突然両親からお見合いして結婚しろと言われた令嬢は全力で拒否して、学園でイケメンに囲まれる青春生活を送る成功者に

第4話

三女のシエナ令嬢と四女のエラ令嬢の着ている衣服は時々送られてくる姉のおさがりなので無駄に煌びやかなドレスを来て見た感じは貴族の令嬢みたいですが顔と身体は畑仕事でくたびれている。

ちなみに王都で暮らすフレイヤ夫人には若くモデルのような体型で華やかな顔の愛人もいます。父ヘンリーも薄々気づいているみたいですが特に何も言いません。もう愛情はないのでしょう。

「フレイヤこれではあまりにもエラが可哀想だ。相手は55歳で私達よりもだいぶ年上じゃないか…」

父ヘンリーは40歳で母フレイヤは38歳。それなのに娘のお見合い相手は55歳で直ぐさま結婚を勧められている。

これから長い人生があるのに10代のうちに結婚なんて娘に申し訳なく思うヘンリーは気の毒そうに眉を寄せた。

（お父様はやはり私のことを考えてくれて愛してくださっているのですね…）

「あなたは黙っていなさい！そして口を挟んだことを私に謝罪して！」

非情な人間の母は父の言葉に容赦なく焼け付くような視線を向ける。不機嫌な顔で語気を荒げて吐き捨てるように言う。

「悪かった…」
「そんな中途半端な心のこもってない謝り方では納得しません！また私の父にあなたを厳しくお説教してもらいましょうか？」
「勝手に口を挟んで申し訳ない。それだけは許してくれ」
「ふんっ！まあいいでしょう」

フレイヤ夫人に雷を落とされて怯えたように首をすくめて床に膝をついて土下座をして謝る父。完膚なきまでにやられて沈んだ顔をしてうつろな瞳で遠くを眺め調教された犬のように静かになる。

ヘンリーも本音を言うとそのような男性とかわいい娘を結婚させたくない。しかし義父や母の機嫌を常に伺わなければならない生活で肩身の狭い思いをしている父には少しの反論も許されなかった。