お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。

すずなり。

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見つけた。

千冬は『帰りたくなった』とかの理由で勝手に点滴の針を引っこ抜くような子じゃない。

大きな決断のもとにやったに違いない。




医師「千冬ちゃんの薬って全部あった?」

秋也「え?」

医師「この前、笹倉先生に渡したやつを間違って捨てられたって言って来た。1週間分追加で出したけど・・・」

秋也「あぁ、あの薬ならちゃんと机にありましたよ?今朝まであったの確認して・・・る・・・」




俺は頭の中で計算した。

主治医からもらった薬が30日分。

追加で1週間分。

他に手持ちの薬がまだあったから40日分くらい持ってたハズだ。

それに加えて、千冬の中絶可能期間はあと6週ないくらい・・・。





秋也「!!・・・堕ろせなくなるまで・・・姿を消すつもりか・・・?」




千冬は『産みたい』って言ってた。

それは・・・『医者』としては許せるものじゃない。

だから・・・『産む』道以外を潰すつもりなんじゃ・・・





秋也「俺!千冬のケータイ鳴らします!」

医師「僕は病院の中を探してくるよ!」





ケータイを取り出して千冬にかけた。




ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・




『おかけになった電話番号は電波の届かないところにあるかーーーーーーーーーー』



秋也「でるわけないよな・・・。」





『産んでも大丈夫』って言えばよかったのか・・?

そう言えば千冬は無断で出て行かなかったのか?



千冬との子供なんて・・・可愛いに決まってる。

堕ろさせるなんて・・・嫌だけど・・・千冬の命には代えられないんだよ・・・っ!





秋也「くそっ・・・・。」








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






その日の夜・・・




看護師「どこにもいないんで・・・おそらく外に出たと思われます。」

秋也「だよな・・・。ありがとう。」






仕事の合間に何時間もかけて探したけど千冬は見つからなかった。





医師「どこで6週間も過ごす気だろうねぇ・・・。」

秋也「・・・やっぱ家でしょうね。このあと行ってみます。」

医師「『ちゃんと』話し合うんだよ?」

秋也「・・・・・はい。」






俺は仕事を終わらせ、千冬のマンションに向かった。

マンションの前に車を止めて、エレベーターに乗る。





秋也「俺・・・千冬がどの部屋に住んでんのか知らないんだよなー・・。」




迎えに来るときは駐車場。

送ってくるときも駐車場。

泊まるときは俺の家だ。




秋也「表札があることを祈ろう・・・。」




そう思って5階にある部屋全部の表札を見たけど『八重樫』の文字は見つからなかった。




秋也「うーん・・・。」




1階に下りてエントランスで悩んでると、1台のバイクが止まった。

色や荷物から考えて『郵便屋』だ。




秋也「!!・・・あのっ・・すみませんっ・・・!」




俺はその人に駆け寄った。




郵便屋「?」

秋也「その郵便の中に5階の八重樫宛ってありませんか!?」




そう聞くと、郵便屋さんは申し訳なさそうに俺を見た。





郵便屋「すみません、書留を一件持って来ただけなので・・・。」

秋也「そう・・ですか・・・。」

郵便屋「明日の通常配達ならあると思いますけど・・・?」

秋也「!!・・・それ!何時に来ますか!?」

郵便屋「えーっと・・・朝11時くらいですかね。」

秋也「わかりました!ありがとう・・・!」






俺は次の日、郵便屋が来るのを待つことにした。







ーーーーーーーーーーーーーーーー






翌日・・・午前11時・・・




千冬のマンションのエントランスで郵便屋を待つ俺、秋也。




秋也(このマンション、集合ポストが無いから一軒ずつ回るんだよな。千冬宛があれば・・・部屋がわかる。)





じーっと道を見ながら待ってると、昨日の郵便屋がバイクでやって来た。





秋也「!!・・・すみませんっ・・!」



駆け寄ると、郵便屋は俺のことを覚えてたみたいで、千冬宛の郵便を差し出してきた。




郵便屋「はい、『八重樫 千冬様』の郵便。」

秋也「あ・・・いや・・・ポストにいれるところまで同行してもいいですか?」

郵便屋「?・・・いいですけど・・。」





俺は5階で郵便屋を待った。

何分かすると、郵便屋は5階に現れ、端から郵便を入れ始めた。

ちょうど千冬の部屋の前についた郵便屋は俺を手招きしてくれ・・・





郵便屋「入れますよ?」

秋也「お願いします。」




カシャン・・・と郵便を入れた。





秋也「ありがとう。」

郵便屋「どういたしまして。」





去って行った郵便屋。

俺は千冬の部屋のドアの横に立った。

ポストが開けられるかどうか・・・確かめるために。





秋也(家にいてたらポストを見に来るはず・・・。)




ドアに直接くっついてるポスト。

音が鳴るかどうか耳を澄ませた。








カサカサ・・・カシャン・・・・






秋也(!!・・・・いる!)







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