永遠に愛を誓った恋人で婚約者に差別され冷たい目で見られる令嬢の悲しみと絶望〜聖女と浮気の王太子殿下は女王に断絶され国外追放の罰！

第2話

逢い引きを繰り返しているアダム殿下とレベッカ令嬢は、脳みそが溶けそうなほど心地いい気持ちでした。

そういう訳で浮気が明るみになり皆の知るところとなってしまうことなど想像すらしていません。

それに加えてレベッカ令嬢にはシモン伯爵令息という恋人がいます。

シモン令息はアダム殿下と身内のような親しい関係でエレナ令嬢とも大変仲が良い。

恋人の目を盗んでこっそり会って、ただならぬ恋をしているのを知ったら彼はどう思うのでしょうか？

怒り狂うのか？　ショックで倒れないか？　エレナ令嬢はシモン令息のことを大変心配していました。

エレナ令嬢は二人の関係をとっくに知っているので、トラウマという精神的な苦しみで悪夢が脳の中に住み込んでいる。

初めて知った時は、とてもじっとしていられなくて眠れない日々が続きました。なんとも言えない大きな悲しみの底に突き落とされる思いでした。

あんな愛してくれたアダム殿下が何で変わってしまったのか？何度も頭をありったけ回転させても答えは浮かんでこない。

心を誰かに握られて振り回されているような気持ちなのに、更に恋人が自分を見る眼が日増しに冷酷になっていきました。

軽蔑した態度をとるようになって死にたいほど辛かった。なぜ私に冷たくなったのか？　その理由が最初は分からなかった。

でも愛する彼が浮気していることが分かり納得もしましたが、それ以上に屈辱と憎しみの感情が体を包む。

自分に向ける愛情を全てそっくりそのまま浮気相手に注いで、婚約者の自分はゴミみたいに扱われ差別視するような蔑んだような目で見るのです。