかご理解下さい。
2025年12月18日。
文字数がかなり多いエピソードが増えてきましたので、エピソードを分割して読みやすくしていきます。
現状では文字数で機械的に分割を行っていますので、単純にページが増えているという感じでお読み下さい。
こちらもマイペースで進行いたしますので、ご容赦ください。
「…う~ん…う~ん…」
アカリが声の主を揺さぶる。
アカリ「アイ、大丈夫?…」
アイ「…う~ん…身体が痛いの…ダメだ…」
ナオが慌ててアイのそばへ行く。
ナオ「どうしたの?…どこか痛むの?…」
アイ「いや…身体中が筋肉痛みたい…ちょっと『ヒール』かけてくんないかな…」
ナオはホッとして、うつ伏せになったアイに『ヒール』をかけた。
ナオが身体全体にしっかりと『ヒール』をしたおかげでアイも次第に良くなってくる。
アイ「ありがとう…だいぶ楽になったよ…」
ツグミ「昨日は凄い闘いだったから…」
ルカ「そうだよ…あんなふうにジャンプしてクマを仕留めるなんて…」
ナオ「その後もみんなを代表して、話してくれたし…」
アイは立ち上がると腕を突き上げて大きく伸びをした。
他のみんなも毛布から起き上がるが、疲労で身体が重だるい。
ソラは眠気を覚ますためか両掌で軽く顔を叩く。アユミとルカはもうパンと飲み物をストレージから出していた。
全員で集まって朝食を取り出すが、昨日の疲れでみな口数が少ない。
ナオ「ねえ、今日はどうするの?…」
アイ「う~ん…あのね…」
ソラ「アイもお疲れだし、休みにしてもいいんじゃない?」
アユミ「休みって(笑)…」
モア「それ、賛成!」
アカリ「(笑)」
ソラとモアが嬉々として休みを主張するのに対して、ルカが真面目な顔で言う。
ルカ「でも…せっかく落ち着いたから…洗濯とかしたいけど…」
ソラ「その前に着替えたい…」
ツグミ「だったら、やっぱり洗濯だよー…」
モア(小声で)「…洗濯って…みんなで…するの…」
話が休みから遠ざかりだしたのを感じて、モアは心配そうな表情になった。
アカリは笑顔でそんなモアの肩を叩く。
アカリ「こんな世界にいたら、休みはないよ(笑)…」
ソラ「…だよね…」
アユミ「ガッカリしないでね(笑)…」
モア「…うん……」
全員「(笑)…」
モアの明らかにガッカリした様子に、他のみんなが吹き出した。
アイが笑いながら話を元に戻す。
アイ「(笑)…あのね、私が言おうと思ったのはもう一度村長さんに会って話が聞きたいってこと…」
アカリ「昨日、色々聞かなかった?」
アイ「でも、肝心のギルドのこととか聞けなかったでしょ…
あと、この村から一番近い町までどれぐらいだとか、移動手段は歩くしかないのかとか…
そういうことを聞かないとこれからのことが決められないから…」
アユミ「確かに…」
人に会った、その次のことを考えないといけないことに、みんな今更ながら気がついた。
ナオ「…で、私たち、これからどうすればいいんだろう…」
ルカ「ギルドにゴブリンを売りに行くだけ?…」
アカリ「RPGだとこれからどういう展開?」
アカリは冗談半分で言ったのだが、ソラは真面目に考える。
ソラ「ゲームだとザコキャラを倒しながらレベル上げて、あとアイテムとかお金とか手に入れる…」
タクミ「えっ、ザコキャラってこっから戦いに行くの?」
アカリ「そこまですることはないだろうけど…」
アユミ「今に当てはめると、お金を手に入れないといけないみたい…」
ツグミ「100ゴールドって、どれぐらいの価値なのかなあ…」
アイ「お金を手に入れるって言っても、私たちだとソラが言うみたいに武術とか魔法を使って何かを倒して、っていうことになると思うけど…」
タクミ「…何かって、魔獣のことだし…ザコキャラってなるとゴブリンだけど…」
ソラ「…魔獣…結構ヤバいね…」
タクミ「いや、魔獣もオオカミも相当ヤバかったよ…」
モア「魔獣もオオカミはもうイヤだよー…」
ルカ「でも、魔獣を倒したら誰かからお金が貰えるのかな?…」
アカリ「確かにアイが言うように、そういうお金のことも聞かないとダメだね…」
しなければならないことが次から次へと出てきて、みんな何から始めればいいのか、顔を見合わせたままになった。
ナオがそんなみんなを落ち着かせるように言う。
ナオ「アイが言ったように、まずは情報収集だね。私たち、この世界のこと、何も知らないわけだから…」
ソラ「そうか、RPGでもまずは村人たちに話を聞く、だった。」
ソラが真剣に言うので、何人かがクスクス笑う。
ソラ「えー?、何で笑うのー…」
アカリ「いや、ゲームのことを真剣に言ったから(笑)…」
ソラ「ダメ?役に立たない?…」
ナオ「いや、そんなことないよ(笑)…レベル上げに出る前に、出来るだけ色んな話を聞かないとダメだね…」
ルカ「ゲームのことだからって、笑うことじゃないよ…」
ソラ「でしょー(笑)…」
アイ「(笑)…」
アユミ「(笑)…」
話しているうちに全員が朝食を食べ終わり、ナオとルカが片付け始めた。その間にアユミが小屋の奥を見に行く。
アユミ「この奥、土間になっててかまども三つぐらいあるよ…
それにその奥は外に繋がってるけど板張りの床があって、壁も天井もあるから水浴びしたり、洗濯したりできる…外に溝もあるし…」
ルカ「じゃあ、とりあえずコップ洗ってくる…」
ツグミ「私も手伝うよ…」
それぞれが作業を始めようとすると、ナオがアイの顔を見て聞く。
ナオ「村長のところって、全員で行かなきゃダメかな…」
アカリ「何人か、ここに残るってこと?」
アユミ「その間に洗濯とかできるけど…」
アイは腕を組んで少しの間考えてから顔を上げた。
アイ「やっぱり大事なことだから、みんなで聞きに行った方がいいよ。
昨日のツグミみたいに、他のみんなが思ってなかったことを思い出す人もいるかもしれないし…」
ナオ「それぞれ考えてることがちょっとずつ違うから…」
アユミ「そういうのって、意外と大事だよね…」
アカリ「それに全員の意思統一っていうのができるから…」
ツグミ「じゃあ、みんなでルカちゃんやアユミちゃんを手伝って、それから行こうよ」
アイ「オーケー。ツグミの言う通りだね。」
アカリ「それじゃあ、何をすればいいかな…」
ルカ「洗ってないままのコップが結構いっぱいあるから、それから片付けよう。」
ソラ「り(了解)!…行こう!」
アイ「ハイハイ、タクミも行って手伝いなよ、ヤッてるだけじゃダメなんだから。」
タクミ「…ハイ…」
ルカ「(笑)…」
アユミ「その前に、みんな、着替えてね。ここに来るまでの間、ずっとそのままだったでしょ。」
全員「了解しました(笑)。」
アユミに促されるまま、メンバーはそれぞれ旅の間着た切りだった衣服を着替える。
そして、着替えた順から裏に行って食器洗いを片付けていく。ルカとツグミに、ソラとアカリが手伝う。
アイとナオはその間に村長にどんな話をするのか相談をして、アユミはタクミとモアに手伝わせ全員の洗濯物を整理してどの順番で洗っていくのかを考えていた。
モア「9人分って、すごくいっぱい…」
アユミ「洗濯のために、4,5日、ここに居続けたいね…」
それでもルカたちがコップやお皿を洗い終わると、みんなは村長の家へ行く準備をした。
アイ「村長の家って、どっちか分かる?」
アユミ「ギリアさんの家に寄ってから来たから…」
ルカ「それにもう、暗くなってきてたし…」
ナオ「みんな分からない?」
ソラ「村の誰かに聞くしかないよ…」
村長の家へどうやって行けばいいのか、分からないまま全員がぞろぞろと小屋を出ると、ちょうどそこにニコがやって来た。
ニコ「おはようございます。今日はどうされますか?」
こちらから何も言ってないのにニコが現れたことに皆、少し驚く。
アイ「おはようございます。」
ニコ「おはようございます。村長からお客様に何か御用がないか聞いてくるようにと言われましたので…」
アイ「よかった…実は改めて村長さんに伺いたいことがあって、それで村長さんの家へお邪魔しようと思っていました。」
ニコは微笑んで「ではご案内いたしましょう」と言うと、すぐに歩き始めた。アイたちもその後についていく。
村ではあちこちで女たちが洗濯をしたり、柴を切ったりと家事に精を出していた。
子供は子供だけで集まって遊んでいる。アイたちが村の女たちのそばを通ると、彼女らは会釈をしてくれるが、子供たちは何となく遠巻きにしてアイたちのことを見ているだけだ。
村長の家へ行くと、彼はすでにひと仕事終えたような様子で現れた。
村長「おはようございます。豚や牛の様子を見てこなければならなかったので、このような格好で申し訳ございません。」
ニコ「皆様は村長にお聞きしたいことがあるそうです。」
村長「おー、昨日は宴のこともあって十分にお話できませんでしたから、どうぞ何なりとお伺い下さい。」
村長は家族らしき女性たちに何か言いつけると、彼女らはすぐに外へ出ていった。
アイたちは頭を下げて礼をする。
アイ「お仕事のところ、朝からお邪魔して申し訳ありません。実はギルドのこととかを伺いたくて…」
アイが話を始めたところにさっき出ていった女性たちが椅子をいくつも抱えて戻ってきた。
昨日思った通り、椅子のほとんどは周りの家からの借り物のようだ。
女性たちは椅子を並べると、アイたちに座るように勧める。
村長「申し訳ありません。私の家だけでは椅子が足りないもので…借り物ですが、どうぞお座り下さい。」
彼女らが昨日と同じように飲み物も用意しようとするのを見て、アイが丁重に断る。
アイ「私たちも食事をしてきたので…飲み物は大丈夫です。」
*楽しんでくださった方や今後が気になるという方は、「いいね」や「お気に入り」をいただければ励みになります。
また、面白かったところや気になったところなどの感想もいただければ幸いです。よろしくお願いします。
*2025年10月16日
読みやすさ改善のため、文章を大幅に変更しました。
一部の語句や文章の修正も行っていますが、内容は変更していません。
今後も文章の改変を随時行っていきます。ゆっくりマイペースで行いますので、どうかご理解下さい。
2025年12月18日。
文字数がかなり多いエピソードが増えてきましたので、エピソードを分割して読みやすくしていきます。
現状では文字数で機械的に分割を行っていますので、単純にページが増えているという感じでお読み下さい。
こちらもマイペースで進行いたしますので、ご容赦ください。
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