溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。

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春樹と雪華。

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ーーーーー





ーーーーー






雪華「あ、あったあった。もー・・やっぱりエプロンのポケットに入れたまんまだった・・・。」




エプロンのポケットにいれたままだったノートを見つけ、私は鞄の中に入れた。

店の裏口から外に出る。




雪華「裏口は街灯が少ないからちょっと不気味なんだよねー・・・。」



そんなことを思いながらも慣れた道だから足取りは重くない。

スタスタと歩いて行くと・・・暗い路地から私の名前を呼ぶ声が聞こえた。




春樹「・・・・せつ。」




その呼び方と・・・声に覚えがあった。



雪華「!・・・春樹・・。」




暗い路地にいたのは・・・春樹だった。




雪華「なに?何か用?」



わざわざ店の裏口付近にいた春樹は、私に用事があるとしか思えない。

でも・・・雄大さんがいないところで話なんてしたくもなかった。



春樹「俺とヨリ・・・戻さないか?」

雪華「え・・・?」

春樹「俺のこと・・・まだ好きだよな?」




自分勝手な春樹は・・・雄大さんとは真逆の人だ。

春樹しか知らなかったあの時は気づかなかったけど、私は『初めての彼氏「』って肩書に縛られてるだけだった。

もう春樹のことは・・・なんとも思ってない。



雪華「私、好きな人いるから・・・!」



そう言ってその場を去ろうと足を踏み出した。

でもその時、春樹が私の腕を掴んで・・・抱きしめて来た。




雪華「!?・・・ちょ・・!!」

春樹「消防士のやつだろ?」

雪華「知ってたの・・・?」

春樹「あいつともうヤった?」

雪華「!?・・・関係ないでしょ!?」

春樹「あいつとヤったんなら・・・俺ともできるよな?」

雪華「な・・・!!」




そう言って春樹は私の顎をすくった。

雄大さんがするような優しいものじゃなくて・・・乱暴に顎を掴まれてる。


そしてそのまま・・・・私の唇と春樹の唇は重なった。




ちゅ・・・!



雪華「んむ・・っ!?」

春樹「このままそこのホテルいこうぜ。お前の準備ができたんだもんな(笑)」

雪華「やっ・・!離して・・・!!」




ぐっと春樹の胸を押すけども、私の身体が解放される気配は全くない。

雄大さんだけが力が強いと思っていたけど・・・春樹も『男』だった。




雪華「離してってば・・・!!」

春樹「お前だけなんだよ!俺のこといつまでも拒みやがって・・・!」

雪華「離して!!」

春樹「さっさと来い!!」



春樹に無理矢理連れて行かれそうになったとき、一人の人がすごいスピードで私たちに近づいて来た。

そしてその人は春樹の身体を背中側からがしっと捕まえた。



圭「雪華ちゃん!逃げて!」

雪華「・・・圭くん!?」

春樹「圭・・・てめぇっ・・!」

圭「早くっ・・!」




圭くんが春樹の身体を捕まえたおかげで、私は春樹から解放された。

圭くんに言われた通り、そのまま走ってその場を去る。




雪華「はっ・・!はっ・・!」



距離を取ってから振り返ると、二人が何やら言い合いをしてるのが聞こえた。




圭「お前・・・犯罪だぞ!?」

春樹「圭・・・邪魔すんなよ。」

圭「邪魔とか言う話じゃないだろ!?襲うつもりか!?」

春樹「あいつさえ抱けばそれでいいんだよ!!」

圭「お前・・・最低だな。」




そんな会話が聞こえたあと、春樹はどこかに去って行った。



雪華(よかった・・・圭くんがケガしなくて・・・。)



安心したと同時に、私の目から涙がこぼれ落ち始めた。

春樹に・・・無理矢理とはいえ唇を許してしまったことに後悔を覚える。



雪華「うっ・・・ぅぐっ・・・」



春樹としてしまったキスを・・・無かったことにしたい思いから、私は手で唇をごしごしと擦った。

ぽろぽろとこぼれ落ちる涙を両手で拭きながら・・・私は自分のアパートを目指して歩き始める。



雪華「うー・・・。」




雄大さんに伝えたいけど・・・嫌われたらどうしようという気持ちが心を支配していく。



雪華「でも・・・『なんでも言って』って言ってた・・・。」




しばらくして見えてきた消防署。

私は悩みながらも雄大さんに伝える決心をして・・・消防署の敷地に入った。





ーーーーーー





雄大side・・・





雪華のご飯を食べて体力を回復した俺たちは、仕事がさくさくと進んでいた。

このままだったら・・・今週は家に帰れそうだ。




雄大「なんかお礼考えとかないとなー・・・。」



そんなことを考えてると、デスクルームのドアがノックされる音が聞こえた。




コンコン・・・・





「誰だ?」

「さぁ・・?」




そんな会話がされる中、ドアがキィ・・・と音を立てて開いた。

ドアの向こうにいたのは・・・雪華だ。




雪華「ゆ・・雄大さん・・いますか・・・。」

雄大「・・・どうした!?」




明らかに泣き腫らした顔をしてる雪華。

それに唇のあたりがなんだか赤かった。




雪華「雄大さん・・・ふぇ・・・」

雄大「!?・・・ちょ・・通路でようか・・・。俺、ちょっと出てきます。」

「おー・・・しっかり話聞いてやれ。」




リーダーに伝えて俺は雪華を連れて通路に出た。

少し奥まったところにある自販機のとこに連れ込み、雪華の両肩を持った。




雄大「どうした?何があった?」



そう聞くと雪華は言葉を詰まらせながら言った。



雪華「忘れ物取りに行ったら・・・は・・春樹がいて・・・」

雄大「前に付き合ってたやつ?」

雪華「やだって言ってのに・・・む・・無理矢理キス・・されて・・・」

雄大「あいつ・・・!」



涙をぽろぽろこぼしながら唇を擦る雪華。

何度も擦ったからか・・・もう切れてるところがあった。




雄大「あーあー・・・そんな擦ってるから切れちゃってるよ?」



そう言って切れてしまってるところを指でなぞると・・・雪華はとんでもないことを言った。




雪華「雄大さんと・・シ・・シたなら・・俺ともできるだろって・・・」

雄大「!!・・・そんな酷いこと言われたのか!?」

雪華「圭くんが・・助けてくれて・・・逃げれたの・・・」

雄大「!!・・・そこは感謝だな。」




あいつも雪華を狙ってることに違いないけど・・・助けてくれたことには心から感謝をした。

問題は元カレだ。



雄大「雪華?よく聞いて?」

雪華「?・・・うん。」

雄大「もしかしたらまた元カレが接触してくるかもしれない。」

雪華「え・・・?」

雄大「だから・・・ケータイはいつも手に持ってて。すぐに俺にかけれるようにしておいて。」




なにも無いことを祈りたかったけど、元カレの行動から考えたらこれで引き下がるとは思えなかった。

きっと・・・もう一度接触してくる。



雄大「わかった?」

雪華「・・・うん、わかった。」

雄大「いい子・・・。」




俺は雪華の身体をぎゅっと抱きしめた。

よっぽど怖かったのか、まだ微かに震えてる雪華の身体。

このことがトラウマにならないように・・・俺は雪華の顎をすくった。



雄大「キス・・してもいい・・?」



雪華が拒むなら無理矢理する必要はない。

でも・・雪華はキスを望んでるような気がした。



雪華「したい・・・。あんなキス・・・したくなかった・・・!」

雄大「ベタだけど・・・消毒な。」



そう言って雪華の唇に、優しく・・・ほんと優しく口づけを落とした。







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