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飛行機事故2。
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「大丈夫だから・・・。な?無事を確認して署に帰って来い。・・・な?」
要「・・・はい。」
署員の人の励ましを、聞いてるようで聞いてなかった俺。
俺は空港で車から下り、美都を探しに行った。
どこをどう探していいのか分からず、右往左往していたとき、ケータイの存在を思い出した。
要「そうだ・・・!電話・・・!」
俺はケータイを取り出して、震える手で美都に電話をかけた。
ピッ・・ピッ・・・ピッ・・・
ピッ・・・
要「もしもし!?美都!?」
通話状態になったケータイ電話。
美都の無事な声が聞けると思ったのに、俺の耳に届いた声は・・・美都じゃない声だった。
救命士「こちら救急隊です。このケータイ電話の持ち主の方と思われる女性は、現在搬送待ち状態です。」
要「・・・どこで!?」
救命士「空港西出口付近のロビーです。」
要「すぐ行きますから!!」ピッ・・・
俺は空港の中を走った。
救急隊の言ってた『搬送待ち状態』。
きっと軽いケガくらいだろう。
もしかしたら骨折とか・・・。
きっとそれくらいのケガで搬送待ちをしてるに決まってる。
そう信じて俺は美都のもとへ向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
要「・・・なんだよ、これ。」
『空港西出口付近のロビー』。
そこは戦場と化していた。
ケガの手当てを受けてる人。
担架で運ばれていく人、来る人。
人工呼吸や心臓マッサージを受けてる人。
全身を・・・ビニールで覆われてる人・・・。
何十人もが集まっていた。
要「これ・・全員乗客・・?」
俺は右に左に首を振りながら美都を探した。
軽症のところにいるはずだと思い、重点的に探したけどその姿が見つけられない。
要「くそっ・・どこだよ・・・。」
ふと、嫌なことが頭をよぎる。
あの・・・ビニールで覆われてる人の中に・・・美都がいるんじゃ・・・。
どくどくと心臓が嫌な音を鳴らす中、俺の前を担架が横切った。
その一瞬で見えた姿は・・・美都だった。
要「美都っ!!」
俺の声に、担架を持っていた救急隊が振り返った。
救急隊「あ!・・さっきの電話の方ですか!?」
要「はい!」
俺は担架に駆け寄った。
頭から血を流し、口からはチューブ。
だらんとした腕からは、もう美都の意識がないことがわかる。
救急隊「これから病院に搬送します!」
要「俺も行きます!」
美都にくっついて救急車に乗りこんだ。
救急隊「こちら、この女性の荷物だと思われるのですが・・・。」
そう言って渡してきた鞄。
間違いなく美都の鞄だった。
要「彼女の物です。」
救急隊「わかる限りでいいのですが、持病や既往歴など教えていただけますか?」
俺は美都の鞄から財布を取り出した。
病院の診察券を取り出す。
要「この病院に連絡してください。頭の手術をすることになってたんです。」
救急隊「そうですか。ちょっとお借りします。」
救急隊の人は搬送先の病院に電話をし、美都の主治医がいる病院と連絡を取ってくれたようだ。
救急隊「まもなく病院に到着します!」
見えてきた病院。
救急車がついたと同時に美都は下ろされ、処置室に運ばれていった。
要「・・・美都の両親に電話しないと。」
俺は美都のケータイを開いた。
おびただしい数の着信が入ってる。
要「『お父さん』。」
かけ直そうとしたとき、電話がかかってきた。
表示画面は『お父さん』だ。
ピッ・・・
要「もしもし。」
お父さん「みぃ!?・・・あれ?」
要「佐々木です。」
お父さん「要くんがみぃの電話に出た?なんで・・・。」
要「お父さん・・・飛行機事故のこと知ったんですね・・・。美都さんは今、処置室に入りました。頭から血をたくさん流してて・・・。」
お父さん「---っ!みぃを・・・美都を頼む。すぐに向かうから・・・。」
要「はい・・・。」ピッ・・・
美都のケータイを見つめてると、処置室から医者が飛び出てきた。
医師「青柳さんのご家族のかたは!?」
要「!!・・・はいっ!ここです!」
医者は俺の元に駆け寄ってきた。
要「・・・はい。」
署員の人の励ましを、聞いてるようで聞いてなかった俺。
俺は空港で車から下り、美都を探しに行った。
どこをどう探していいのか分からず、右往左往していたとき、ケータイの存在を思い出した。
要「そうだ・・・!電話・・・!」
俺はケータイを取り出して、震える手で美都に電話をかけた。
ピッ・・ピッ・・・ピッ・・・
ピッ・・・
要「もしもし!?美都!?」
通話状態になったケータイ電話。
美都の無事な声が聞けると思ったのに、俺の耳に届いた声は・・・美都じゃない声だった。
救命士「こちら救急隊です。このケータイ電話の持ち主の方と思われる女性は、現在搬送待ち状態です。」
要「・・・どこで!?」
救命士「空港西出口付近のロビーです。」
要「すぐ行きますから!!」ピッ・・・
俺は空港の中を走った。
救急隊の言ってた『搬送待ち状態』。
きっと軽いケガくらいだろう。
もしかしたら骨折とか・・・。
きっとそれくらいのケガで搬送待ちをしてるに決まってる。
そう信じて俺は美都のもとへ向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
要「・・・なんだよ、これ。」
『空港西出口付近のロビー』。
そこは戦場と化していた。
ケガの手当てを受けてる人。
担架で運ばれていく人、来る人。
人工呼吸や心臓マッサージを受けてる人。
全身を・・・ビニールで覆われてる人・・・。
何十人もが集まっていた。
要「これ・・全員乗客・・?」
俺は右に左に首を振りながら美都を探した。
軽症のところにいるはずだと思い、重点的に探したけどその姿が見つけられない。
要「くそっ・・どこだよ・・・。」
ふと、嫌なことが頭をよぎる。
あの・・・ビニールで覆われてる人の中に・・・美都がいるんじゃ・・・。
どくどくと心臓が嫌な音を鳴らす中、俺の前を担架が横切った。
その一瞬で見えた姿は・・・美都だった。
要「美都っ!!」
俺の声に、担架を持っていた救急隊が振り返った。
救急隊「あ!・・さっきの電話の方ですか!?」
要「はい!」
俺は担架に駆け寄った。
頭から血を流し、口からはチューブ。
だらんとした腕からは、もう美都の意識がないことがわかる。
救急隊「これから病院に搬送します!」
要「俺も行きます!」
美都にくっついて救急車に乗りこんだ。
救急隊「こちら、この女性の荷物だと思われるのですが・・・。」
そう言って渡してきた鞄。
間違いなく美都の鞄だった。
要「彼女の物です。」
救急隊「わかる限りでいいのですが、持病や既往歴など教えていただけますか?」
俺は美都の鞄から財布を取り出した。
病院の診察券を取り出す。
要「この病院に連絡してください。頭の手術をすることになってたんです。」
救急隊「そうですか。ちょっとお借りします。」
救急隊の人は搬送先の病院に電話をし、美都の主治医がいる病院と連絡を取ってくれたようだ。
救急隊「まもなく病院に到着します!」
見えてきた病院。
救急車がついたと同時に美都は下ろされ、処置室に運ばれていった。
要「・・・美都の両親に電話しないと。」
俺は美都のケータイを開いた。
おびただしい数の着信が入ってる。
要「『お父さん』。」
かけ直そうとしたとき、電話がかかってきた。
表示画面は『お父さん』だ。
ピッ・・・
要「もしもし。」
お父さん「みぃ!?・・・あれ?」
要「佐々木です。」
お父さん「要くんがみぃの電話に出た?なんで・・・。」
要「お父さん・・・飛行機事故のこと知ったんですね・・・。美都さんは今、処置室に入りました。頭から血をたくさん流してて・・・。」
お父さん「---っ!みぃを・・・美都を頼む。すぐに向かうから・・・。」
要「はい・・・。」ピッ・・・
美都のケータイを見つめてると、処置室から医者が飛び出てきた。
医師「青柳さんのご家族のかたは!?」
要「!!・・・はいっ!ここです!」
医者は俺の元に駆け寄ってきた。
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