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退院。
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秋也side・・・
それから2週間もすれば、千冬の体調は元に戻った。
体力の面は・・・・仕事をしながら回復してもらうとして、一旦退院することになった。
千冬「お世話になりましたー。」
看護師たちに挨拶をして回る千冬。
秋也「また来月来るんだから・・・。」
そう言っても千冬はあいさつ回りを止めない。
この律義さが千冬の『指名』を増やしてるのかもしれない。
千冬「秋也さんもっ。」
秋也「?・・・俺?」
千冬は俺の前に来て、深く頭を下げた。
千冬「私の心臓を一生懸命動かそうとしてくれてありがとう。」
秋也「・・・・死なれたら困るからな、俺が。」
そう言うと千冬はいい笑顔で笑ってくれた。
千冬「・・・・ふふっ。」
秋也「ほら、マンション戻るぞ。」
千冬の荷物を持って歩き始める。
千冬「あっ、私持つっ。」
秋也「持たすわけないだろ?千冬はこっち。」
片手に荷物を集め、開けた手を千冬に差し出す。
すると千冬は顔を赤くしながら俺の手を握った。
秋也「・・・照れてるのか?」
千冬「---っ!・・・ちょっと。」
照れ笑いする千冬。
その姿がかわいすぎて、人目をはばからず唇を重ねた。
ちゅっ。
千冬「!?」
秋也「・・・かわいすぎる千冬が悪い。」
途端に顔を真っ赤に染める千冬。
その顔が俺の庇護欲・独占欲をかき立てるとも知らずに・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
千冬「・・・あの、秋也さん?」
マンションに送ってきた俺に、千冬が尋ねてきた。
秋也「うん?」
千冬「マンションって言ったよね?」
秋也「言った。」
千冬「ここ・・・『秋也さんの』マンションだけど・・・?」
車で送り届けたのは『俺の』マンション。
駐車場で千冬がごにょごにょ言っていた。
秋也「あんなかわいいことされて、そのまま帰すわけないじゃん。」
千冬「---っ!?」
エレベーターにのせて部屋に向かう。
千冬「あの・・・私、病み上がり・・・。」
秋也「俺も充電させてよ。」
玄関の鍵を開け、中に入った俺は荷物をリビングに置き寝室に千冬を連れて行った。
ベッドに寝かせ、後ろから抱きしめるようにして添い寝する。
秋也「あー・・・気持ちいい・・・。」
ぎゅーっと抱きしめる千冬の体。
細っこいけど抱き心地がよかった。
千冬「ふふ。私も気持ちいい・・・。」
クルっと体を回転させて俺に抱きつく千冬。
ただただ抱きしめ合うだけだけど、心が満たされていった。
千冬「・・・ごめんね。迷惑かけて。」
秋也「迷惑じゃないよ。俺、あんな千冬もう見たくないから・・。」
千冬「?」
秋也「あんな・・・血の気のない・・・生きてないような千冬・・・。」
心停止した千冬は怖かった。
二度と笑ってくれないようになるのかと思ったら・・・ゾッとした。
秋也「・・・笑ってて。」
千冬「え?」
秋也「俺の隣でずっと笑ってて。歳を取って・・・じーさん、ばーさんになっても・・・俺の隣で笑ってて欲しい。」
千冬「秋也さん・・・・。」
俺の胸に顔を埋めてきた千冬。
ぎゅっと力いっぱい俺の体を抱きしめてる。
秋也「・・・千冬?」
千冬「あのね?私の病気は・・・治らない。でも・・・できるだけ治るようにがんばるから・・・ずっと側にいてもいい・・?」
微かに震えてるように感じる千冬の体。
俺は千冬の頬を手で包んで、上を向かせた。
目に・・・口づけを落とす。
ちゅ・・・・
千冬「?」
秋也「あの日、千冬がカフェに来てくれてよかった。」
年は少し離れてるけど、愛しい気持ちで溢れてる。
秋也「大事にするから・・・。」
そう言って優しく抱きしめる。
千冬「私も・・・ちゃんと秋也さんを支えれるように・・・がんばります。・・・ふふ。」
また俺に抱きついてくる千冬。
その日はずっと抱きしめ合いながら二人でクスクスと笑い合った。
俺は千冬が生きてることを感じながらその温もりに溺れた。
心から大切にしたい彼女は・・・俺にとっての宝物。
一生誰にも渡さない・・・宝物だ。
それから2週間もすれば、千冬の体調は元に戻った。
体力の面は・・・・仕事をしながら回復してもらうとして、一旦退院することになった。
千冬「お世話になりましたー。」
看護師たちに挨拶をして回る千冬。
秋也「また来月来るんだから・・・。」
そう言っても千冬はあいさつ回りを止めない。
この律義さが千冬の『指名』を増やしてるのかもしれない。
千冬「秋也さんもっ。」
秋也「?・・・俺?」
千冬は俺の前に来て、深く頭を下げた。
千冬「私の心臓を一生懸命動かそうとしてくれてありがとう。」
秋也「・・・・死なれたら困るからな、俺が。」
そう言うと千冬はいい笑顔で笑ってくれた。
千冬「・・・・ふふっ。」
秋也「ほら、マンション戻るぞ。」
千冬の荷物を持って歩き始める。
千冬「あっ、私持つっ。」
秋也「持たすわけないだろ?千冬はこっち。」
片手に荷物を集め、開けた手を千冬に差し出す。
すると千冬は顔を赤くしながら俺の手を握った。
秋也「・・・照れてるのか?」
千冬「---っ!・・・ちょっと。」
照れ笑いする千冬。
その姿がかわいすぎて、人目をはばからず唇を重ねた。
ちゅっ。
千冬「!?」
秋也「・・・かわいすぎる千冬が悪い。」
途端に顔を真っ赤に染める千冬。
その顔が俺の庇護欲・独占欲をかき立てるとも知らずに・・・。
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千冬「・・・あの、秋也さん?」
マンションに送ってきた俺に、千冬が尋ねてきた。
秋也「うん?」
千冬「マンションって言ったよね?」
秋也「言った。」
千冬「ここ・・・『秋也さんの』マンションだけど・・・?」
車で送り届けたのは『俺の』マンション。
駐車場で千冬がごにょごにょ言っていた。
秋也「あんなかわいいことされて、そのまま帰すわけないじゃん。」
千冬「---っ!?」
エレベーターにのせて部屋に向かう。
千冬「あの・・・私、病み上がり・・・。」
秋也「俺も充電させてよ。」
玄関の鍵を開け、中に入った俺は荷物をリビングに置き寝室に千冬を連れて行った。
ベッドに寝かせ、後ろから抱きしめるようにして添い寝する。
秋也「あー・・・気持ちいい・・・。」
ぎゅーっと抱きしめる千冬の体。
細っこいけど抱き心地がよかった。
千冬「ふふ。私も気持ちいい・・・。」
クルっと体を回転させて俺に抱きつく千冬。
ただただ抱きしめ合うだけだけど、心が満たされていった。
千冬「・・・ごめんね。迷惑かけて。」
秋也「迷惑じゃないよ。俺、あんな千冬もう見たくないから・・。」
千冬「?」
秋也「あんな・・・血の気のない・・・生きてないような千冬・・・。」
心停止した千冬は怖かった。
二度と笑ってくれないようになるのかと思ったら・・・ゾッとした。
秋也「・・・笑ってて。」
千冬「え?」
秋也「俺の隣でずっと笑ってて。歳を取って・・・じーさん、ばーさんになっても・・・俺の隣で笑ってて欲しい。」
千冬「秋也さん・・・・。」
俺の胸に顔を埋めてきた千冬。
ぎゅっと力いっぱい俺の体を抱きしめてる。
秋也「・・・千冬?」
千冬「あのね?私の病気は・・・治らない。でも・・・できるだけ治るようにがんばるから・・・ずっと側にいてもいい・・?」
微かに震えてるように感じる千冬の体。
俺は千冬の頬を手で包んで、上を向かせた。
目に・・・口づけを落とす。
ちゅ・・・・
千冬「?」
秋也「あの日、千冬がカフェに来てくれてよかった。」
年は少し離れてるけど、愛しい気持ちで溢れてる。
秋也「大事にするから・・・。」
そう言って優しく抱きしめる。
千冬「私も・・・ちゃんと秋也さんを支えれるように・・・がんばります。・・・ふふ。」
また俺に抱きついてくる千冬。
その日はずっと抱きしめ合いながら二人でクスクスと笑い合った。
俺は千冬が生きてることを感じながらその温もりに溺れた。
心から大切にしたい彼女は・・・俺にとっての宝物。
一生誰にも渡さない・・・宝物だ。
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