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珍しい血液型はナイショ。
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秋也さんは体を起こして私に手を差しのべてくれた。
千冬「ありが・・・・・」
秋也「『ございます』はいらないから。」
五つや六つも離れてる人にタメ口はどうかと思うけど、秋也さんの一言で何を言いたいのか理解できた。
千冬「・・・・・ありがとう。」
出された手を取り、体を起こす。
昨日はふらふらだった体は
嘘みたいに元気になっていた。
秋也「どう?」
千冬「もう大丈夫・・・。」
秋也「よかった。リビングでソファーに座っときな?果物切るし。」
千冬「あっ・・・私が・・・・」
秋也「病み上がりなんだし座っときな。」
千冬「はい・・・。」
寝室から出て、リビングに向かった。
千冬「ほんとにおうちだった・・・。」
見たことのあるリビングダイニングにキッチン。
この前お邪魔した景色がそこにあった。
秋也「りんご、食えそう?」
千冬「はい。好きですー。」
秋也「よかった。ちょっと待ってな。」
キッチンに入っていった秋也さん。
私はソファーに座らず、キッチンカウンターから覗き込んだ。
秋也「ん?」
千冬「見てて・・いい?」
秋也「ははっ。どうぞご自由に?」
りんごをさっと洗ってナイフで切っていく。
手慣れた感じは・・・料理をする人だとすぐにわかった。
秋也「ん。」
一口サイズになったりんごを私の口元に差し出してきた秋也さん。
そのまま口を開けると、りんごが放り込まれた。
千冬「!・・・おいしいっ。」
秋也「なんでかわかんないけど風邪のときはりんごが美味いんだよなー・・。」
千冬「あ、それわかります。」
小さいころとか、弱ってるときによくお母さんが向いてくれたりんごの味は忘れない。
秋也「ほら切れた。」
キレイにお皿に並べられたりんご。
秋也さんはそのお皿をダイニングのテーブルに置いた。
秋也「どうぞ?」
椅子に座り、りんごを手に取る。
千冬「いただきます・・・。」
しゃくしゃくと歯ごたえのいいりんご。
噛むと溢れる果汁は、乾いた喉を潤してくれる。
秋也「もう大丈夫そうだけど・・・今日、どうする?」
千冬「今日って・・・秋也さんもお休み?」
秋也「うん。無理はさせたくないけど・・・デートしたいなって。」
千冬「・・・・デート!」
秋也さんからのデートのお誘いに心が躍る。
前はお付き合いをする前にしてたデート。
今回は・・・
秋也「付き合って初めてのデート。・・・どう?」
千冬「!!・・・・い・・」
秋也「『い』?」
千冬「行きたい・・です。」
秋也「ははっ。じゃあどこにしようか。疲れなくて・・楽しめそうなとこは・・・。」
二人で頭を捻りながら考えたけど、なかなか思いつかない。
秋也「あ、ちょっと先だけど花が多い公園がある。」
千冬「・・・公園!」
秋也「ゆっくり散歩・・・どう?」
千冬「楽しみですっ。」
お皿に乗ったりんごを二人で食べ進め、私たちは家を出た。
公園までは、歩いて行ける距離だったけど秋也さんが車を出してくれた。
秋也「帰りに家まで送るし。」
千冬「すみません・・・。」
そう言って秋也さんに連れてきてもらった公園は、見たことがないくらい大きな公園だった。
千冬「・・・すごい。」
秋也「国内最大の公園。知らなかった?」
千冬「大きい公園があることは知ってたけど・・・最大級は知らなかった・・・。」
色とりどりの花が咲き乱れる小道。
はるか遠くに噴水があるのも見える。
秋也「ぐるっと回って来れる造りになってるハズなんだよ。歩こうか、お互いの話をしながら。」
千冬「!・・・うんっ。」
歩き始めた私たち。
昔話や・・・好きなもの、嫌いなものを色々話した。
秋也「・・・千冬はいつからうちの病院に?」
千冬「ほぼ、生まれた時からですよ。生まれた病院で手に負えない血液型だったんで転院したんです。」
秋也「珍しい血液型は病院内でもシークレットだからなー。気づかなかった。」
千冬「『シークレット』?」
秋也「千冬ほど珍しいのなんていないけど、ちょっと珍しいくらいの血は・・・闇取引で売られたりする。看護師や医師がくすねて売ってるって噂もあるくらいだ。」
千冬「へぇー・・・。」
『血の売買』なんて想像もしなかった。
秋也「だから珍しすぎる千冬の血液型はおいそれと教えちゃダメだからな?」
千冬「知らなかった・・・。」
おじさん先生からそんな話は聞いたことがない。
でも・・・おじさん先生が私の血液型を口にしたことも・・・ない。
千冬「ありが・・・・・」
秋也「『ございます』はいらないから。」
五つや六つも離れてる人にタメ口はどうかと思うけど、秋也さんの一言で何を言いたいのか理解できた。
千冬「・・・・・ありがとう。」
出された手を取り、体を起こす。
昨日はふらふらだった体は
嘘みたいに元気になっていた。
秋也「どう?」
千冬「もう大丈夫・・・。」
秋也「よかった。リビングでソファーに座っときな?果物切るし。」
千冬「あっ・・・私が・・・・」
秋也「病み上がりなんだし座っときな。」
千冬「はい・・・。」
寝室から出て、リビングに向かった。
千冬「ほんとにおうちだった・・・。」
見たことのあるリビングダイニングにキッチン。
この前お邪魔した景色がそこにあった。
秋也「りんご、食えそう?」
千冬「はい。好きですー。」
秋也「よかった。ちょっと待ってな。」
キッチンに入っていった秋也さん。
私はソファーに座らず、キッチンカウンターから覗き込んだ。
秋也「ん?」
千冬「見てて・・いい?」
秋也「ははっ。どうぞご自由に?」
りんごをさっと洗ってナイフで切っていく。
手慣れた感じは・・・料理をする人だとすぐにわかった。
秋也「ん。」
一口サイズになったりんごを私の口元に差し出してきた秋也さん。
そのまま口を開けると、りんごが放り込まれた。
千冬「!・・・おいしいっ。」
秋也「なんでかわかんないけど風邪のときはりんごが美味いんだよなー・・。」
千冬「あ、それわかります。」
小さいころとか、弱ってるときによくお母さんが向いてくれたりんごの味は忘れない。
秋也「ほら切れた。」
キレイにお皿に並べられたりんご。
秋也さんはそのお皿をダイニングのテーブルに置いた。
秋也「どうぞ?」
椅子に座り、りんごを手に取る。
千冬「いただきます・・・。」
しゃくしゃくと歯ごたえのいいりんご。
噛むと溢れる果汁は、乾いた喉を潤してくれる。
秋也「もう大丈夫そうだけど・・・今日、どうする?」
千冬「今日って・・・秋也さんもお休み?」
秋也「うん。無理はさせたくないけど・・・デートしたいなって。」
千冬「・・・・デート!」
秋也さんからのデートのお誘いに心が躍る。
前はお付き合いをする前にしてたデート。
今回は・・・
秋也「付き合って初めてのデート。・・・どう?」
千冬「!!・・・・い・・」
秋也「『い』?」
千冬「行きたい・・です。」
秋也「ははっ。じゃあどこにしようか。疲れなくて・・楽しめそうなとこは・・・。」
二人で頭を捻りながら考えたけど、なかなか思いつかない。
秋也「あ、ちょっと先だけど花が多い公園がある。」
千冬「・・・公園!」
秋也「ゆっくり散歩・・・どう?」
千冬「楽しみですっ。」
お皿に乗ったりんごを二人で食べ進め、私たちは家を出た。
公園までは、歩いて行ける距離だったけど秋也さんが車を出してくれた。
秋也「帰りに家まで送るし。」
千冬「すみません・・・。」
そう言って秋也さんに連れてきてもらった公園は、見たことがないくらい大きな公園だった。
千冬「・・・すごい。」
秋也「国内最大の公園。知らなかった?」
千冬「大きい公園があることは知ってたけど・・・最大級は知らなかった・・・。」
色とりどりの花が咲き乱れる小道。
はるか遠くに噴水があるのも見える。
秋也「ぐるっと回って来れる造りになってるハズなんだよ。歩こうか、お互いの話をしながら。」
千冬「!・・・うんっ。」
歩き始めた私たち。
昔話や・・・好きなもの、嫌いなものを色々話した。
秋也「・・・千冬はいつからうちの病院に?」
千冬「ほぼ、生まれた時からですよ。生まれた病院で手に負えない血液型だったんで転院したんです。」
秋也「珍しい血液型は病院内でもシークレットだからなー。気づかなかった。」
千冬「『シークレット』?」
秋也「千冬ほど珍しいのなんていないけど、ちょっと珍しいくらいの血は・・・闇取引で売られたりする。看護師や医師がくすねて売ってるって噂もあるくらいだ。」
千冬「へぇー・・・。」
『血の売買』なんて想像もしなかった。
秋也「だから珍しすぎる千冬の血液型はおいそれと教えちゃダメだからな?」
千冬「知らなかった・・・。」
おじさん先生からそんな話は聞いたことがない。
でも・・・おじさん先生が私の血液型を口にしたことも・・・ない。
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