突然両親からお見合いして結婚しろと言われた令嬢は全力で拒否して、学園でイケメンに囲まれる青春生活を送る成功者に

第3話

「お母様達は王都で贅沢を極めた暮らしなのに私とお父様とシエナお姉様はどうして苦労をしなければならないのですか？」
「子供のくせに生意気な口を利いて！四女なんだから親の言うことに従いなさい！あなたは家のために尽くせばいいのです。四女の分際で伯爵家当主と結婚させてあげるだけありがたいと思って喜ぶところです。子爵家の四女のエラが伯爵夫人になれるのですよ？嬉しくないのですか？」
「何も喜ばしくないです。好きでもない年の離れた男性と結婚するなんて私の気持ちの整理がつきません！」

母達のしわ寄せが全てにおいて田舎で暮らす3人に重くのしかかり損な役回りをしていますが父は母に頭が上がらないので我慢するしかなかった。

母フレイヤ夫人の実家は侯爵家という貴族の中でも上位で権力もあり大層なお金持ちですが、ドケチで父が何度か頼み込みましたが断られて援助はしてもらえません。

それなのに母や長女や次女にはお小遣いを上げて目に入れても痛くないほどの可愛がりよう。

「シエナとエラは甘やかさないと決めているから小遣いはやらん！」
「三女と四女なんだからお化粧してお洒落する必要もないですからね」

反対に母の両親は三女と四女という理不尽な理由でひどく邪険に扱いお小遣いもくれない。ですが父の両親は二人のことも大事にしてくれます。

それに留まらずこのような破綻しているような夫婦の状態でも離婚は許さないと母の両親に父は叩きつける様な口調で言われたそう。

「もし娘と別れたらどうなるか分かっていると思うが…」
「心得ております。妻との離婚なんてこれっぽっちも考えていません」
「私の顔に泥を塗ることは許さんぞ！分かったな？」
「勿論でございます」

貴族というのは村社会で離婚なんてしたら母の両親に悪い噂を流されて他の貴族から偏見の眼差しで見られひどい扱いを受けることが目に見えているのでヘンリーも従うしかない。