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ーーーーー
翌日。
私は連に間借りしてる作業部屋に朝からこもっていた。
昨日失ったハーバリウムを補充しないといけないからだ。
「ドライフラワーとボトルの数があまりないから・・・作れるところまで作って買い出しに行こうかな。」
そんなことを考えながら作業を進めた。
昨日散らばった花たちはもう使い物にならないけど、小物やロゴはキレイに洗い直せばまた使える。
「これはゴミ、これは・・・うーん、使えないかな。・・・あ、使えそうな花をかき集めてこっちのハーバリウムも作ってみようかな。」
分別しながら新しいハーバリウムも作っていく。
あれもこれもと作業してるといつの間にか時間は過ぎていき、ふと気がつけばもうお昼をとっくに回っていた。
「わ・・お昼ご飯食べるの忘れてた・・・。」
椅子の上で伸びを一つし、スマホを確認する。
するとそこに1件のメールが届いていた。
「ん?・・・あ、涼さんだ。」
スマホの画面には『涼さん』の文字。
タップして開くと件名に『緊急』とあった。
「?」
何かあったのかと思いながらメールの内容を見ようとしたとき、声をかけられた。
「・・・こんにちは。」
この部屋に人が来ることは滅多にないから、私は驚きながら振り返った。
「!!・・・こんにちは。」
部屋のドアのところにスタッフが立ってるのが見える。
貫地谷グループの制服を着てはいるものの、ボサっとした髪の毛で目元がよく見えない。
「こんな部屋で作業してるんですか?」
ドアの前で立ったまま話すスタッフに、私は椅子に座ったまま身を捻って答えた。
「はい。連・・あ、貫地谷グループに親しい人がいるので間借りさせていただいてるんです。」
「へぇー・・間借りですか。」
「ちょっと今まで使ってた場所が使えなくなったんで借りてるんです。・・・何か探し物ですか?」
この部屋は滅多に使わないものや今、使ってないものがしまわれてる。
誰かが探し物をしにくるか、しまう物をもってくる人しか来ない。
そして実際に来た人は今までで3人ほどだった。
「そうですね。」
「んー・・どんな物ですか?」
私は辺りをぐるっと見回した。
ここにあるものなら一通り見てるから覚えてるものも多い。
もしかしたら彼の探し物がわかるかもしれないからだ。
「大きいもの・・いや、小さいものですかね。」
「?・・花器とかではなくてですか?」
「花器・・花器には入りきらない大きなもの・・・」
「?」
彼は辺りを見回さずに、ゆっくり私に向かって足を向けた。
一歩、また一歩と近づいてくる姿に寒気を感じた時、私のスマホが鳴った。
「あ、すみません、電話・・・」
私はスマホを手に持ち、走り去るようにして彼の前を通り過ぎた。
そのままドアの外に出て電話に出る。
「・・・もしもし?」
電話の相手は涼さんだった。
『ハル!?今すぐ帰って来い!!』
「え?どうしたの?」
『いいから!!』
「う・・うん、わかった・・・。ちょっと荷物だけ取ってくるね?」
涼さんの只ならぬ物言いに、従うことにした私は鞄を取りに戻ろうとした。
その時、まだ電話が繋がってるスマホから涼さんの大きな声が聞こえてきたのだ。
『荷物はいらない!人の多いところを通って外に出ろ!早くっ!!』
「えぇぇ・・?う・・うん、わかった・・。」
私は言われた通り、そのまま歩いて外に向かった。
鞄だけでも持って帰りたいところだけど、涼さんの尋常じゃない感じに不安を覚えた。
少し走るようにして通路を進み、表に出る。
するとそこに涼さんの会社の車が止まっていたのだ。
「ハルさん・・!乗ってください・・!」
運転席にいたのは涼さんの会社の秘書さんだ。
言われるがままに私は車の後部座席に乗り込んだ。
「あの・・涼さんに何かあったんですか?」
車に乗った瞬間にロックがかけられたドア。
慌てるようにハンドルを切る秘書さんに、心が更に不安になる。
「社長じゃないです・・ハルさんなんです・・・」
「え?私・・?」
「詳しいことは社長から聞いてください!このまま会社に向かうんで・・!」
「わ・・わかりました・・・。」
よくわからないまま、私は涼さんの会社まで連れられて行った。
ーーーーー
(なんか・・・すごいことになってる・・・)
涼さんの会社の正面玄関で車を下りた私は、警備員さんたちに囲まれるようにして歩いていた。
前に横に後ろにと、私の回りを全て囲われてる。
(なに・・?なにがあったの・・?)
私はそんな警備員さんたちと一緒にエレベーターに乗り込んだ。
涼さんが仕事をしてる階のボタンを押されたのが見える。
(家・・じゃないんだ。)
私は警備員さんたちの動きに合わせるようにして足を進める。
この警備員さんたちはきっと、涼さんの指示で私を囲ってるに違いないからだ。
(もうほんと・・私の為にすみません・・・。)
そんなことを思いながら私は涼さんが仕事をしてる部屋に、警備員さんごと通されてしまったのだった。
ーーーーー
「ハル!よかった、無事で・・・」
私を見るや否や、涼さんは警備員さんたちの目もはばからずに抱きしめて来た。
「え!?ちょ・・・」
「警備ごくろうさん。もう戻っていいよ。」
警備員さんたちは涼さんの声に、部屋からぞろぞろと出て行った。
残されたのは私と涼さんだけだ。
「ねっ・・ねぇっ・・何があったの?電話で早く帰ってきてって・・・」
私はさっきの電話のことを聞いた。
すると涼さんは私を近くのソファーに座らせてくれた。
「いい?ゆっくりでいいから落ち着いて聞いて?」
「?・・・うん。」
何を言うのかと思ってじっと涼さんを見つめると、涼さんは私が想像もしないようなことを言った。
「ハルのマンションの火事・・・犯人は4年前のストーカーだ。」
翌日。
私は連に間借りしてる作業部屋に朝からこもっていた。
昨日失ったハーバリウムを補充しないといけないからだ。
「ドライフラワーとボトルの数があまりないから・・・作れるところまで作って買い出しに行こうかな。」
そんなことを考えながら作業を進めた。
昨日散らばった花たちはもう使い物にならないけど、小物やロゴはキレイに洗い直せばまた使える。
「これはゴミ、これは・・・うーん、使えないかな。・・・あ、使えそうな花をかき集めてこっちのハーバリウムも作ってみようかな。」
分別しながら新しいハーバリウムも作っていく。
あれもこれもと作業してるといつの間にか時間は過ぎていき、ふと気がつけばもうお昼をとっくに回っていた。
「わ・・お昼ご飯食べるの忘れてた・・・。」
椅子の上で伸びを一つし、スマホを確認する。
するとそこに1件のメールが届いていた。
「ん?・・・あ、涼さんだ。」
スマホの画面には『涼さん』の文字。
タップして開くと件名に『緊急』とあった。
「?」
何かあったのかと思いながらメールの内容を見ようとしたとき、声をかけられた。
「・・・こんにちは。」
この部屋に人が来ることは滅多にないから、私は驚きながら振り返った。
「!!・・・こんにちは。」
部屋のドアのところにスタッフが立ってるのが見える。
貫地谷グループの制服を着てはいるものの、ボサっとした髪の毛で目元がよく見えない。
「こんな部屋で作業してるんですか?」
ドアの前で立ったまま話すスタッフに、私は椅子に座ったまま身を捻って答えた。
「はい。連・・あ、貫地谷グループに親しい人がいるので間借りさせていただいてるんです。」
「へぇー・・間借りですか。」
「ちょっと今まで使ってた場所が使えなくなったんで借りてるんです。・・・何か探し物ですか?」
この部屋は滅多に使わないものや今、使ってないものがしまわれてる。
誰かが探し物をしにくるか、しまう物をもってくる人しか来ない。
そして実際に来た人は今までで3人ほどだった。
「そうですね。」
「んー・・どんな物ですか?」
私は辺りをぐるっと見回した。
ここにあるものなら一通り見てるから覚えてるものも多い。
もしかしたら彼の探し物がわかるかもしれないからだ。
「大きいもの・・いや、小さいものですかね。」
「?・・花器とかではなくてですか?」
「花器・・花器には入りきらない大きなもの・・・」
「?」
彼は辺りを見回さずに、ゆっくり私に向かって足を向けた。
一歩、また一歩と近づいてくる姿に寒気を感じた時、私のスマホが鳴った。
「あ、すみません、電話・・・」
私はスマホを手に持ち、走り去るようにして彼の前を通り過ぎた。
そのままドアの外に出て電話に出る。
「・・・もしもし?」
電話の相手は涼さんだった。
『ハル!?今すぐ帰って来い!!』
「え?どうしたの?」
『いいから!!』
「う・・うん、わかった・・・。ちょっと荷物だけ取ってくるね?」
涼さんの只ならぬ物言いに、従うことにした私は鞄を取りに戻ろうとした。
その時、まだ電話が繋がってるスマホから涼さんの大きな声が聞こえてきたのだ。
『荷物はいらない!人の多いところを通って外に出ろ!早くっ!!』
「えぇぇ・・?う・・うん、わかった・・。」
私は言われた通り、そのまま歩いて外に向かった。
鞄だけでも持って帰りたいところだけど、涼さんの尋常じゃない感じに不安を覚えた。
少し走るようにして通路を進み、表に出る。
するとそこに涼さんの会社の車が止まっていたのだ。
「ハルさん・・!乗ってください・・!」
運転席にいたのは涼さんの会社の秘書さんだ。
言われるがままに私は車の後部座席に乗り込んだ。
「あの・・涼さんに何かあったんですか?」
車に乗った瞬間にロックがかけられたドア。
慌てるようにハンドルを切る秘書さんに、心が更に不安になる。
「社長じゃないです・・ハルさんなんです・・・」
「え?私・・?」
「詳しいことは社長から聞いてください!このまま会社に向かうんで・・!」
「わ・・わかりました・・・。」
よくわからないまま、私は涼さんの会社まで連れられて行った。
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(なんか・・・すごいことになってる・・・)
涼さんの会社の正面玄関で車を下りた私は、警備員さんたちに囲まれるようにして歩いていた。
前に横に後ろにと、私の回りを全て囲われてる。
(なに・・?なにがあったの・・?)
私はそんな警備員さんたちと一緒にエレベーターに乗り込んだ。
涼さんが仕事をしてる階のボタンを押されたのが見える。
(家・・じゃないんだ。)
私は警備員さんたちの動きに合わせるようにして足を進める。
この警備員さんたちはきっと、涼さんの指示で私を囲ってるに違いないからだ。
(もうほんと・・私の為にすみません・・・。)
そんなことを思いながら私は涼さんが仕事をしてる部屋に、警備員さんごと通されてしまったのだった。
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「ハル!よかった、無事で・・・」
私を見るや否や、涼さんは警備員さんたちの目もはばからずに抱きしめて来た。
「え!?ちょ・・・」
「警備ごくろうさん。もう戻っていいよ。」
警備員さんたちは涼さんの声に、部屋からぞろぞろと出て行った。
残されたのは私と涼さんだけだ。
「ねっ・・ねぇっ・・何があったの?電話で早く帰ってきてって・・・」
私はさっきの電話のことを聞いた。
すると涼さんは私を近くのソファーに座らせてくれた。
「いい?ゆっくりでいいから落ち着いて聞いて?」
「?・・・うん。」
何を言うのかと思ってじっと涼さんを見つめると、涼さんは私が想像もしないようなことを言った。
「ハルのマンションの火事・・・犯人は4年前のストーカーだ。」
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