イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。

文字の大きさ
45 / 47

プロポーズ。

しおりを挟む
美都の記憶が戻った。





要「あとちょっとで上がるから待ってて。帰りに病院に行こう。」




美都の頭が痛かったのは、急激に記憶が戻った時の反動のようだった。

何かあったら病院・・・医者にそう言われてたし、一度病院に行くことにした。



美都「うん。待ってる。」




美都は和室でケータイを触ったり、本を読んだりしながら待つと言ってくれ、俺は事務室に戻った。









山下「・・・どう?美都ちゃん。」




仕事をしながら聞いてきた山下。




要「記憶が戻ったっぽい。」




そう言うと、山下は喜んだ。



山下「まじで!?よかったなっ!」

要「あぁ。帰りに一応病院連れてく。」

山下「そうだな。・・・あとはやっとくからもう上がれば?」

要「・・・そういうわけにもいかないだろう。」




山下は、『帰れ』攻撃をずっとしてきたけど、今まで変則で休みをもらってきた身だ。

勤務時間はちゃんと勤務する。




山下「美都ちゃんも喜ぶと思うのに・・・。」

要「美都はそんなこと喜ばない。だからいいんだよ。」




俺は勤務時間が終わるまで仕事をした。

時々美都の様子は見に行ったけど、顔色も良くなってたし、本人も平気そうだった。






要「・・・時間だ。」




定時になり、俺は仕事を上がった。

和室に美都を迎えに行き、一旦マンションに戻ってから俺の車に乗せた。




美都「大丈夫って言われると思うよ?」




助手席で美都はそう言う。




要「念の為。なんともなければそれでいいんだから。」




車を走らせ、病院に着いた俺たち。

美都は主治医からいくつかの問診を受けた。




医師「うん。もう大丈夫そうですね。」

要「!!・・・ありがとうございます!」

美都「だから言ったのに・・・。」

要「念の為って言っただろ?」




美都はぶぅぶぅ言ってたけど、俺は安心できて嬉しかった。





医師「次回、4日後に来院予定でしたね。伸ばして・・・1か月後にしましょうか。」

美都「はい。」

医師「・・・・まぁ、来週くらいまでは激しい運動は控えてくださいね。」

美都「はーい。」




診察も終わり、俺たちは帰路についた。

美都は車の助手席でご機嫌だった。




要「・・・思い出して嬉しい?」

美都「うんっ。・・・ごめんね?たくさん傷つけて・・・。」





記憶がなかったころもちゃんと覚えてるみたいだ。




要「いいよ。もう一回付き合えたんだし。」



そう言うと、美都は顔をちょっと赤くしながら聞いてきた。




美都「あのね・・・飛行機に乗る前に考えてたことがあるの。」

要「なに?」

美都「実家で・・・お父さんに言ったことを・・・もう一度聞きたくて・・・。」





・・・プロポーズにも取れるような発言をしたことか。




美都は・・・嬉しさ半分、期待が半分・・・みたいな顔で俺を見ていた。



要「じゃあ、言うけど・・・その前に付き合ってくれる?」

美都「?・・・どこに?」

要「・・ナイショ。」




俺は車を走らせた。

街を抜け・・・山の中を走り・・・

目的の場所に着いたときはもう辺りは真っ暗だった。




要「・・・見えてる?」

美都「うん。病院でもちゃんと見えることがわかってた。」

要「そっか。」




美都の手を引いて、少し坂を上る。

しばらく入院してたこともあって、美都はすぐに息を荒くし始めた。




美都「はぁっ・・はぁっ・・・・。」

要「あとちょっとだから・・・。」

美都「大丈夫っ・・・。」




だんだんと緩やかになる上り坂。

平坦な道が現れ、少し進むと開けた景色が広がっていた。



顔を上げれば見える、星空。

辺りに人工の光は無く、無数とも呼べるほどの星が空に散りばめられていた。





美都「うわ・・・・すごい・・・。」

要「幸いにも今日は三日月。」

美都「私のネックレスと一緒・・・。」




真上を見てる美都を支えるために、俺は美都の後ろに回った。

後ろから抱きしめ、真上を見てる美都を見下ろす。




美都「きれいだね。」

要「あぁ。美都もきれいだよ。」

美都「もー・・・。」

要「・・・目は治った。これから美都はどんな職業にだって就くことができるよ。」




美都は目線を星空から俺に移した。



美都「・・・ほんとだ。」

要「どんな仕事に就いても・・・俺は美都の側を離れたくない。苦しいときは側にいる。楽しいときは一緒に笑いたい。」

美都「要さん・・・。」






美都を抱きしめる腕に力が入る。

美都を誰にも渡したくない。

美都を幸せにするのは俺だ。






たった数文字しかない言葉を想いを込めて言う。






要「・・・・・・結婚してください。」









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『番外編』イケメン彼氏は警察官!初めてのお酒に私の記憶はどこに!?

すずなり。
恋愛
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の身は持たない!?の番外編です。 ある日、美都の元に届いた『同窓会』のご案内。もう目が治ってる美都は参加することに決めた。 要「これ・・・酒が出ると思うけど飲むなよ?」 そう要に言われてたけど、渡されたグラスに口をつける美都。それが『酒』だと気づいたころにはもうだいぶ廻っていて・・・。 要「今日はやたら素直だな・・・。」 美都「早くっ・・入れて欲しいっ・・!あぁっ・・!」 いつもとは違う、乱れた夜に・・・・・。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんら関係ありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...